話がかみ合わないときの伝え方|誤解を増やさず認識をそろえる確認フレーズ
仕事や会話の中で、こちらは説明しているつもりなのに、どこか話がかみ合わないと感じることがあります。
相手の理解が少しずれているのか、自分の伝え方が抽象的だったのか、あるいは前提そのものが違っているのか。原因がはっきりしないまま話し続けると、かえって誤解が増えやすくなります。
こういう場面で大切なのは、相手を言い負かすことではありません。
違いをすぐ指摘するより、どこがずれているのかを小さく整理して、認識をそろえる形で戻すことです。
特に仕事では、日付や担当のような事実のズレだけでなく、言葉の意味、前提条件、会話の目的が食い違っていることも少なくありません。
そのため、説明を足すだけではうまくいかず、確認の順序や言い方を整えたほうが伝わりやすくなります。
この記事では、話がかみ合わないときに、誤解を増やさずにすり合わせるための伝え方を整理します。
ただの言い換えではなく、会話を止めずに戻すための考え方と、実際に使いやすい確認フレーズを分かりやすく見ていきます。
話がかみ合わないときは、説明を増やすより、いったん立ち止まって認識をそろえたほうがうまくいくことがあります。
気まずくせずに会話を立て直すコツを、ここで一つずつ整理していきましょう。
話がかみ合わないとき、まず知っておきたいこと

話がかみ合わない場面に出会うと、相手が理解してくれない、自分の説明が下手だった、と考えがちです。
ただ、実際にはそのどちらかだけが原因とは限りません。
会話のズレは、誰か一人の能力の問題というより、前提や言葉の置き方の違いで起きることが多いものです。
だからこそ、気まずさを減らしたいなら、相手を責めるより先に、どこでズレたのかを整理することが大切です。
この章ではまず、話がかみ合わないときに起きやすいズレの正体を整理します。
ここが見えると、このあと出てくる確認フレーズも使いやすくなるはずです。
話がかみ合わない原因は、理解力より前提のズレで起きやすい
話がかみ合わないとき、よくあるのは説明不足そのものより、前提がそろっていないことです。
同じ言葉を使っていても、頭の中で思い浮かべている内容が違えば、会話は自然にずれていきます。
特に起きやすいのは、次の3つです。
主語・述語が曖昧なこと
誰の話をしているのか、何がどうなったのかがぼんやりしていると、相手は自分なりの解釈で受け取ります。
すると、こちらは同じ話をしているつもりでも、相手は別の話として理解していることがあります。
前提条件が違うこと
こちらは「今週の会議の話」をしているつもりでも、相手は「来月の計画の話」と受け取っているような場面です。
このズレがあるまま説明を続けても、内容はどんどんかみ合わなくなります。
言葉の粒度がずれていること
たとえば、「最近」「普通」「しっかり」「早めに」といった言葉は、人によって幅があります。
片方は具体的に考えていても、もう片方はかなり広く受け取っていることがあります。
つまり、話がかみ合わないのは、どちらかの理解力が足りないからとは限りません。
会話の土台が少しずれているだけで、十分起こりうることです。
説明を足し続けるほど、かえって誤解が増えることがある
話がずれていると感じたとき、ついやってしまいやすいのが、説明を増やすことです。
もっと詳しく言えば伝わるはず、と考えるのは自然でしょう。
ただ、前提がずれたまま説明だけを足すと、相手はそのずれた前提の上に新しい情報を重ねていきます。
その結果、こちらは説明したつもりでも、相手の理解はさらに別の方向へ進んでしまうことがあります。
たとえば、相手が「決定事項の話」だと思っているのに、こちらが「まだ相談段階の話」を細かく説明しても、会話は整理されません。
情報量が増えるほど、相手は自分の前提に合わせて受け取ってしまうからです。
こういう場面で必要なのは、情報を足すことより、まず論点を小さく整えることです。
いったん立ち止まって、何がずれているのかを一つに絞る。
そのほうが、結果的には早く話が前に進みます。
話がかみ合わないときは、説明の多さより順序が大切です。
まず土台をそろえる。
そのあとで必要な説明を足す。
この順番のほうが、誤解を増やしにくくなります。
この記事で扱うのは言い負かす言い方ではなく戻す言い方
話がずれたときに大切なのは、自分の正しさを証明することではありません。
相手に勝つことでも、相手の理解不足を示すことでもありません。
必要なのは、会話を同じ場所に戻すことです。
つまり、「どちらが正しいか」を決めるより、「今どこでずれているか」を見つけて、そこをそろえ直すことが先になります。
そのため、この記事で扱うのは、強く指摘する言い方ではありません。
相手を言い負かす返し方でもありません。
大切にしたいのは、話をこじらせず、認識をそろえ直すための順序です。
いきなり違いを指摘するのではなく、
いったん止める。
ズレを一つに絞る。
自分の理解を出す。
最後に確認する。
こうした流れに落とし込むことで、話がかみ合わない場面でも立て直しやすくなります。
次は、実際にどんなズレが起きているのかを見極めるために、話がかみ合わない原因を4つに分けて整理していきます。
まず見極めたい|話がかみ合わない原因は4つに分けられる
話がかみ合わないと感じたとき、すぐに言い方を変えようとすると、かえってズレが広がることがあります。
まず必要なのは、何がずれているのかを見極めることです。
会話のズレにはいくつかの型があります。
その型が分かるだけで、使う確認フレーズも変わりますし、余計な説明を足さずに済みます。
ここでは、話がかみ合わない原因を4つに分けて整理します。
どのズレなのかが見えると、会話を戻すのがかなり楽になります。
事実のズレ|日付・数字・担当・手順が食い違っている
まず分かりやすいのが、事実のズレです。
日付、数字、担当者、手順、場所、期限など、正解がはっきりしている情報が食い違っている状態です。
たとえば、
こうしたズレは、長く説明するより、早めに短く直したほうがよいでしょう。
そのまま進むと、あとで修正の手間が大きくなるからです。
このタイプでは、気を使いすぎて曖昧にぼかすより、必要な事実だけを落ち着いてそろえることが大切です。
ただし、強く言い切る必要はありません。
「念のため確認ですが」「ここだけそろえると」のように、小さく整える言い方が向いています。
前提のズレ|どの条件で話しているかが違う
話が長引きやすいのは、事実そのものより前提がずれているときです。
同じ言葉を使っていても、頭の中で思い浮かべている条件が違えば、会話は自然にすれ違います。
前提のズレで多いのは、次のようなものです。
たとえば、こちらは「今週の対応範囲」の話をしているのに、相手は「今後の全体方針」の話だと思っていることがあります。
あるいは、こちらは「まだ案の段階」と思っていても、相手は「もう決まった話」と受け取っていることもあるでしょう。
このタイプは、説明を足しても戻りにくいのが特徴です。
前提が違うまま情報だけ増えると、それぞれが別の土台の上で理解を積み上げてしまうからです。
そのため、まずは
をそろえる必要があります。
ここが合うだけで、会話が一気に戻ることは少なくありません。
言葉の粒度のズレ|最近・いつも・普通が人によって違う
もう一つ多いのが、言葉の粒度のズレです。
使っている言葉は同じでも、人によって思い浮かべる幅が違うために、話がかみ合わなくなる状態です。
特にズレやすいのは、次のような言葉です。
こうした言葉は便利ですが、具体的ではありません。
片方は「ここ1週間」のつもりで言っていても、もう片方は「ここ数か月」と受け取っていることがあります。
「普通にやる」という言い方でも、人によって作業の深さや完成度のイメージは変わります。
このタイプでは、言葉を否定するより、具体化するほうが大切です。
つまり、「最近っていつのことですか」「普通というのはどの状態でしょうか」と、幅を小さくしていく必要があります。
話がぼやけると感じたら、相手の言い方が悪いと決める前に、言葉の大きさが合っているかを見たほうがよいでしょう。
抽象語を具体化するだけで、会話のズレはかなり減ります。
目的のズレ|相談したいのか、決めたいのか、共有したいのかが違う
意外と見落としやすいのが、会話の目的のズレです。
何について話しているかは合っていても、この会話で何をしたいのかが違うと、話はかみ合いにくくなります。
たとえば、
こういうズレがあると、同じ話題でも温度差が出ます。
こちらは前に進めているつもりでも、相手には話を急がせているように見えたり、逆に相手がのんびりしているように見えたりします。
このタイプでは、内容を細かく整える前に、会話のゴールを合わせたほうが早いです。
ここがそろうと、その後の言葉も自然に合いやすくなります。
話がかみ合わないときは、相手が何を言っているかだけでなく、何をしたくてその話をしているのかを見ることが大切です。
目的が合うだけで、同じ言葉の受け取り方もかなり変わります。
次は、この4つのズレをふまえたうえで、実際にどう会話を戻していくか、基本の順序を見ていきます。

誤解を増やさずすり合わせる基本順序|止める→見えているズレを一つにする→自分の理解を出す→確認する
話がかみ合わないときに、いちばんやってしまいやすいのは、そのまま説明を足し続けることです。
でも、ずれたまま情報を増やすと、相手は相手の前提のまま理解を重ねてしまいます。
その結果、言えば言うほど話が広がり、どこがずれていたのかさえ見えにくくなります。
そういう場面では、うまい言い換えより先に、会話の順番を整えることが大切です。
ここでは、話をこじらせずに戻しやすい基本の流れを4つに分けて整理します。
まず止める|話を進めながら直そうとしない
話がずれていると感じたら、まず必要なのは、会話を少し立ち止まらせることです。
相手の話に反応しながら、その場で直し続けようとすると、論点が増えて戻しにくくなります。
大げさに止める必要はありません。
短い一言で十分です。
たとえば、次のような言い方です。
この一言があるだけで、会話の流れを無理なく切り替えられます。
大切なのは、急いで説明を重ねないことです。
話を戻したいときほど、言葉を増やすより、いったん止めるほうが前に進みやすくなります。
次に、見えているズレを一つにする
止めたあとは、何がずれているのかを一つに絞ります。
ここでやってはいけないのは、気になった点をまとめて全部出すことです。
たとえば、
と一度に出すと、相手はどこから受け止めればよいか分かりません。
こちらも、何を直したいのかがぼやけます。
まずは、今いちばん大きいズレだけを一文で置くことが大切です。
たとえば、
このように、一つだけ見える形にすると、その後の会話がかなり整います。
話がかみ合わないときは、細かく言うことより、まず何のズレなのかを一つにすることが先です。
そのあと、自分の理解を短く出す
ズレを一つにしたら、次は自分の理解を短く出します。
ここで相手の認識をそのまま否定すると、会話が対立に見えやすくなります。
そのため、「あなたは違う」ではなく、「自分はこう理解している」という形で出すのが基本です。
使いやすいのは、次のような入り方です。
たとえば、
この形にすると、相手を押さえつける感じが出にくくなります。
しかも、自分がどこでずれていると感じたのかも伝わりやすくなります。
ここでも長く説明しすぎないことが大切です。
自分の理解を一文で出す。
そのくらいの短さで十分です。
最後は確認で閉じる
最後は、言い切って終わらず、確認で閉じます。
ここを確認にすることで、会話が「訂正」ではなく「認識合わせ」になります。
たとえば、次のような言い方です。
この一言があると、相手も受け身で直されるのではなく、一緒にそろえる感覚を持ちやすくなります。
また、こちらの理解が完全に正しいとは限らない場面でも、確認で閉じておけば修正しやすくなります。
話がかみ合わないときは、
- 止める
- ズレを一つにする
- 自分の理解を出す
- 確認する
この順番だけでもかなり立て直しやすくなります。
次は、この流れをそのまま使いやすくするために、実際に使える確認フレーズを整理していきます。
話がかみ合わないときに使いやすい確認フレーズ
話がずれていると感じたときは、気まずさを避けようとして曖昧に返すより、短く確認したほうがうまくいくことがあります。
ここでは、話を止めすぎず、相手を責めすぎずに使いやすいフレーズを、ズレの種類ごとに整理します。
事実をそろえるフレーズ
事実のズレは、長く説明するより、短く正確にそろえるのが基本です。
特に、日付、数字、担当、手順は、そのまま進むと後で影響が広がりやすいため、小さく早く直したほうがよいでしょう。
日付
のように、必要な情報だけを置く形が使いやすいです。
数字
と返すと、強く聞こえにくくなります。
担当のズレ
のように、主語を明確にして返すと伝わりやすくなります。
手順のズレ
のような言い方が向いています。
このタイプで大切なのは、理由を長く話しすぎないことです。
事実をそろえる場面では、やわらかさより、短く正確に伝えることのほうが役に立ちます。
前提をそろえるフレーズ
話が長引くときは、事実ではなく前提がずれていることがあります。
そんなときは、結論を急ぐより、どの条件で話しているのかを先にそろえたほうが戻りやすくなります。
使いやすいのは、次のような言い方です。
前提をそろえるフレーズのよいところは、相手を否定せずに会話の土台を整えられることです。
「話がずれています」と言うより、今どの条件で話しているかを見える形にしたほうが、相手も受け入れやすくなります。
会議や仕事の場では、特に
をそろえるだけで、会話がかなり戻ることがあります。
言葉を具体化するフレーズ
話がかみ合わない原因が、抽象的な言葉にあることも少なくありません。
最近、いつも、普通、早めに、しっかり、などは便利ですが、人によって思い浮かべる幅が違います。
こういう言葉が出てきたときは、そのまま受け取るより、少し具体化したほうが会話が整いやすくなります。
たとえば、
のような聞き方です。
このとき大切なのは、揚げ足を取るように聞かないことです。
「分かりにくいです」ではなく、「幅をそろえたいので確認したい」という姿勢で聞くと、気まずさが出にくくなります。
抽象語が出たときに少しだけ具体化する。
これだけでも、話のズレはかなり減ります。
会話の目的を合わせるフレーズ
内容ではなく、会話のゴールがずれていることもあります。
相談したいだけなのか。
今日ここで決めたいのか。
まず共有だけでよいのか。
ここが合っていないと、同じ話題でもかみ合いにくくなります。
そんなときは、話の目的を先に確認すると戻しやすくなります。
使いやすいのは、次のような言い方です。
目的を合わせるフレーズは、会議や打ち合わせで特に役立ちます。
話が広がりすぎるときほど、内容を足すより、まず何のための会話かをそろえたほうが進みやすくなります。
次は、強く聞こえやすい言い方と、すり合わせに変えやすい言い方の違いを表で整理していきます。
強く聞こえやすい言い方と、すり合わせに変えやすい言い方の比較表
話がかみ合わないときは、言いたい内容より、最初の置き方で空気が決まりやすくなります。
特に、相手の言い方や理解をそのまま否定する形になると、認識をそろえる前に気持ちがぶつかりやすくなります。
ここでは、強く聞こえやすい言い方と、すり合わせに変えやすい言い方を見比べます。
違いをはっきりさせることで、自分の言い方を調整しやすくなるはずです。
NGな言い方と、認識をそろえやすい言い方の違い
| 状況 | 強く聞こえやすい言い方 | すり合わせに変えやすい言い方 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 日付・数字のズレ | それ違います | 念のため確認ですが、日付は◯日で認識しています | メール・チャット |
| 前提のズレ | 話がずれています | 一度前提だけそろえると、◯◯の話として受け取っています | 会議・口頭 |
| 抽象語のズレ | 何を言ってるか分かりません | ここでいう「最近」は、どの期間を指していますか | 仕事・日常 |
| 目的のズレ | そういう話じゃないです | 今日ここで決めたいのは何か、先に合わせたいです | 会議 |
| 担当・責任のズレ | それ私の担当じゃないです | 担当範囲だけ確認すると、私の認識では◯◯までです | 社内全般 |
この表で見ておきたいのは、やわらかい言い方は、遠回しにしているだけではないという点です。
すり合わせに変えやすい言い方には、共通して3つの特徴があります。
- 相手の発言をそのまま切らないこと
「違います」「ずれています」と言い切るより、「確認ですが」「前提だけそろえると」と入るほうが、会話が止まりにくくなります。 - 相手ではなく論点に向けていること
「あなたの言い方がおかしい」ではなく、「どの前提か」「どの期間か」「どこまでが担当か」と、話の中身を整える方向に向いています。 - 結論より認識合わせを先にしていること
正しさを押し出すより、まず同じ場所を見る形にすると、相手も受け取りやすくなります。
たとえば、
だと、その場で相手の発言を切る形になります。
一方で、
なら、必要な訂正をしながらも、相手に考え直す余地を残せます。
また、
は、相手の言葉そのものを否定しています。
これを、
に変えると、抽象的だった部分を具体化する会話に変わります。
話がかみ合わないときは、相手を直すより、ズレている場所を見える形にするほうがうまくいきます。
そのための入口として、この比較表を使うと整理しやすいでしょう。
まず覚えるなら、この短い前置きで足りる
毎回きれいな言い方を考えなくても、まずは短い前置きを3つ覚えておけば十分です。
この3つは、それぞれ役割が少し違います。
念のため確認ですが
日付、数字、手順など、事実を小さくそろえたいときに使いやすい言い方です。
短く入れるだけで、否定の印象が弱くなります。
一度前提だけそろえると
話の土台がずれているときに便利です。
会議や口頭で、論点が広がりかけたときに特に使いやすいでしょう。
私の理解ではこうです
上司や先輩など、正面から違いますと言いにくい相手にも使いやすい言い方です。
相手の認識を否定するより、自分の見え方として出すほうが受け入れられやすくなります。
まずはこの3つのどれかを入口にして、そこから必要な一点だけを確認する。
それだけでも、話がかみ合わない場面はかなり整えやすくなります。
次は、上司・同僚・チャットでどう使い分けるかを見ていきます。

上司・同僚・チャットで変わるすり合わせ方
話がかみ合わないときの戻し方は、相手や場面によって少し変えたほうがうまくいきます。
同じ内容でも、上司には確認として返したほうが自然ですし、同僚には認識合わせとして短く戻したほうが伝わりやすい場面があります。
また、チャットや会議では、伝え方の長さや順序も変わります。
ここでは、実際に使い分けやすい形で整理します。
上司には確認として返す
上司に対しては、正面から
と言わないほうが安全です。
ここで大切なのは、反論することではなく、判断材料をそろえることです。
そのため、自分の理解を先に出して、確認の形で返すのが向いています。
たとえば、次のような言い方です。
この形なら、上司の発言を正面から否定せずに、ズレている部分だけを見える形にできます。
上司へのすり合わせは、正しさをぶつけるより、判断しやすい形で戻すことが大切です。
同僚には認識合わせとして短く戻す
同僚との会話では、その場で小さく直すほうが自然です。
長く説明すると、必要以上に重くなりやすいからです。
同僚相手で意識したいのは、訂正ではなく認識合わせに見せることです。
一緒に進める前提が見えると、相手も受け取りやすくなります。
たとえば、次のような形です。
同僚には、説明のうまさより、短く戻せることのほうが大切です。
その場で一つだけ整える。
このくらいの軽さがちょうどよいでしょう。
チャットでは短く、論点を一つだけ送る
チャットで話がずれたときは、一度にいろいろ送らないことが大切です。
長文になるほど、相手はどこに答えればよいか分かりにくくなります。
基本は、
- 一文を短くする
- 論点を一つにする
- 必要なら箇条書きにする
この3つです。
たとえば、次のような形です。
論点が二つ以上あるなら、無理に一文にまとめないほうがよいでしょう。
必要なら、こう分けます。
- 今確認したいのは日程です
- 私の理解では16日提出です
- 認識が違えばここで合わせたいです
チャットでは、やわらかさより読みやすさのほうが大事になる場面もあります。
短く、一つずつ。
それだけで、かみ合わない会話をかなり戻しやすくなります。
会議では今決めることに戻す
会議で話がかみ合わなくなると、つい論点が広がりがちです。
日程の話をしていたのに、担当の話、背景の話、別案件の話まで広がると、何をそろえたいのかが見えなくなります。
そんなときは、
今決めることは何か
に戻すのがいちばん効果的です。
たとえば、次のような言い方です。
会議では、途中で論点を増やさないことが特に大切です。
ズレがいくつか見えていても、その場では一つだけ戻す。
それだけで、会話がかなり整いやすくなります。
次は、話がかみ合わないときによくある質問を整理していきます。
話がかみ合わないときのよくある質問
Q1.話がかみ合わないと感じても、すぐ指摘しないほうがよいことはありますか?
あります。
ただし、何でも後回しにしたほうがよいわけではありません。
すぐ確認したほうがよいのは、日付、数字、担当、締切のように、そのまま進むと実害が出やすい内容です。
こうしたものは、小さく早くそろえたほうが、後の気まずさも減ります。
一方で、相手の意図の受け取り方や、会話の温度感のずれのように、その場で正面から言うと空気が固くなりやすいものは、少し場を選んだほうがよいことがあります。
人前なら、会議後に短く確認するほうが自然な場合もあるでしょう。
迷ったときは
- 今すぐ直さないと困るか
- この場で言う必要があるか
の2つで考えると整理しやすくなります。
Q2.相手が上司でも、前提のズレを確認してよいのでしょうか?
確認してよいです。
むしろ、前提がずれたまま進むほうが後で大きな行き違いになりやすくなります。
ただし、上司には
と正面から返すより、
のように、確認の形で返すほうが通りやすいでしょう。
上司への確認は、反論ではなく、判断材料をそろえる動きとして見せることが大切です。
前提を整えること自体は問題ありません。
伝え方の角度だけ整えれば十分です。
Q3.会話の途中でズレに気づいたら、どう切り出せばよいですか?
いちばん使いやすいのは、短く立ち止まる一言を入れることです。
たとえば、
このような入り方です。
大切なのは、急いで説明を足さないことです。
まず止める。
次に、何がずれているのかを一つにする。
そのあとで、自分の理解を短く出す。
この順番にすると、会話をこじらせにくくなります。
Q4.チャットで認識合わせをすると冷たく見えませんか?
書き方しだいです。
チャット自体が冷たいのではなく、要点だけを切り出すとぶっきらぼうに見えることがあります。
冷たく見えにくくするには、最初に短い前置きを入れるのが効果的です。
たとえば、
のような一言です。
そのうえで、論点を一つに絞って短く書けば十分です。
長文でたくさん説明するより、短く分けて送るほうが、相手も返しやすくなります。
Q5.何度確認してもかみ合わない相手にはどう対応すればよいですか?
その場合は、その場の会話だけで合わせようとしすぎないことが大切です。
口頭で何度もずれる相手とは、言葉の受け取り方より、前提や記録の持ち方がずれていることがあります。
そういうときは、次のように対応すると整理しやすくなります。
まず、論点を一つずつ分けることです。
一度に複数の話をすると、さらにずれやすくなります。
次に、口頭だけで終わらせず、短く文面に残すことです。
日程、担当、結論、次の動きだけでも残しておくと、後の行き違いを減らしやすくなります。
そして、必要なら
のように、進め方そのものを整える言い方も有効です。
何度確認してもかみ合わない相手には、もっと説明するより、
- 論点を減らす
- 記録を残す
- 一つずつ確認する
の3つを意識したほうが戻しやすくなります。
次は最後に、話がかみ合わないときの伝え方をまとめていきます。
まとめ|話がかみ合わないときは、説明を足すよりズレの種類を見極めて順序で戻す
話がかみ合わない場面では、相手を納得させようとして説明を増やすほど、かえってずれが広がることがあります。
そんなときに大切なのは、言い返すことでも、正しさを押し出すことでもありません。
どこがずれているのかを見極めて、順番どおりに戻すことです。
誤解を増やさずすり合わせるポイントを3つで振り返る
- 何のズレかを見極めること
事実のズレなのか、前提のズレなのか、言葉の粒度のズレなのか、会話の目的のズレなのか。
ここが見えていないまま話すと、必要以上に説明が長くなりやすくなります。 - 一度に全部を直そうとしないこと
気になる点がいくつかあっても、その場では一つに絞ったほうが戻しやすくなります。
話がかみ合わないときほど、広げるより絞るほうが有効です。 - 言い切りで終わらず確認で閉じること
「違います」で止めるのではなく、
「この認識で合っていますか」
「ここだけそろえたいです」
と確認に変えるだけで、会話はかなりやわらぎます。
最初に覚えるなら、この順序だけでよい
最初から細かい言い方をたくさん覚えなくても大丈夫です。
まずは、次の順序だけ意識できれば十分です。
- 止める
- ズレを一つにする
- 自分の理解を出す
- 確認する
たとえば、
この形なら、相手を否定しすぎずに、必要なすり合わせへ入りやすくなります。
うまく戻せなかった日でも、次につながる見直し方
話がかみ合わない場面では、毎回うまく戻せるとは限りません。
説明を足しすぎてしまう日もあれば、逆に気を使いすぎて何も言えない日もあるでしょう。
そんなときは、次の3点だけ見直せば十分です。
一回で完璧に整えなくても大丈夫です。
次の会話で一つだけ意識できれば、それだけでも十分前進しています。
ことのは先生よりひとこと

話がかみ合わないときに必要なのは、強く言うことではなく、落ち着いて戻すことです。
相手を変えようとするより、会話のズレを一つずつ整えるほうが、結果として伝わりやすくなります。
まずは一つ、使いやすい確認の入り方から試してみてください。

