電話対応の敬語フレーズ30選|第一声から終わりの挨拶まで

電話対応の敬語フレーズ30選|第一声から終わりの挨拶まで 敬語・ビジネス言葉

電話対応の敬語フレーズ30選|第一声から終わりの挨拶まで

電話が鳴ると、いまだに少し緊張してしまう。
そんな方も多いのではないでしょうか。

顔が見えない電話対応では、声のトーンと言葉づかいが、相手の印象をほとんど決めてしまいます。
第一声のあいさつから、用件の聞き方、保留や取り次ぎ、最後の終わりの挨拶まで。
一つ一つのフレーズが、そのまま「あなた」と「会社」の印象につながると言えるでしょう。

一方で、マニュアル通りの敬語を暗記しようとすると、かえって不自然になったり、想定外の場面で言葉に詰まってしまうこともあります。
大事なのは、場面ごとの流れと「なぜこの言い方がていねいになるのか」という考え方をセットで理解しておくことです。

この記事では、電話対応でよく使う敬語フレーズを、シーン別に整理しながら、その背景にあるマナーや考え方も合わせて解説します。
単なるフレーズ集ではなく、「自分の言葉」に調整しやすい土台として活用していただけるでしょう。

この記事で分かること

  • 電話対応で敬語が特に重視される理由と、基本的な対応の流れ
  • 第一声のあいさつから名乗り方、用件の聞き方までの代表的な敬語フレーズ
  • 取り次ぎ・保留・不在時の案内など、迷いやすい場面でのNG/OK表現とポイント
  • トラブル時や聞き間違えたときに、印象を崩さずに言い直すための言葉づかい
  • 終わりの挨拶や電話を切る前のマナーを整え、信頼につながる締め方にするコツ

電話対応が少しでも安心してできるように。
そして、「この人に任せておけば大丈夫だ」と思ってもらえる一言を増やすためのヒントとして、読み進めてみてください。


  1. 電話対応で敬語が大切にされる理由
    1. 声と言葉だけで印象が決まるコミュニケーション
    2. 電話対応は「会社の印象」を左右する窓口
    3. 敬語はマニュアルではなく「信頼を作る土台」
  2. 電話対応の基本マナーと流れを押さえる
    1. 電話を受けるときの基本の流れ
    2. 電話をかけるときの基本の流れ
    3. 社外・社内・部門間で変わる敬語レベル
  3. 第一声と名乗り方の敬語フレーズ
    1. 電話を受けたときの第一声と名乗り方
    2. 電話をかけるときのあいさつと名乗り方
    3. 相手を確認するとき・聞き返すときの一言
  4. 用件確認・取り次ぎ・保留の言い方(NG/OK表あり)
    1. 用件を丁寧にうかがうフレーズ
    2. 担当者への取り次ぎ・不在時の伝え方
    3. 保留にするとき・お待たせした後の一言
    4. シーン別 NG/OKフレーズ一覧
  5. トラブル時・聞き間違えたときの敬語フレーズ
    1. 聞き返し・聞き取りづらいときの言い方
    2. こちらの手違い・伝達ミスがあったときの謝罪
    3. 相手の時間を取ってしまったときの一言
  6. 終わりの挨拶と電話を切る前のマナー
    1. 会話を締めるときの定番フレーズ
    2. 再連絡や宿題が残るときの締め方
    3. 電話を切るタイミングと音の配慮
  7. 電話対応の敬語に関するよくある質問(FAQ)
    1. Q. 新人で緊張してしまい、言葉が出てこないときはどうすればよいでしょうか?
    2. Q. 社内の人に対しても、社外と同じ敬語を使うべきでしょうか?
    3. Q. 電話対応中にタメ口が出てしまったときのリカバリーはありますか?
    4. Q. クレーム電話でも、どこまで丁寧な敬語を続けるべきでしょうか?
  8. まとめ|電話対応で信頼される敬語フレーズを身につける
    1. 電話対応で押さえたいポイントの振り返り
    2. 30フレーズをそのまま覚えるより大切なこと
    3. 日常の電話から少しずつ言い換えを試すコツ
    4. ことのは先生よりひとこと

電話対応で敬語が大切にされる理由

電話対応は、相手から顔が見えません。
表情も、しぐさも、服装も見えません。

相手が受け取れるのは、声と話し方だけでしょう。
だからこそ、敬語の使い方がそのまま印象につながりやすくなります。

単に「それっぽいフレーズを並べる」だけでは、安心感までは伝わりにくいでしょう。
どんな場面で、どのような言い方を選ぶか。
その判断の積み重ねが「この人は信頼できる」と感じてもらえる土台になります。

このパートでは、なぜ電話対応で敬語が重視されるのか。
そして、なぜマニュアル暗記だけでは不十分なのかを整理していきます。


声と言葉だけで印象が決まるコミュニケーション

電話では、表情が見えません。

うなずきも、身ぶり手ぶりも伝わりません。
沈黙のときの表情も、相手には分かりません。

相手が受け取る情報は、声のトーンと言葉づかいだけです。

明るさや落ち着きは、声の出し方で伝わるでしょう。
ていねいさや誠実さは、敬語の選び方で伝わるでしょう。

第一声で、相手は「話をして大丈夫そうか」「きちんと聞いてくれそうか」を判断します。
出だしがぶっきらぼうだと、その後にどれだけ丁寧に話しても不安は残りやすいでしょう。

逆に、第一声が落ち着いていて、敬語も整っていれば、相手は内容を聞く準備がしやすくなります。
電話の敬語は、単なる形式ではなく「安心して話してもらうための入口」と考えるとよいでしょう。


電話対応は「会社の印象」を左右する窓口

相手は、あなた個人だけを見ているわけではありません。
電話口の対応を通して「この会社は丁寧かどうか」を判断しています。

一人の対応が、そのまま会社全体のイメージとして記憶されるでしょう。
特に、初めて連絡をした取引先やお客様にとっては、電話が最初の接点になりやすいです。

そこで雑な言葉づかいや、そっけない返事が続くと
「この会社に任せて大丈夫だろうか」と不安を持たれやすくなります。

社外だけではありません。
社内の電話対応でも「この部署は対応が丁寧だ」「話しやすい」といった印象が積み重なります。

日々の一本一本の電話が、信頼を積み上げる場にも、信頼を落としてしまう場にもなり得るでしょう。
だからこそ、電話での敬語は、個人のスキルだけでなく「組織の姿勢」として大切にされます。


敬語はマニュアルではなく「信頼を作る土台」

電話対応の研修では、よく定番フレーズの一覧が配られます。
もちろん、基本の言い方を知っておくことは大切でしょう。

しかし、現場の電話はマニュアルどおりにはいきません。
相手の怒りが強いこともあります。
想定していない質問が飛んでくることもあります。
社内の事情で、すぐには答えられないことも多いでしょう。

そうした場面では、暗記した一文だけでは対応しきれません。
状況に合わせて、言い回しを少し変える必要があります。
相手の様子を見ながら、言葉を足したり減らしたりする必要もあります。

そのときに役に立つのが
「なぜこの言い方が丁寧に聞こえるのか」
「どこまで伝えて、どこからは保留にするべきか」
といった考え方の部分です。

敬語は、型を覚えて終わりではありません。
相手との信頼を守るための土台として、場面ごとに使い分けることが大切でしょう。

次のパートからは、その土台を意識しながら
具体的なシーン別フレーズと、考え方のセットで整理していきます。


電話対応の基本マナーと流れを押さえる

電話の敬語フレーズは、流れの中で使ってこそ意味があります。
どのタイミングで、どんな言葉を選ぶのか。

その全体像がイメージできていると、場面ごとに落ち着いて対応しやすくなるでしょう。
ここでは、電話を「受けるとき」「かけるとき」の基本の流れと、相手によって変わる敬語レベルを整理します。


電話を受けるときの基本の流れ

電話を受けるときの流れは、おおまかに次のとおりです。

  1. 着信に出る
  2. 第一声のあいさつ
  3. 自社名・自分の名前を名乗る
  4. 相手の名乗りをうかがう
  5. 用件をうかがう
  6. 必要に応じて取り次ぐ・折り返しの約束をする
  7. 終わりのあいさつをして切る

この順番が頭に入っていると、会話を落ち着いて組み立てやすくなるでしょう。

第一声では、次のような言い方が基本です。

  • 「お電話ありがとうございます。◯◯株式会社の△△でございます。」
  • 「お世話になっております。◯◯株式会社の△△でございます。」

相手が社外か社内かで、敬語レベルは少し変わります。

社外の相手には、丁寧語+謙譲語を意識した、ややフォーマルな言い方が基本です。
社内の相手には、ていねいではありつつ、少しくだけた言い方になる場面もあるでしょう。

たとえば、社内の電話では次のような言い方もあります。

  • 「お疲れさまです。△△です。」
  • 「はい、△△です。」

ただし、相手が役職者や別部署の方であれば、社内でも一定の敬語レベルは保ちたいところです。
迷う場面では「外部の方にも聞かれて大丈夫な言い方か」を基準にすると、安全なラインが見えやすくなるでしょう。


電話をかけるときの基本の流れ

電話をかけるときは、相手の時間をもらっている前提で考えることが大切です。
基本の流れは次のようになります。

  1. 相手が出たら、あいさつをする
  2. 自社名・自分の名前を名乗る
  3. 相手の名前を確認する
  4. 要件の概要を伝える
  5. 詳細を説明し、必要な確認を行う
  6. 今後の流れや、相手にお願いしたいことをまとめる
  7. お礼と終わりのあいさつをして切る

最初の一言は、次のような形が多いでしょう。

「お世話になっております。◯◯株式会社の△△でございます。」

そのあとに、相手の確認を入れます。

「いつもお世話になっております。◯◯株式会社の△△でございます。
 ◯◯部の□□様でいらっしゃいますでしょうか。」

用件が複数あるときは、最初に「何点あるのか」を伝えておくと親切です。

  • 「本日、二点ほどご連絡したい内容がございます。」
  • 「ご相談が三点ございますので、順にお話ししてもよろしいでしょうか。」

あらかじめ数を伝えておくと、相手は時間の見通しを持ちやすくなります。
結果として、話を途中で切られにくくなるでしょう。

要件を伝え終えたら、最後に必ず「何をするか」を確認します。

  • 「それでは、資料を本日中にメールでお送りいたします。」
  • 「来週月曜日までに、改めてお見積もりをお持ちいたします。」

この一文があるかどうかで、電話の印象は大きく変わります。
相手にとっても、次に何が起こるのかが分かりやすくなるでしょう。


社外・社内・部門間で変わる敬語レベル

電話での敬語レベルは、相手との関係で変わります。
大きく分けると、次の三つでしょう。

  • 社外の顧客・取引先
  • 社内の他部署・他拠点
  • 同じチーム・同じフロアのメンバー

社外の顧客や取引先には、もっとも丁寧なレベルの敬語が基本です。
クッション言葉をしっかり使い、語尾も「〜でございます」「〜いたします」などを中心に整えます。

社内の他部署や他拠点のメンバーには、ていねいさを保ちながら、少しだけ言い回しをやわらげることが多いでしょう。
たとえば、語尾を「〜です」「〜ます」にしつつ、クッション言葉を一段階シンプルにするイメージです。

同じチーム内では、日ごろの関係性によって崩れ方が変わります。
ただし、電話の場合は「誰がそばで聞いているか分からない」という前提があります。
社内の別の人や、来客が近くにいることもあるでしょう。

そのため、たとえ仲の良い相手であっても、電話では最低限の敬語を保っておくと安心です。

迷ったときは、次の基準を持っておくとよいでしょう。

  • 一番立場が上の人が聞いていても失礼にならないか
  • 社外の人が近くで聞いていても、会社として問題ない言い方か

こうした視点で考えると、自然と「少し丁寧寄り」の言葉遣いを選べるようになります。
その積み重ねが、社外にも社内にも信頼される電話対応につながるでしょう。


第一声と名乗り方の敬語フレーズ

電話対応の印象は、最初の数秒でほぼ決まると言ってよいでしょう。
ここでは「電話を受けたとき」「電話をかけるとき」の第一声と名乗り方を整理します。

誰が出ても安心して聞いてもらえる。
そんな共通の型を持っておくと、緊張しにくくなるでしょう。


電話を受けたときの第一声と名乗り方

電話を受けた直後は、次の順番を意識すると流れが安定します。

  1. 第一声のあいさつ
  2. 会社名
  3. 部署名(必要に応じて)
  4. 自分の名前

基本のフレーズは、次のような形でしょう。

  • 「お電話ありがとうございます。◯◯株式会社の△△でございます。」
  • 「お電話ありがとうございます。◯◯株式会社◯◯部の△△でございます。」

小さな会社であれば「会社名+名前」で十分な場合もあります。
部署が多い会社や、代表番号でいろいろな部署につながる会社では「会社名+部署名+名前」と名乗る方が親切でしょう。

たとえば、次のように使い分けできます。

  • 社外からの電話が多い代表番号
    • 「お電話ありがとうございます。◯◯株式会社◯◯部の△△でございます。」
  • 社内からの直通電話
    • 「はい、◯◯部の△△です。」
  • 個人宛ての直通番号
    • 「はい、△△です。」

社外からの電話かどうか分からないときは、少し丁寧寄りにしておくと安全です。
「◯◯です」だけで終わらせず、「◯◯株式会社の△△でございます」とフルで名乗る意識を持つと、印象が安定しやすいでしょう。


電話をかけるときのあいさつと名乗り方

電話をかける側は、相手の時間を一方的にもらう立場になります。
そのため、第一声には「あいさつ」と「名乗り」を必ず含めるとよいでしょう。

基本の型は、次の二つです。

  1. あいさつ
  2. 自社名と自分の名前

たとえば、社外への電話では次のような言い方がよく使われます。

  • 「いつもお世話になっております。◯◯株式会社の△△と申します。」
  • 「お世話になっております。◯◯株式会社◯◯部の△△でございます。」

相手の苗字が分かっている場合は、名乗りのあとに確認を添えます。

「お世話になっております。◯◯株式会社の△△と申します。
 ◯◯部の□□様でいらっしゃいますでしょうか。」

代表番号にかけている場合は、対応してくれた人に、用件と宛先をセットで伝えます。

「お世話になっております。◯◯株式会社の△△と申します。
 本日、経理部の□□様はいらっしゃいますでしょうか。」

社内への電話でも、最初の一言を少し丁寧にしておくと安心でしょう。

「お疲れさまです。◯◯部の△△です。今、お時間よろしいでしょうか。」

「あいさつなし」「名乗りなし」で、すぐ用件だけを話し始めると、ぶっきらぼうな印象になりやすくなります。
一文だけでよいので、必ず「あいさつ+名乗り」を入れるとよいでしょう。


相手を確認するとき・聞き返すときの一言

電話では、相手の名前や会社名が聞き取りにくいことがよくあります。
そのまま曖昧に進めてしまうと、後でトラブルにつながるでしょう。

大切なのは、失礼にならない聞き返し方を知っておくことです。

相手を確認するときは、次のような言い方が基本です。

  • 「◯◯株式会社の□□様でいらっしゃいますでしょうか。」
  • 「□□様でお間違いないでしょうか。」

名前を聞きそびれたときや、聞き取れなかったときは、ストレートな「聞こえませんでした」だけで終わらせない方が安心です。

少しクッションを入れて、ていねいに聞き返すとよいでしょう。

  • 「恐れ入ります。お名前をもう一度お願いしてもよろしいでしょうか。」
  • 「申し訳ございません。お名前を復唱させていただいてもよろしいでしょうか。」
  • 「失礼いたしました。会社名をもう一度だけお伺いしてもよろしいでしょうか。」

相手の発音が聞き取りにくいときは、「確認します」という姿勢を見せながら復唱します。

「◯◯株式会社の□□様でいらっしゃいますでしょうか。
 □□のお名前は、山田の“山”に田んぼの“田”で山田様でお間違いないでしょうか。」

このように、ていねいに確認することで
「適当に聞き流しているのではなく、きちんと記録しようとしている」と伝わりやすくなります。

聞き返すことをためらわずに、ただし、言い方は一段ていねいに。
この意識があるだけで、電話の印象は大きく変わるでしょう。


用件確認・取り次ぎ・保留の言い方(NG/OK表あり)

電話対応では
「ご用件をどう聞くか」
「どう取り次ぐか」
「どう保留をお願いするか」
この三つの場面で印象が大きく変わるでしょう。

言い方を少し整えるだけで
相手にとっての「話しやすさ」が大きく変わります。


用件を丁寧にうかがうフレーズ

用件を聞く場面で、つい口から出やすいのが
「どうしましたか」や「何の用ですか」といった言い方でしょう。

これらは短くて便利ですが
相手によっては「上から目線」に聞こえる可能性があります。

用件を丁寧にうかがうときは
次のような型を持っておくと安心でしょう。

  • 「本日はどのようなご用件でしょうか。」
  • 「恐れ入ります。ご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか。」
  • 「差し支えなければ、本日のご用件をお聞かせいただけますでしょうか。」

大切なのは
「どうしましたか」ではなく
「どのようなご用件でしょうか」と
相手を立てる言い方にすることです。

もう一つ意識したいのは
相手の時間を無駄にしない聞き方です。

たとえば、要件が複数ありそうなときは
次のように整理しながら確認するとよいでしょう。

「念のため確認させてください。
 本日は、納期の件とお見積もりの件の二点でお間違いないでしょうか。」

こうした一言があるだけで
「きちんと整理して聞いてくれている」と感じてもらいやすくなります。


担当者への取り次ぎ・不在時の伝え方

取り次ぎや不在の伝え方は
そのまま会社の対応レベルとして評価される場面でしょう。

つい言ってしまいがちな表現として
次のようなものがあります。

  • 「今いません。」
  • 「今日は休みです。」
  • 「分からないので、またかけてください。」

いずれも情報としては間違っていません。
しかし、相手に対してそっけなく聞こえる可能性が高くなります。

取り次ぐときは
次のような一言を添えると丁寧でしょう。

「◯◯でございますね。
 ただいま担当の△△におつなぎいたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか。」

不在の場合は
状況と今後の流れをセットで伝えると親切です。

  • 「申し訳ございません。
     担当の△△はただいま席を外しておりまして、午後に戻る予定でございます。」
  • 「本日は休暇を頂戴しておりまして、明日の午前には出社の予定でございます。」

ここで、折り返しや伝言をどうするかも
一歩踏み込んで提案するとよいでしょう。

  • 「よろしければ、戻り次第こちらから折り返しご連絡させていただいてもよろしいでしょうか。」
  • 「差し支えなければ、伝言をお預かりいたします。」

相手に「どうすればよいか」を想像させるのではなく
こちらから選択肢を示す意識があると丁寧に感じられるでしょう。


保留にするとき・お待たせした後の一言

保留をお願いするときに
「ちょっと待ってください」と言ってしまうことは少なくないでしょう。

ただし、この言い方は
相手によっては命令形のように聞こえるおそれがあります。

保留をお願いしたいときは
次のようなクッションを入れると柔らかくなります。

  • 「恐れ入ります。
     確認いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか。」
  • 「失礼いたします。
     担当に確認のうえ、再度ご案内いたしますので、しばらくお時間を頂戴してもよろしいでしょうか。」

一言「確認いたしますので」「担当に確認のうえ」と添えることで
相手は「待たされている」ではなく「対応してもらっている」と感じやすくなります。

保留を解除したあとの一言も
電話対応では重要なポイントでしょう。

  • 「お待たせいたしました。◯◯でございます。」
  • 「大変お待たせいたしました。先ほどの件についてご案内いたします。」

「お待たせしました」だけではなく
「いたしました」を付けるだけでも丁寧さが変わります。

保留時間が長くなってしまった場合は
一言だけ理由を添えると印象が和らぐでしょう。

「大変お待たせいたしました。
 確認に少々時間を要してしまい、申し訳ございません。」

相手が「置き去りにされた」と感じないように
「お待たせしたことへのお詫び+次に何を説明するか」をセットで伝える意識が大切です。


シーン別 NG/OKフレーズ一覧

以下は、シーンごとの NG/OK フレーズをまとめた表です。

どこをどう直すと丁寧になるかが
一目で分かるように整理しています。

シーンNGな言い方丁寧な言い換え例ポイント
用件確認どうしましたか。本日はどのようなご用件でしょうか。「どうした」ではなく「ご用件」と言い換え、相手を立てる言い方にする。
担当者への取り次ぎ今、いません。申し訳ございません。担当の△△はただいま席を外しておりまして、すぐに戻る予定でございます。状況説明とお詫びを添えて、「いない」で終わらせない。
不在時の対応今日は休みです。本日は休暇を頂戴しておりまして、明日の午前には出社の予定でございます。単に「休み」と言うのではなく、「休暇を頂戴している」と表現し、復帰時期も伝える。
折り返しの約束後でかけさせます。よろしければ、戻り次第こちらから折り返しご連絡させていただいてもよろしいでしょうか。一方的な約束ではなく、「よろしければ」と相手の意向を確認する。
保留のお願いちょっと待ってください。恐れ入ります。確認いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか。命令形を避け、「恐れ入ります」「少々お待ちいただけますでしょうか」を添える。
保留解除後のひと言お待たせしました。大変お待たせいたしました。先ほどの件についてご説明いたします。お詫び+次の行動をセットで伝え、「何を話すのか」を明確にする。

この表を見ながら
自分がよく使っている言い方を一つずつ見直してみるとよいでしょう。

全部を一度に直そうとする必要はありません。
まずは「用件確認」と「保留まわり」の二つだけでも
丁寧な表現に差し替えていくと、電話の印象はかなり変わるはずです。


トラブル時・聞き間違えたときの敬語フレーズ

電話対応では
「よく聞こえない」
「こちらにミスがあった」
という場面は必ず起きるでしょう。

そのときの言い方次第で
相手が受け取る印象は大きく変わります。

ここでは
聞き返し
謝罪
時間を取ってもらったあとの一言
この三つを整理します。


聞き返し・聞き取りづらいときの言い方

聞き返すときに
つい「え?」「もう一回いいですか?」と言ってしまうことは多いでしょう。

しかしこの言い方は
フランクすぎる印象になりやすいです。
相手が年上や取引先の場合は
特に避けた方が安心でしょう。

聞き返すときの基本は
クッション言葉を添えることです。
いきなり「もう一度お願いします」ではなく
一言やわらげてから頼むイメージです。

使いやすいフレーズをまとめます。

  • 「恐れ入ります。お電話が少々遠いようでして、もう一度お伺いしてもよろしいでしょうか。」
  • 「大変失礼いたしました。先ほどの◯◯の部分を、もう一度お聞かせいただけますでしょうか。」
  • 「差し支えなければ、御社名をもう一度ゆっくりお伺いしてもよろしいでしょうか。」

ポイントは三つです。

一つ目は
「恐れ入ります」「失礼いたしました」を先に言うことです。
これだけで、相手は責められている感覚を持ちにくくなるでしょう。

二つ目は
「聞こえない」のではなく
「お電話が遠いようで」「先ほどの部分を」と表現すること
です。
責任の矛先を相手に向けない言い方になります。

三つ目は
何を聞き直したいのかを具体的にすることです。
「さっきのところ」ではなく
「御社名の部分」「日付のところ」などと指定すると
相手も答えやすくなります。


こちらの手違い・伝達ミスがあったときの謝罪

こちら側の手違いや
社内での伝達ミスが発覚することもあるでしょう。

このとき
「間違えました」「すみません」の一言だけで終えると
相手には不安だけが残ります。

謝るときは
何についてミスがあったのかを
短く具体的に伝えることが大切
です。

たとえば次のような言い方です。

  • 「このたびは、出荷日のご案内に誤りがございました。大変申し訳ございません。」
  • 「弊社の社内連絡に不備があり、先日のご依頼が手続きされておりませんでした。深くお詫び申し上げます。」

謝罪とセットで
「これからどうするか」も一言添えると
相手の不安は少し和らぐでしょう。

  • 「至急、正しい日程で手配し直し、改めて本日中にご連絡いたします。」
  • 「まずは本日中に暫定のご提案書をお送りし、正式版を明日午前中までにお届けいたします。」
  • 「原因の確認を行い、再発防止策をまとめたうえで、改めてご報告申し上げます。」

ここで意識したいのは
「すぐに対応します」だけで終えないことです。

どう動くのか。
いつまでに何をするのか。
どこまで約束できるのか。

この三点を
一文ずつ分けて伝えると
相手も状況を整理しやすくなるでしょう。

無理な約束をしてしまうと
あとから信頼を落とす原因になります。
社内で対応できる範囲を頭に置きながら
「確実に守れる表現」にとどめることが大切です。


相手の時間を取ってしまったときの一言

クレーム対応や
長時間の相談の電話では
相手の時間を多く使ってしまうことがあります。

内容に集中していると
通話の終わりに
その点への配慮を言いそびれてしまうこともあるでしょう。

通話を終える前に
次のような一言を添えると
印象はやわらぎます。

  • 「本日はお時間を頂戴し、誠にありがとうございました。」
  • 「お忙しいところ、長いお時間をいただきまして、ありがとうございます。」
  • 「お手を煩わせてしまい、申し訳ございませんでした。丁寧に状況をお伝えいただき、ありがとうございます。」

クレーム対応のあとであれば
謝罪と感謝をセットにするとよいでしょう。

「ご不快なお気持ちの中、詳しく状況をお聞かせいただき、ありがとうございました。」

ここでのポイントは二つです。

一つ目は
「時間を取らせてしまった事実」をきちんと認めることです。
これだけで、相手は
自分の負担が理解されていると感じやすいでしょう。

二つ目は
「話してくれたことへの感謝」も伝えることです。
特にクレームの電話は
相手にとっても労力が大きい行動です。

「詳しく教えていただき、ありがとうございます」
この一言が入るだけで
関係のトーンが少し落ち着きやすくなります。

トラブル時や聞き違いが起きたときこそ
言い方の差が信頼の差になる場面でしょう。
焦ったときほど
ここで挙げたような一言を思い出し
一拍おいてから口にする意識を持てると安心です。


終わりの挨拶と電話を切る前のマナー

電話対応は
「最初の一声」と同じくらい
「終わりの数秒」も印象を左右します。

内容の説明や調整がうまくいっていても
最後の挨拶が雑になると
全体の印象が弱くなってしまうでしょう。

ここでは
会話を締める定番フレーズ。
再連絡がある場合の言い方。
切るタイミングや音の配慮。
この三つを整理します。


会話を締めるときの定番フレーズ

会話の最後は
「要件が終わったこと」と
「感謝やお願い」を短くまとめて伝える

全体がきれいに締まります。

まずは社外向けです。

  • 「本日はお電話いただき、誠にありがとうございました。」
  • 「ご対応ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。」
  • 「それでは、引き続きよろしくお願い申し上げます。」

社外では
「誠に」「今後とも」「お願い申し上げます」など
少し丁寧寄りの語感を意識するとよいでしょう。

一方で社内向けでは
丁寧さを保ちつつも
ややシンプルな言い方で十分な場面が多いです。

  • 「お電話ありがとうございました。よろしくお願いいたします。」
  • 「確認ありがとうございます。それでは、よろしくお願いします。」
  • 「承知しました。それでは、失礼いたします。」

社内であっても
「じゃあ、お願いします」「はい、以上です」だけで切ると
ぶっきらぼうな印象になりやすいです。

短い一言でも
「ありがとうございます」「よろしくお願いいたします」を添えると
相手の受け取り方はかなり変わるでしょう。

また
クレーム対応や相談に時間を使ってもらった場合は
感謝の一言を必ず入れたいところです。

「お忙しい中、お時間を頂戴しありがとうございました。」

この一文だけで
「負担をかけた自覚」が伝わりやすくなります。


再連絡や宿題が残るときの締め方

電話を切る時点で
すべてが解決しているとは限りません。

「社内で確認してから連絡する」
「資料を送り直す」
「日程を調整する」
といった宿題が残ることも多いでしょう。

その場合は
次のアクションを
締めの一言に含めることが重要です。

  • 「それでは、◯日までに改めてご連絡いたします。」
  • 「本日中に修正版の資料をお送りいたしますので、ご確認いただけますと幸いです。」
  • 「社内で確認のうえ、明日の午前中までに一度お電話を差し上げます。」

ここで意識したいポイントは三つです。

一つ目は
「誰が動くのか」を明らかにすることです。

「確認しておきます」ではなく
「弊社で確認のうえ、私からご連絡いたします」
というように主語をはっきりさせると
相手の不安が減るでしょう。

二つ目は
「いつまでに」を具体的に言うことです。

  • 「近いうちに」「なるべく早く」だけでは
    相手には伝わりにくいです。
  • 「本日中に」「◯日の午後までに」といった
    時間の目安を入れると
    約束として受け止めてもらいやすくなります。

三つ目は
言える範囲で約束することです。

社内調整が必要な場合は

  • 「まずは本日中に中間のご報告をいたします。」
  • 「補償内容の詳細は、来週◯日までのお約束とさせてください。」

このように
段階を区切って伝えるとよいでしょう。

約束があいまいなまま電話を切ると
後から「聞いていた話と違う」と感じさせる原因になります。
終わりの数秒で
「誰が」「いつ」「何をするか」を一言で整理してから
感謝と挨拶につなげる意識が大切です。


電話を切るタイミングと音の配慮

言葉だけでなく
電話を切るタイミングや
受話器を置く音もマナーの一部でしょう。

基本は
相手が切ったことを確認してから
静かに切る流れです。

固定電話の場合は

  • 最後の挨拶を交わす。
  • 相手の方から「失礼いたします」と言う。
  • 少し間をおき、通話音が途切れたことを確認する。
  • カチャッという音が大きくならないよう、受話器を静かに戻す。

この順番を意識すると
慌ただしい印象を与えにくくなります。

自分から切る立場のときは

「それでは、失礼いたします。」
と伝えたあと
一拍おいてから切るとよいでしょう。

スマホやヘッドセットを使う場合も
同じ考え方です。

通話終了ボタンを押した瞬間に
声のトーンを落としてしまうと
相手には
「最後だけ雑だった」と映る可能性があります。

通話が完全に切れるまでは
声のトーンと話し方を崩さない意識が大切です。

また
スピーカーモードでの通話では
周囲の雑音も相手に届きやすいです。

終話前は

  • 周りの音が大きい場所を避ける。
  • 不要な紙をめくる音やキーボードの音を減らす。

こうした小さな配慮も
「丁寧に対応してくれる人」という印象につながるでしょう。

終わり方は
数秒で済む部分ですが
ここを丁寧に整えるだけで
通話全体の印象は締まります。

言葉。
約束。
切り方。

この三つを意識して
「最後まで気持ちよく終わる電話」を積み重ねていけると安心でしょう。


電話対応の敬語に関するよくある質問(FAQ)

電話対応の現場では
マニュアルには載っていない細かな迷いが生まれやすいでしょう。

ここでは
よくある4つの質問を取り上げて
考え方と具体的な対処の仕方を整理します。


Q. 新人で緊張してしまい、言葉が出てこないときはどうすればよいでしょうか?

新人のうちは
電話が鳴くだけで緊張してしまうことが自然でしょう。

すべてのフレーズを完璧に覚えようとすると
かえって頭が真っ白になりやすくなります。

まずは
「第一声」と「保留」の二つだけ
最低限の型を決めておくと安心でしょう。

たとえば
電話を受ける第一声は
次のような一文に絞ります。

「お電話ありがとうございます。◯◯株式会社の△△でございます。」

これだけを
体で覚えるつもりで
繰り返し練習しておくとよいでしょう。

内容を聞き取れないときや
一度落ち着きたいときに使う「保留」のフレーズも
一つ決めておきます。

「恐れ入ります。確認のため、少々お待ちいただけますでしょうか。」

この二つが口から自然に出れば
あとは会話の中で
ゆっくり整えていけるはずです。

メモやカンペも
積極的に使った方がよいでしょう。

電話機のそばに

  • 第一声
  • 保留の言い方
  • 終わりの挨拶

だけを書いたメモを貼っておきます。

電話が鳴ったら
一度そのメモを見る。
そして
書いてある通りに声に出す。

この流れに慣れてくると
「次はどう言えばいいか」を
その場で考える余裕も増えていくでしょう。


Q. 社内の人に対しても、社外と同じ敬語を使うべきでしょうか?

社内であっても
基本は「ていねいな言葉遣い」を保っておいた方が安心でしょう。

特に電話は
周りの人にも聞こえます。
一対一のつもりでも
周囲には「この人のふだんの話し方」として
印象が残りやすいです。

社内の電話では
社外ほど堅い表現にする必要はない場面も多いでしょう。

  • 社外向け
    • 「いつもお世話になっております。◯◯株式会社の△△でございます。」
  • 社内向け
    • 「お疲れさまです。△△です。」

このように
あいさつや名乗りを少しだけやわらかくする調整は問題ありません。

ただし
次のような点は
社内でも崩しすぎない方が無難でしょう。

  • いきなり名前だけで名乗る
    • 「△△ですけど」
  • 用件の聞き方がぶっきらぼうになる
    • 「で、何ですか」

相手との関係性や社風によって
許容範囲は変わります。

迷ったときは
「社外とまったく同じ敬語」ではなく
「社外より一段だけカジュアルだが
 です・ますは守る」くらいを目安にすると
バランスがとれやすいでしょう。


Q. 電話対応中にタメ口が出てしまったときのリカバリーはありますか?

緊張した場面や
会話が長くなった場面では
つい素の言葉が出てしまうこともあるでしょう。

大切なのは
「出てしまった瞬間の一言」と
「その後の立て直し」です。

まずは
気づいた段階で
すぐに丁寧な表現に戻します。

たとえば

「あ、分かりました。」と言ってしまった場合

すぐに続けて

「失礼いたしました。承知いたしました。」

と言い直します。

この「失礼いたしました」の一言で
相手も
「気づいて直そうとしている」と受け取りやすいでしょう。

その後の数フレーズは
いつもより丁寧めの表現を意識します。

  • 「こちらで手配いたします。」
  • 「改めてご連絡申し上げます。」
  • 「念のため、もう一度内容を確認させていただけますでしょうか。」

こうしたフレーズを続けることで
会話全体としては
丁寧な印象を保ちやすくなります。

タメ口が一度も出ないことが理想ですが
完璧さを目指しすぎると
余計に緊張が強くなるでしょう。

「もし崩れても
 すぐに謝って言い直せばよい」
と考えておくと
落ち着いて対応しやすくなるはずです。


Q. クレーム電話でも、どこまで丁寧な敬語を続けるべきでしょうか?

クレーム対応では
相手の声が強くなったり
きつい言葉が続いたりすることもあるでしょう。

そのような場面ほど
こちらが敬語を崩さないことが
結果的に自分を守ることにもつながります。

敬語を保つことには
次のような意味があるでしょう。

  • 自分の感情を落ち着かせる。
  • 会話の記録を読み返したときに
    自分の対応に納得しやすくなる。
  • 第三者から見たときに
    「冷静に対応している」と評価されやすくなる。

ただし
どれだけ丁寧な敬語を使っても
相手の言葉が
明らかに行き過ぎている場合があります。

  • 侮辱的な表現が続く。
  • 大声で怒鳴り続ける。
  • 業務範囲を超えた要求を繰り返す。

こうした場合は
一人で抱え込まないことが重要でしょう。

たとえば
次のような一言を入れて
上長や担当変更につなげます。

  • 「大変申し訳ございません。一度、上長にも状況を共有し、改めて責任を持ってご説明させていただきます。」
  • 「恐れ入ります。担当の者に代わりまして、詳しくご説明させていただいてもよろしいでしょうか。」

それでも状況が改善しない場合は
社内のルールに従って
対応を打ち切る判断が必要になることもあります。

その際も

「誠に恐縮ではございますが、このままのお言葉遣いでのご対応は致しかねます。」

など
敬語を保ちながら
線引きを伝える表現を検討するべきでしょう。

クレーム対応は
一人のスキルだけではなく
会社全体の方針とも関わるテーマです。

「どこまで丁寧な敬語を続けるか」
「どこで上長にエスカレーションするか」

この二点を
日ごろからチーム内で共有しておくと
現場で迷いにくくなるでしょう。


まとめ|電話対応で信頼される敬語フレーズを身につける

ここまでで
電話対応の流れと
場面ごとの敬語フレーズを一通り整理しました。

最後に
押さえておきたい考え方をまとめておきましょう。


電話対応で押さえたいポイントの振り返り

電話対応で意識したいポイントは
次の4つでしょう。

  • 第一声のあいさつと名乗り方をそろえておく。
  • 用件を丁寧に確認するフレーズを持っておく。
  • 保留と「お待たせしました」の言い方を決めておく。
  • 終わりの挨拶と「次のアクション」の伝え方を整えておく。

この4か所は
どんな電話でも必ず通る通過点になるでしょう。

逆にいうと
この4つが安定していれば
細かな言い回しが多少揺れても
全体としては「感じのよい対応」に見えやすくなります。

まずは
自分なりの「型」を一つずつ決めておくと
毎回の電話がぐっと楽になるはずです。


30フレーズをそのまま覚えるより大切なこと

この記事では
場面別に30フレーズを紹介しました。

ただ
大切なのは
一字一句を暗記することではないでしょう。

まず
「今は何をしたい場面か」を考えます。

  • 確認したいのか。
  • 謝りたいのか。
  • 依頼したいのか。
  • 状況を説明したいのか。

目的がはっきりすると
選ぶべき言い方も絞りやすくなります。

そのうえで
紹介したフレーズを
自分の職種や業界に合わせて
少しずつ言い換えていくとよいでしょう。

「会社名を足す」
「担当部署の名前を入れる」
「納期」「数量」など
自分の現場でよく使う言葉を差し替えていくイメージです。

その方が
マニュアルではなく
「自分の言葉」で話している印象になりやすいでしょう。


日常の電話から少しずつ言い換えを試すコツ

敬語の電話対応は
一日で劇的に変わるものではないでしょう。

おすすめは
「一か所だけ変えてみる」練習です。

たとえば
今日からは

第一声だけは必ず

「お電話ありがとうございます。◯◯株式会社の△△でございます。」

にする。

明日からは

保留にするときだけ

「少々お待ちいただけますでしょうか。」

に統一してみる。

このように
一つずつ場所を決めて
言い換えを試していきます。

慣れてきたら
終わりの挨拶も整えます。

  • 「それでは、よろしくお願いいたします。」
  • 「本日はお電話ありがとうございました。」

こうした一言を
自然に添えられるようになると
電話全体の印象が安定してくるでしょう。

毎日の電話は
練習の場でもあります。

「今日はどこを一か所だけ良くするか」
という視点で
少しずつ積み重ねていくことが
いちばんの近道になるはずです。


ことのは先生よりひとこと

ことのは先生
ことのは先生

電話対応は
完璧に話そうとすると
息が詰まりやすくなるものです。

まずは
たった一文でもかまいません。

「感じのよい一言」を
今日の電話のどこかに足してみるところから
始めてみてはいかがでしょうか。

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