すごいの言い換え40選 褒め言葉のバリエーションとビジネス敬語フレーズ集
「すごいですね」と感じたとき、つい毎回同じ言葉で済ませていないでしょうか。
相手をほめたい気持ちは本物なのに、言葉がワンパターンだと「とりあえず持ち上げているだけ」と受け取られてしまうこともあります。特にビジネスシーンでは、上司や取引先、部下や後輩など、相手との関係性によって適切な褒め言葉は少しずつ変わります。
このページでは、「すごい」をただ封印するのではなく、
- 何が
- どのように
- どれくらい
すごいのかを、具体的な言葉で伝えられるようになることを目指します。成果・努力・アイデア・成長など、褒めたいポイント別にフレーズを整理し、メールやチャットでもそのまま使える表現もまとめました。
この記事で分かること
- 上司・取引先・部下など相手別に「すごいですね」を言い換えるビジネス敬語フレーズ
- 成果・努力・アイデア・成長など「何を褒めたいか」に応じた40の言い換え表現
- メール・チャット・オンライン会議でそのまま使える丁寧な褒め言葉の書き方・話し方
- NGになりやすい「すごい」の使い方と、場面別のOK言い換え比較表
- 褒め言葉がワンパターンにならないようにするための考え方と語彙を増やすコツ
まずは「すごい」を一度立ち止まって言い換えてみるところから、一緒に褒め言葉の引き出しを増やしていきましょう。
すごいを連発すると損をする理由と、ビジネスでの位置づけ

すごいの本来の意味とポジティブな役割
まず押さえておきたいのは、「すごい」という言葉そのものは決して悪い言葉ではない、ということです。
辞書的には「程度が大きい」「並外れて優れている」「驚くほど立派だ」といった意味を持ちます。相手の成果やアイデアに対して、驚きや感心を短くストレートに伝えられる、日本語でもかなり万能な感嘆表現です。
日常会話やSNSでは、この「感情を一瞬で共有できる」点が大きな強みになります。
友人の近況に対して「すごい!」と一言返すだけでも、
- 相手を肯定している
- 話題にちゃんと反応している
- ポジティブな空気をつくっている
といった役割を十分に果たしてくれます。
カジュアルな場では、細かい説明よりもテンポやノリが重視されるため、「すごい」を多用してもそこまで問題になりにくいのです。
褒め言葉としての情報が足りなくなる理由
一方で、ビジネスの場面になると、「すごいですね」という褒め言葉だけでは情報が足りなくなってしまいます。
なぜなら、相手から見ると
- 何がすごいと言われているのか
- どこを評価してもらえているのか
- どの程度のレベル感で認めてもらえているのか
が、ほとんど伝わらないからです。
たとえば資料を見せたときに「すごいですね」で終わってしまうと、相手は
- 内容がすごいのか
- デザインがすごいのか
- スピードがすごいのか
どこを見て評価してもらえたのか分かりません。
結果として、「社交辞令でほめられただけかもしれない」「とりあえず持ち上げているだけかも」と感じさせてしまうこともあります。
評価がぼんやりしたままだと、相手のモチベーションにもつながりにくくなります。
人は、自分のどの行動や工夫が認められたかが分かるほど、「次もそこを伸ばそう」「このやり方で合っているんだ」と前向きになりやすいものです。
その意味で、「すごい」は感情は伝わっても、相手の行動に結びつく具体的なフィードバックになりにくい表現だと言えます。
ビジネスでは「具体性」と「丁寧さ」が求められる
ビジネスシーンでは、単に感情を共有するだけでなく、
- どの点を評価しているのか
- どんな価値があると感じているのか
- 今後どう生かしてほしいのか
といった部分までを含めて伝えることが求められます。
ところが「すごいです」だけでは、これらが一切乗っていません。
特に上司や取引先に対して「すごいです」を連発してしまうと、
- 子どもっぽく聞こえる
- 語彙が少なく、浅い評価に見える
- その場しのぎでほめているように感じられる
といったマイナス印象につながるリスクもあります。
逆に、部下や後輩に対しても「すごいね」ばかりだと、「どこを評価されたのか分からない」「次にどう頑張ればよいかが見えない」と感じさせてしまいかねません。
そこで本記事では、「すごい」を完全に禁止するのではなく、
- 成果をほめるとき
- 努力やプロセスをほめるとき
- アイデアや視点をほめるとき
- 成長や変化をほめるとき
といった場面ごとに、より具体的で丁寧な褒め言葉を整理していきます。
同じ「すごい」と感じた場面でも、言い換え方を少し変えるだけで、相手に伝わる温度や信頼感は大きく変わっていきます。
すごいが「軽い」「雑」に聞こえてしまう場面とNGパターン
上司・目上の人へのフィードバックで「すごいですね」を連発
上司や目上の人のプレゼン・発表を聞いたあとについ口をついて出る「すごいですね」。
一見するとポジティブで問題のない褒め言葉ですが、これだけを何度も繰り返していると、相手によっては「中身を理解していないのでは」「とりあえず持ち上げているだけでは」と感じさせてしまうことがあります。
特に資料や提案内容に対してコメントを求められている場面では、
- ロジックがすごいのか
- 着眼点がすごいのか
- スピードがすごいのか
- 経験や人脈がすごいのか
どの部分を評価しているのかを示さない「すごいですね」は、情報量がほとんどありません。
その結果、上司・先輩からすると
- 「どの部分が刺さったのかが分からない」
- 「きちんと内容を理解しているのか不安」
- 「形だけのほめ言葉に聞こえる」
と受け取られてしまう可能性があります。
本来、目上の人へのフィードバックは「どこが参考になったのか」「どの点が勉強になったのか」を具体的に伝えることで、信頼関係を深めるチャンスになります。
そこを「すごいですね」で終わらせてしまうと、せっかくの学びや感謝を十分に伝えきれず、評価の機会も自分から手放してしまうことになりかねません。
部下・後輩の成果に対してワンパターンに褒めてしまう
部下や後輩の頑張りに対して「すごいね」「さすがだね」と声をかけること自体は、とても大切なコミュニケーションです。
ただし、それが毎回同じ語彙・同じトーンになっていると、言われる側は次第に
- 「またいつもの定型句だ」
- 「本当に中身を見てもらえているのかな」
と感じるようになってしまうことがあります。
たとえば、営業で成果を出したときと、地道な資料づくりを頑張ったときと、トラブル対応で粘り強く動いてくれたとき。
本来は、それぞれ評価すべきポイントが違うはずです。
- 数字の結果がすごい
- 準備の丁寧さがすごい
- 粘り強さ・責任感がすごい
など、どこを認めているのかを言葉にしてもらえると、部下・後輩は「自分のどの行動が価値になっているのか」を理解できます。
逆に、どんなシーンでも一律で「すごいね」だけだと、モチベーションアップにつながりにくく、「何を続ければ評価されるのか」が見えません。
ビジネスの褒め言葉として「すごい」を使うかどうか以上に大切なのは、「成果そのもの」「努力のプロセス」「姿勢やスタンス」など、評価の対象を分けて言葉にできているかどうかです。
このあと紹介していく表現を使い分けることで、部下・後輩の成長を後押しするフィードバックに変えていくことができます。
メールやチャットでの「すごいです!」だけの返信
SlackやTeamsなどのチャットツール、社内メールで、思わず「すごいです!」「本当にすごいですね!」とだけ返信してしまうことも多いと思います。
カジュアルなチャンネルや、仲の良い同僚とのやりとりであれば、それだけでも場が和む場合もありますが、ビジネス全体で見れば注意が必要です。
テキストコミュニケーションは、表情や声のトーンが伝わりません。
そのため、「すごいです!」の一言は、相手によって
- ノリが軽すぎる
- 内輪ノリに見えてしまう
- 仕事の評価としては薄い
と捉えられることがあります。
特に、プロジェクト全体に共有されるチャンネルや、上司・他部署も閲覧するスレッドでは、「すごいです!」だけで終わると、コメントとしての価値が弱くなってしまいがちです。
たとえば、
- 「どの点が助かったのか」
- 「今後どんな場面で生きると感じたのか」
- 「自分のタスクとの関係でどうありがたいのか」
を一言だけでも添えることで、チャット上のやりとりが一気に「仕事のフィードバック」らしくなります。
このあと扱う「メール・チャット向けの褒めフレーズ」を組み合わせることで、
- カジュアルさは残しつつ
- ビジネスとしての丁寧さ・具体性も担保する
というバランスを取りやすくなります。
「すごいです!」を完全にやめる必要はありませんが、「一言足す」意識を持つだけでも、相手への伝わり方は大きく変わっていきます。
成果・実績を評価するすごいの言い換え10表現
成果や実績をほめたいとき、反射的に出てくるのが「すごいですね」「本当にすごいです」の一言です。
ここでは、その一言を「ビジネスでも通用する評価コメント」に変えるためのフレーズを整理します。
ポイントは次の2つです。
- 何がすごいのか(成果・数字・プロセスなど)を一言で示す
- 相手やチームへの感謝や敬意も一緒に乗せる
この意識を持つだけで、同じ「ほめ言葉」でも伝わり方が格段に変わります。
成果そのものを評価するフレーズ
まずは、相手が出した成果そのものをストレートに評価したいときに使える言い換えです。
- 「素晴らしい成果ですね」
- 「大きな成果を出してくださり、ありがとうございます」
- 「今回の仕上がりは、とても完成度が高いですね」
ここに「何が」「どの部分が」を一言足すと、ぐっと伝わり方が具体的になります。
- 「素晴らしい成果ですね。特に、短期間でここまで精度を高められた点が印象的です」
- 「大きな成果を出してくださり、ありがとうございます。お客さまからの評価コメントを見ても、その効果がよく分かります」
すごいの一言で終わらせず、
- どこが良かったのか
- どのような価値につながったのか
をセットで伝えるのがコツです。
数字・実績に対して使えるフレーズ
売上、達成率、問い合わせ件数など、数字に紐づいた実績をほめたいときは、数値とセットで評価すると説得力が増します。
- 「非常に高い達成率ですね」
- 「この短期間でここまで伸びたのは見事です」
- 「前年対比でこれだけ数値を伸ばされたのは、本当に素晴らしい結果だと思います」
さらに、数字+背景を一言加えると、相手の努力をきちんと見ていることが伝わります。
- 「非常に高い達成率ですね。厳しい市況の中で、ここまで伸ばされたのはすばらしいです」
- 「この短期間でここまで伸びたのは見事です。新しい施策がうまく機能していることが分かります」
KPIや期間を絡めて言うときの型は、
- 「◯◯の指標で、ここまで結果を出されているのはすばらしいですね」
- 「わずか◯か月でこの数字まで引き上げられたのは、正直驚いています」
といった形が使いやすいでしょう。
チームの成果を称えるフレーズ
個人だけでなく、プロジェクトチームや部署全体の成果をほめたい場面も多くあります。
そのときは「すごいチームですね」ではなく、チームワークや連携に光を当てると言葉に厚みが出ます。
- 「チームとしてのまとまりが素晴らしいですね」
- 「皆さんの連携がとても印象的でした」
- 「部署全体で成果を出されている点が、特にすばらしいと感じています」
たとえば会議の締めでは、
「今回のプロジェクトは、皆さんの連携の良さが成果に直結していると感じました。本当に素晴らしいです」
のように、「連携」「分担」「支え合い」といったキーワードを添えると、チーム全体への敬意が伝わります。
メールで使いやすい成果評価フレーズ
メールでは、口頭の「すごいですね」をそのまま書くと、やや幼く見えてしまうことがあります。
代わりに、次のような一文に置き換えると、ビジネス文書として自然になります。
- 「今回のご成果に、深く感銘を受けております」
- 「大きな成果を上げてくださり、心より感謝申し上げます」
- 「短期間でここまで成果を出していただき、誠にありがとうございます」
- 「今回の結果は、御社のご尽力の賜物と感じております」
件名や冒頭に置く場合は、
- 「今回のご成果についての御礼」
- 「プロジェクト成果への御礼と所感」
のように、「すごい」ではなく「成果」「御礼」「感銘」などの語を使うと、フォーマルさを保ちながら評価の気持ちを伝えられます。
ここでは、口頭でもメールでも使える「成果・実績を評価するすごいの言い換え」をおおよそ10表現そろえました。
次のパートでは、成果だけでなく「努力・プロセス」をほめる表現を整理していきます。
努力・プロセス・成長を褒めるすごいの言い換え10表現(一覧表あり)
「すごいですね」は、成果だけでなく、相手の努力や成長を見たときにもつい口から出てきます。
ただ、ビジネスの場で信頼を育てるには、
- 何を評価しているのか(努力なのか、工夫なのか、成長なのか)
- どの部分を見てそう感じたのか
を言葉にして伝えた方が、相手のモチベーションアップにもつながります。
ここでは「結果だけでなく過程もきちんと見ている」ことが伝わる言い換えフレーズを整理します。
努力・継続を評価するフレーズ
地道な作業や、時間をかけた取り組みを見たときに使いたいのが「努力・継続」をほめる言い回しです。
- 「地道な積み重ねが素晴らしいですね」
- 「継続して取り組まれている姿勢に頭が下がります」
- 「日々の努力が、着実に成果につながっていますね」
- 「ここまで準備を重ねてくださったことに、心から感謝しています」
ポイントは、結果そのものよりも「続けてきたこと」「準備してきたこと」に光を当てることです。
「すごい」だけだと一瞬で流れてしまいますが、
どんな努力を、どのくらい続けてきたのか
を一言添えるだけで、「ちゃんと見てくれている」と感じてもらいやすくなります。
工夫・アイデア・センスを褒めるフレーズ
「その発想すごい!」と言いたくなる場面では、アイデアの質や切り口を具体的にほめると、クリエイティブな仕事ほど刺さりやすくなります。
- 「発想がとても柔軟ですね」
- 「この着眼点は、とても秀逸だと感じました」
- 「お客さま目線に立ったアイデアで、とても参考になります」
- 「そのご提案は、従来にない新しい切り口だと思います」
単に「アイデアがすごい」ではなく、
- 柔軟さ
- 着眼点
- 視点(ユーザー目線・現場目線 など)
といった評価軸を言葉にすると、相手も「自分のどこが評価されているか」が分かり、再現しやすくなります。
成長・変化を具体的に褒めるフレーズ
部下・後輩、あるいはプロジェクトメンバーの成長を感じたときには、「以前との比較」を言葉にするのがおすすめです。
- 「以前よりも説明の仕方が格段に分かりやすくなりました」
- 「この半年での成長ぶりが、本当に頼もしいです」
- 「最初の頃と比べると、判断のスピードが大きく変わりましたね」
- 「フィードバックをすぐに取り入れて、どんどん改善されているのが伝わってきます」
「すごい成長ですね」ではなく、
いつ頃と比べて、どこがどう変わったのか
を短く添えることで、相手の自己認識の助けにもなります。
成長を言語化してもらえると、「自分のがんばりが認められている」と感じやすくなり、継続の力につながります。

対象別 すごいの言い換え一覧表
ここまでの内容を、「対象 × NG表現 × 言い換え × ポイント」で整理した一覧です。
ざっと見返したいときのチートシートとして活用できます。
| 対象 | NG例(「すごい」だけの言い方) | 言い換えフレーズ例 | ポイント(どこを具体化しているか) |
|---|---|---|---|
| 成果・結果 | 「すごい成果ですね」 | 「素晴らしい成果ですね。特に、この短期間でここまで伸ばされた点が印象的です」 | 期間や伸び幅など、評価軸を一言足している |
| 努力・継続 | 「すごい努力ですね」 | 「地道な積み重ねが素晴らしいですね。日々のご準備に頭が下がります」 | 「積み重ね」「準備」など、見えているプロセスを言語化 |
| 工夫・アイデア | 「そのアイデアすごいです」 | 「この着眼点はとても秀逸だと感じました。お客さま目線がよく表れています」 | 発想の「着眼点」と「誰の目線か」を具体的に示している |
| センス・発想 | 「センスがすごいですね」 | 「色使いとレイアウトのバランスがとても洗練されていますね」 | どの要素(色使い・構成など)をセンスと感じたのかを明示 |
| 成長・変化 | 「成長がすごいですね」 | 「この半年での成長ぶりが本当に頼もしいです。説明の組み立て方が大きく変わりました」 | 期間と具体的な変化ポイント(説明の組み立て方)をセットに |
| 姿勢・プロセス | 「取り組み方がすごいです」 | 「難しい状況の中でも、前向きに取り組みを続けてこられた姿勢が素晴らしいです」 | 状況の厳しさ+前向きさという、評価している軸を分かりやすく |
「すごいですね」と言いたくなったとき、
- 何について
- どこを
- どう評価しているのか
この3つのどれかを言葉に乗せるイメージで言い換えると、同じ一言でも相手への伝わり方が大きく変わります。
次は、メールやチャットでも使いやすい「テキスト向けの褒め表現」を整理していきます。
メール・チャット・オンライン会議で使える褒め言葉フレーズ10選
対面の会話では「表情」や「声のトーン」も含めて相手に伝わりますが、メール・チャット・オンライン会議では、ほぼ文字と短い一言だけで評価や感謝を伝えることになります。
その分、「すごいです!」だけだと情報量が足りず、
- ビジネスの場には少し軽く見える
- 何を評価しているのか分からない
- お世辞っぽく感じられてしまう
といったズレが起きやすくなります。
ここでは、テキスト・オンライン環境でそのまま使える「すごい」の言い換えフレーズを整理していきます。
ビジネスメールでの丁寧な褒め表現
メールでは、感情の高まりよりも「相手のどこを評価しているか」が伝わることが大切です。
「すごい資料ですね」ではなく、「どんな点が」「どのように」良かったのかを名詞で具体化すると、一気にビジネスライクで丁寧な印象になります。
例文イメージ
- 「ご提案の内容が非常に示唆に富んでおり、大変勉強になりました。」
- 「大変分かりやすい資料をご作成いただき、ありがとうございます。」
- 「短期間でここまで精度の高いアウトプットをご用意くださり、感謝しております。」
- 「課題の整理が非常に的確で、今後の方針をイメージしやすくなりました。」
チャットで使える短文リアクション
SlackやTeamsでは、テンポの良さも大事です。
一方で「すごいです!」だけを連発すると、ビジネスチャットとしてはやや砕けすぎて見えることもあります。
短文でも「何を評価しているか」が伝わる一言に言い換えてみましょう。
使いやすい短文リアクション例
- 「さすがの視点ですね。」
- 「この整理の仕方、とても分かりやすいです。」
- 「とても参考になります。ありがとうございます。」
- 「このアイデア、とても良いと思います。」
- 「スピーディーなご対応、本当に助かります。」
- 「すごいですね」ではなく、「視点」「整理の仕方」「対応の速さ」など評価対象を一つ言う
- 絵文字を使う場合も、
「とても参考になります 🙇♂️」
「スピーディーなご対応、本当に助かります ✨」
のように、ビジネスに合う落ち着いた絵文字を添えると、砕けすぎを防ぎつつ温度感も伝えられます。
オンライン会議での音声リアクション
オンライン会議では、相手の発表や説明に対して「無言」になりがちです。
ここで短くても具体的な褒めフレーズを一言添えられると、場の空気が和らぎ、相手の安心感にもつながります。
使いやすい音声リアクション例
- 「今のご説明、とても腹落ちしました。」
- 「そのお考えは非常に納得感があります。」
- 「全体像を分かりやすく整理していただき、ありがとうございます。」
- 「背景から説明していただけたので、理解が深まりました。」
マイクをオンにするタイミングで、
説明の区切りや質疑応答の前後に、こうした一言を挟むだけでも、オンラインの場がぐっと穏やかになります。
メール・チャット・オンライン会議では、「すごい」という感情そのものよりも、
その中身である
- どこが良かったのか
- 何が助かったのか
- 自分にどんなプラスがあったのか
を短い言葉で切り出して伝えることが鍵になります。
次は、さらに一歩踏み込んで「相手との関係性を深める褒め言葉」のバリエーションを整理していきます。
プライベート・SNS・日常会話で使える「すごい」のバリエーション10表現

ここまでは主にビジネスシーンでの言い換えを中心に見てきましたが、「すごい」を多用しがちなのは、むしろプライベートやSNSの場かもしれません。
友人・家族・パートナーに対して
「すごいね」「まじですごい」
だけで済ませてしまうと、
- 気持ちはあるのに、ちゃんと伝わっていない
- どの部分を評価しているのかが分かりにくい
- 励ましたい場面で、かけたい言葉がワンパターンになる
といった“もったいなさ”が生まれます。
このパートでは、カジュアル寄りで使いやすいけれど、幼くなりすぎない「すごい」の言い換えを、日常会話・SNS・励ましの場面ごとに整理していきます。
フランクだけれど幼くなりすぎない褒め言葉
友人や家族との会話では、かしこまった敬語よりも、自然なくだけた表現の方がしっくりくることが多いです。
ただし、あまりにも子どもっぽい言い方ばかりだと、年齢や関係性によっては軽く聞こえてしまうこともあります。
「すごいね」「やばいね」だけに頼らず、少しだけ大人っぽいニュアンスを含んだフレーズに言い換えてみましょう。
使いやすい言い換え例
- 「本当に感心しちゃう。」
- 「その発想いいね。」
- 「かなりレベル高いね。」
- 「よくここまでやったね。」
- 「クオリティ高すぎる。」
- 「想像以上の仕上がりだね。」
- 「センスが光ってるね。」
会話での使い方イメージ
- 友人の料理写真を見て
「すごい」→「想像以上のクオリティだね。お店みたい。」- 家族が仕事で成果を出したとき
「すごいね」→「本当に感心しちゃう。よくここまで頑張ったね。」
- 「レベル」「クオリティ」「センス」など、何を評価しているのかを一語足す
- 「ね」をつけて柔らかくすることで、上から目線になりにくくする
フランクさは保ちつつも、相手へのリスペクトがにじむ褒め方に変わります。
SNS・コメント欄で使える一言フレーズ
XやInstagram、YouTubeのコメント欄などでは、テンポの良さと「一目で伝わるインパクト」が重視されます。
ここでは、SNSならではの少し大げさな表現も許容されますが、相手や場によっては砕けすぎ・馴れ馴れしく感じられることもあるため、距離感を意識して選びたいところです。
コメントしやすい一言フレーズ例
- 「発想が天才。」
- 「センス抜群ですね。」
- 「この構成、めちゃくちゃ好みです。」
- 「世界観がどストライクです。」
- 「表現の仕方が本当にうまい。」
- 「一気に最後まで見ちゃいました。」
- 「何度でも見返したくなる作品です。」
実際のコメント例
- クリエイターの投稿に対して
「すごい」→「世界観がどストライクです。発想が天才…!」- ブログ記事や解説動画に対して
「すごく分かりやすい」→「説明が本当に分かりやすくて、一気に最後まで見ちゃいました。」
相手を励ますときに使える褒め言葉
落ち込んでいる人や、頑張り続けている人に対して「すごいよ」と声をかけることは多いですが、当の本人は「自分ではそう思えない…」と感じていることも少なくありません。
そんなときは、「すごい」よりも、
- やってきた過程
- 抱えてきた気持ち
- 続けてきた時間
に寄り添う言葉を選ぶ方が、相手の心に届きやすくなります。
励ましに使える言い換え例
- 「ここまでよく頑張ったね。」
- 「その努力、本当に尊敬する。」
- 「ちゃんと前に進んでいるのが分かるよ。」
- 「簡単なことじゃないのに、続けているのが本当にえらい。」
- 「無理しながらも、よくここまでやってきたね。」
- 「ちゃんと見てる人は見てるから、大丈夫。」
シーン別の使い方イメージ
- 受験勉強や資格試験に挑戦している家族に
「すごいね」→「ここまでよく頑張ったね。簡単なことじゃないのに、続けているのが本当にえらいよ。」- 仕事でうまくいかない友人に
「すごいよ」→「結果だけ見るとつらいけど、ちゃんと前に進んでるのが分かるよ。」
- 「結果」だけでなく「過程」「気持ち」を言葉にする
- 評価というより「見守っている」「味方でいる」というスタンスをにじませる
「すごい」という一言に、
「よく頑張ってきたね」
「ちゃんと見ているよ」
というメッセージを乗せてあげることで、相手の自己肯定感をそっと支える褒め言葉になります。
ビジネスとプライベートを行き来しながら、「すごい」の言い換えを増やしていくと、
- 場面に合った距離感で褒められる
- 相手のどこを見ているかが伝わる
- 相手との関係性が深まりやすくなる
といった変化が少しずつ積み重なっていきます。
次は、「すごい」の言い換えに関するよくある疑問を FAQ 形式で整理し、表現の使い分けで迷ったときの「最後の確認用リスト」としてまとめていきます。
「すごい」の言い換え・褒め言葉に関するよくある質問(FAQ)
ここでは、検索されやすい疑問や、実際の現場でよく迷いやすいポイントを Q&A 形式で整理します。
上司や取引先への敬語、メールでの言い方、褒め言葉がワンパターンにならない工夫など、「すごいの言い換え 敬語」で悩んだときの確認用リストとして使えるイメージです。
Q. 上司や取引先に「すごいですね」と言うのは失礼ですか?
結論から言うと、「すごいですね」が即アウトというわけではありません。
ただし、ビジネスの場では
- 砕けた印象になりやすい
- 「何が」すごいのかが分からず、情報量が足りない
- 年齢差や役職差が大きいほど、軽く聞こえる可能性がある
という理由から、頻度や場面を選んだ方が安心です。
特に
- 初対面の相手
- 取引先やクライアント
- フォーマルな場のプレゼン・表彰
などでは、「すごいですね」よりも、次のような言い換えが安全です。
- 「素晴らしい取り組みですね。」
- 「大変勉強になります。」
- 「非常に高いレベルでまとめていただいていて、圧倒されました。」
- 「この成果は本当に見事だと感じました。」
- 「素晴らしい」「大変」「非常に」など、フォーマル寄りの語を使う
- 「どこが」優れているのか(内容・成果・視点・まとめ方など)を一語でも添える
カジュアルな社内の場で一度だけ「すごいですね」と言う程度なら問題になりにくいですが、重要な場面ほど、上記のような丁寧表現に切り替えておくと安心です。
Q. メールで「すごいです」は使わない方がよいでしょうか?
ビジネスメールでは、「すごいです」は基本的に避けた方が無難です。
文字として残る分、口頭よりも幼い・くだけすぎた印象になりやすく、
- 社外の相手
- 役職者
- フォーマルなやり取り
ほど、違和感が大きくなります。
メールでは次のような言い換えを基本形にしておくとよいでしょう。
「すごく助かります」
→「大変助かります。」
→「大変ありがたく存じます。」
「すごく分かりやすい資料でした」
→「大変分かりやすい資料でした。」
→「非常に分かりやすく整理された資料で、大変参考になりました。」
「すごい成果ですね」
→「素晴らしいご成果ですね。」
→「今回のご成果に、深く感銘を受けております。」
- 「すごく」を「大変」「非常に」に置き換える
- 「すごい」を「素晴らしい」「印象的な」「示唆に富んだ」などに言い換える
- 名詞を具体化する(例:すごい資料 → 分かりやすい資料/整理された資料)
社内のフランクなチャットであれば、たまに「すごいです!」と書くくらいは許容範囲ですが、メール・対外文書では原則として別の表現に置き換えることをおすすめします。
Q. ほめ言葉がワンパターンにならないコツはありますか?
「すごい」「さすが」「素晴らしい」だけに頼っていると、どうしても褒め言葉がワンパターンになり、相手にも
- 本気でそう思っているのか
- とりあえずの社交辞令なのか
が伝わりにくくなります。
バリエーションを増やすコツは、「何を褒めたいのか」を分解して考えることです。例えば、
- 結果・実績がすごいのか
- 努力・継続がすごいのか
- アイデア・着眼点がすごいのか
- 説明の分かりやすさがすごいのか
- 人柄・姿勢がすごいのか
といったように、対象を分類しておきます。
その上で、本記事の各カテゴリから言い換えを選びます。
- 成果を褒めたいとき → 「成果・実績を評価するすごいの言い換え10表現」
- 努力・プロセス・成長を褒めたいとき → 「努力・プロセス・成長を褒めるすごいの言い換え10表現」
- メールやチャットで一言添えたいとき → 「メール・チャット・オンライン会議で使える褒め言葉フレーズ10選」
- 日常会話・SNSで使いたいとき → 「プライベート・SNS・日常会話で使える「すごい」のバリエーション10表現」
というように、「対象 × 場面」で組み合わせて使うイメージです。
例えば同じ成果に対しても、
- 「この短期間でここまで伸ばされたのが、本当に見事ですね。」(結果)
- 「地道な積み重ねが本当に素晴らしいです。」(努力)
- 「この視点を取り入れたのが、大きな成功要因だと感じました。」(アイデア)
と褒め分けができます。
「結果・過程・人物のどこを褒めるのか」を意識して言葉を選ぶと、自然とレパートリーが増えていきます。
Q. 文化や相手によって「すごい」の受け取り方は変わりますか?
「すごい」は一見シンプルな言葉ですが、
- 世代
- 業界・社風
- 相手との関係性
- 立場(上司/部下/取引先)
によって、受け取り方が大きく変わることがあります。
例えば、
- 年上の相手からは「少し砕けすぎている」と感じられる
- かたい業界・保守的な社風ではカジュアルすぎる印象になる
- 一方で、フラットなスタートアップ文化では違和感なく受け取られる
といった違いが生まれます。
また、日本語に不慣れな外国人の同僚・上司の場合、「すごい」という言葉のニュアンスが正確に伝わらず、
- どの程度の評価なのか
- ビジネスとしてどのくらい良い意味なのか
が分かりにくいこともあります。
こうした「相手・文化・場」による差が読めないときは、
- 「素晴らしい」「大変参考になります」「非常に感銘を受けました」など、フォーマル寄りの表現を選ぶ
- 口頭でもメールでも、「何がどう良いのか」を一言だけ具体化する
という方針にしておくと安全です。
社内のカジュアルな雑談では「すごいですね」も悪くありませんが、
- 目上の人
- 取引先
- 公式な場
では、「すごい」をそのまま使うのではなく、本記事で紹介してきた敬語表現・具体的な褒め言葉に言い換える方が、誤解や違和感を避けやすくなります。
まとめ|すごいに頼らず、伝わる褒め言葉を増やしていく
最後に、この記事全体で押さえておきたいポイントを整理しつつ、明日から実践しやすい一歩に落とし込んでいきます。
ゴールは「すごいを封印すること」ではなく、「何をどう褒めたいのか」を自分の言葉で言えるようになることです。
押さえておきたいポイントの振り返り
この記事で扱ってきた内容を、確認しやすいように箇条書きでまとめます。
- すごいは感情をすぐ共有できる便利な言葉だが、ビジネスでは情報不足になりやすい
- 成果・努力・アイデア・成長など、褒める対象によって言い換えるべき表現が変わる
- メール・チャット・オンライン会議では、特に「どこが良いのか」を具体的に言葉にすることが求められる
- シーン別のNG/OK一覧表を使うことで、「つい言いがちな一言」を具体表現に見直しやすくなる
- フレーズそのものより、「何を褒めたいのか」を意識して言葉を選ぶことで、伝わり方が大きく変わる
まずはこの五つを、自分なりのチェックリストとして持っておくと、褒め言葉の精度が一段上がります。
フレーズ暗記より「褒めたいポイント」を言葉にする習慣を持つ
褒め言葉のレパートリーを増やしたいとき、つい
- たくさんの言い換えリストを暗記する
- 聞き慣れた表現を片っ端から使ってみる
という方向に走りがちです。
ただ、相手の心に届く褒め言葉になっているかどうかを決めるのは、「語彙の量」よりも「どこを褒めているのかの明確さ」です。
例えば、同じすごいでも、内側では次のように分けて考えられます。
- 結果や数字を褒めたいのか
例「この達成率は本当に見事ですね」- 努力や継続をねぎらいたいのか
例「地道に続けてこられたことが素晴らしいです」- アイデアやセンスを評価したいのか
例「その着眼点がとても秀逸だと感じました」- 説明の分かりやすさや伝え方を褒めたいのか
例「今のご説明、とても整理されていて理解しやすかったです」
最初に
- 今、この人の「どこが良いと思えたのか」
- 何に対して、すごいと感じたのか
を一瞬だけ意識してから、本記事のフレーズ群の中から近いものを選んでみてください。
ここで紹介した四十表現は、そのための「きっかけ」と「型」として使い、自分の言葉に少しずつ寄せていくイメージを持てると理想的です。
明日から試せる小さなステップ
いきなり全部の場面で言い換えを徹底しようとすると、負担が大きくなり、続きません。
そこで、明日からでも取り組みやすい、小さなステップをいくつか提案します。
- まずは一日一回だけ、「すごい」と言いそうになったら「何がすごいのか」を一語足してみる
例「すごいですね」→「このまとめ方、すごく分かりやすいですね」 - ビジネスメールの中だけ、「すごい」「すごく」を「素晴らしい」「大変」に言い換えてみる
例「すごく助かります」→「大変助かります」 - 部下・後輩を褒めるときは、「結果」か「努力」か「工夫」のどれかを必ず一つ指定して褒める
例「すごいね」→「この準備の細かさが、本当にすばらしいね」 - オンライン会議で、一度だけ「すごい」ではなく「納得感がありました」「腹落ちしました」などの一言を使ってみる
完璧さよりも、「昨日より一言だけ具体的にする」程度の変化を積み重ねる方が、結果的に表現の引き出しは早く増えていきます。
ことのは先生よりひとこと

すごい、という一言は、それだけでも相手を肯定したい気持ちがこもった、温かい言葉です。
ただ、どこがすごいのかを少し具体的に言葉にしてあげると、その気持ちはもっと相手に届きやすくなります。
今日から全部を変えなくても大丈夫です。
まずは一場面、一人に向けた一言だけを、少し丁寧に言い換えてみてください。
その小さな積み重ねが、相手との信頼と、自分の語彙の豊かさを静かに育てていきます。

