会議で発言を促す言い方と回し方|沈黙を崩すファシリテーション質問・フレーズ集

会議で発言を促す言い方と回し方|沈黙を崩すファシリテーション質問・フレーズ集 言い方・伝え方

会議で発言を促す言い方と回し方|沈黙を崩すファシリテーション質問・フレーズ集

会議で沈黙が続くと、司会としては焦りますよね。
「誰に振ればいいのか」「指名すると圧にならないか」「意見が偏ってしまう」など、発言を促す場面には地味に難しい判断が詰まっています。

でも実は、沈黙は“人の問題”というより「場の設計」「質問の出し方」でかなり改善できます。
言い回しを増やす前に、目的・観点・順番を少し整えるだけで、発言は驚くほど出やすくなります。

この記事で分かること
  • 会議が沈黙する典型パターンと、司会が最初に整えるべきポイント
  • 指名しても圧をかけない「振り方の型」(沈黙を崩す順番)
  • そのまま使える、発言を促す質問・フレーズの使い分け(場面別)
  • 発言が偏る/話が長い人がいる/上司同席など、ケース別の回し方
  • 迷ったときに一発で戻れる「目的別早見表」と判断フロー(保存用)


  1. 会議が沈黙する理由は「人」より「場の設計」で決まる
    1. 沈黙の主因:心理的安全性が低いと発言コストが跳ね上がる
    2. 問いが広すぎると沈黙する(質問の粒度が原因)
    3. 結論:沈黙対策は「質問設計+順番+ルール」で8割決まる
  2. 発言を促す前に整える3点セット(沈黙を作らない土台)
    1. 目的を一言で固定する(何を決める/何を出す)
    2. グランドルールで安心の前提を先に置く
    3. まず書かせる(サイレント)→共有の順にする
  3. 沈黙を崩す「振り方」テンプレ(指名しても圧が出ない)
    1. 型:前提共有→観点提示→1人指名→全体へ拡張
    2. 型:選択式で聞く(AかBか、優先はどっちか)
    3. 型:ラウンドロビンで偏りをなくす(全員に順番)
  4. そのまま使える「発言を促すフレーズ」場面別まとめ
    1. 意見を引き出す(穏やかに広げる)
    2. 沈黙が続くとき(圧を下げて一言を取りに行く)
    3. 話が長い人がいるとき(角を立てずに他者へ振る)
  5. 目的別「沈黙を崩す振り方」早見表
    1. 結論:丁寧さより「発言しやすい行為設計」で選ぶ
    2. 早見表
    3. 迷ったときの判断フロー(目的→観点→順番→次アクション)
  6. 参加者タイプ別:回し方のコツ(発言しない/強い/上司同席)
    1. 発言しない人:事前に“答えやすい問い”を渡す(当てる前に救う)
    2. 強い人・否定が多い人:ルールと要約で“場の温度”を下げる
    3. 上司同席:最初に“上司から話さない”合意を取る(可能なら)
  7. FAQ:会議で発言を促すときのよくある疑問
    1. Q1|指名するとパワハラっぽくなりませんか?
    2. Q2|オンライン会議で沈黙が続くときはどうする?
    3. Q3|発言が偏るのを直す一番簡単な方法は?
    4. Q4|否定が多い人がいる会議はどう回す?
    5. Q5|沈黙を怖がらず待つべき時間はどれくらい?
  8. まとめ|沈黙は「言い方」より“場の設計”で崩せる
    1. 今日から迷わない3つの基準(目的/観点/順番)
    2. 迷ったら「選択式→1人→全体」の型に戻す
    3. 早見表をブックマークして使い回す
    4. ことのは先生よりひとこと

会議が沈黙する理由は「人」より「場の設計」で決まる

沈黙の主因:心理的安全性が低いと発言コストが跳ね上がる

会議の沈黙は、参加者の性格や能力よりも、その場で発言するリスクが高く見える状態で起きやすくなります。
否定される、評価が下がる、的外れだと思われる、責任を背負わされる。こうした不安があると、発言しないほうが合理的になります。

GoogleのProject Aristotleでも、効果的なチームに共通する要素は「誰がいるか」より「どう働くか」に寄っていて、最上位に心理的安全性が挙げられています。
心理的安全性が高いチームでは、間違いを認める・質問する・新しい案を出すといった対人リスクを取りやすい、と整理されています。
出典:Rework

つまり沈黙を崩したいなら、まずは「発言しても損をしない」と感じられる設計に戻すのが最短です。個人の勇気に頼るほど、沈黙は固定化します。


問いが広すぎると沈黙する(質問の粒度が原因)

「どう思う?」「何かある?」のような問いは一見オープンですが、実務では負担が大きく沈黙を呼びがちです。
理由は単純で、答えるために必要な前提が多すぎるからです。

広すぎる問いが沈黙を生む典型パターンは次の3つです。

  • どこから話せば正解か分からない(論点が未定)
  • 反論や突っ込みが来そうで怖い(防御コストが高い)
  • 今言うと責任が発生しそう(意思決定と誤解される)

対策は、質問を「答えの型が見える形」に落とすことです。
例えば同じ内容でも、こう変えるだけで発言が出やすくなります。

悪い例
  • どう思いますか
良い例
  • A案とB案ならどちらが近いですか(理由は一言でOK)
  • リスクだけ先に挙げるなら何がありますか(1つだけでOK)
  • 今日決めたいのは何か、決めなくていいのは何かを確認していいですか

「発言のハードルを下げる」のは、優しい言葉より先に、答えやすい粒度にすることです。


結論:沈黙対策は「質問設計+順番+ルール」で8割決まる

沈黙を崩すコツは、フレーズ集ではなく運用設計です。
ここで一度、対策を3点に固定します。

  1. 質問設計:答えの型が見える問いにする(選択肢、観点、条件、1つだけOK)
  2. 順番:発言しやすい人からではなく、発言しやすい形式から入る(例:賛否ではなくリスク列挙、全員一言、チャット併用)
  3. ルール:否定の仕方・決め方・持ち帰り条件を明文化する(発言のリスクを下げる)

Project Aristotleでも、心理的安全性は「対人リスクを取っても大丈夫」という感覚に関係すると説明されています。
出典:Rework

だからこそ、場のルールと問いの形を整えるほど、自然に声が出る土台ができます。


発言を促す前に整える3点セット(沈黙を作らない土台)

沈黙を崩すフレーズより先に、場の前提を整えるほうが再現性が高いです。
ここでは会議の冒頭1分で入れられる3点セットを、進行担当がそのまま使える形でまとめます。


目的を一言で固定する(何を決める/何を出す)

目的が曖昧だと、参加者は発言の正解が見えません。
結果として「間違えない沈黙」が合理的になります。

目的は一言で、成果物まで言い切るのがコツです(決める/出す/揃える)。

  • 決める会議:今日はA案で進めるかB案で進めるかを決めます
  • 出す会議:今日はリスクを10個出して、優先順位を上位3つに絞ります
  • 揃える会議:今日は前提認識を揃えて、次の打ち手の論点を確定します

さらに沈黙が出やすい会議ほど、質問も一段小さくします。

悪い例
  • どう思う?
良い例
  • 懸念点はどこですか(仕様/費用/期限のどれに近いですか)
  • この案で進める条件があるとしたら何ですか(1つでOK)

目的の固定は、心理的安全性の土台にもなります。
何を求められているかが明確だと、発言コストが下がります。


グランドルールで安心の前提を先に置く

グランドルールは長文にしません。3つだけで十分です。
ポイントは「命令」ではなく「前提共有」にすることです。

おすすめ3点
  • 否定ではなく改善案で返します
  • 発言は短くてOK、途中でもOKです
  • 沈黙もOKです。考える時間を取ります

心理的安全性が低い場では、発言そのものがリスクに感じられますが、これだけで失敗や評価への不安が下がりやすくなります。

補助ルール(必要なときだけ追加)
  • 立場ではなく論点で話します(役職パワーが強い会議向け)
  • まず事実、次に解釈(感情的な衝突が起きやすい議題向け)
  • 今日は出す回。決めるのは最後(結論を急ぎがちな会議向け)

まず書かせる(サイレント)→共有の順にする

いきなり口頭で振ると、同時発話が難しく、早い人だけが話し続ける状況になりやすいです(発言の順番待ち=生産阻害が起きる)。
その結果、静かな人ほど置いていかれます。

そこで、最初に30〜60秒だけ黙って書くを挟みます。これだけで参加率が上がりやすいです。

最小構成(オンライン/オフライン共通)
  1. 30秒サイレント:各自、付箋やメモに1〜3個書く
  2. 1分共有:順番に1個ずつ読み上げる(指名ではなく順番)
  3. まとめ:出たものを分類して次の問いへ

電子的に書き出す方式(チャット欄、共同メモ、フォーム)も、生産阻害を減らす方向で研究が積み上がっています。
出典:ERIC

進行の一言例(短く)

  • 30秒だけ考える時間を取ります。各自1つ書いてください
  • では順番に1つずつ共有します。短くで大丈夫です

この3点セットが入ると、後の「振り方(誰にどう当てるか)」が効きやすくなります。沈黙が起きても、次の打ち手がすぐ出せます。


沈黙を崩す「振り方」テンプレ(指名しても圧が出ない)

沈黙の場でいきなり指名すると、当てられた側は答えの正解探しに入りやすくなります。
圧を出さずに発言を引き出すコツは、指名前に答えやすいレールを敷いてから当てることです。


型:前提共有→観点提示→1人指名→全体へ拡張

この型は、発言コストを下げつつ会話を広げられる最短ルートです。
ポイントは、指名が突然にならないように前提と観点を先に渡すことです。

テンプレ(そのまま読めます)

  • 前提共有:まずA案で進める方向で考えています
  • 観点提示:気になるのはリスクと、対応コストです
  • 1人指名:○○さん、この観点で懸念が1つあるとしたら何でしょう
  • 全体拡張:ほかの方も、同じ観点で追加があればお願いします
圧が出にくくなる言い回しの工夫
  • 1つだけで大丈夫です
  • いま思いつく範囲でOKです
  • 反対意見というより、詰まりそうな点があれば教えてください
  • 分からなければパスで大丈夫です(逃げ道を先に置く)

沈黙になったときの回収フレーズ(詰まない)

  • では私の仮説を1つ置きます。もし違えば突っ込んでください
  • いったんチャットに箇条書きで出してもらって、あとで拾います
  • 観点を変えます。期限面で不安がある人はいますか

型:選択式で聞く(AかBか、優先はどっちか)

沈黙が長いときは、問いが広すぎる可能性が高いです。
答えやすい問いに変えるだけで、発言が出る確率が上がります。

選択式テンプレ例

  • A案で進めるなら不安はコストと品質、どちらが大きいですか
  • 優先はスピードと確実性、どちらですか
  • いま足りないのは情報と時間、どちらですか
  • 今日決めるなら、決めたいのは方向性と担当、どちらですか

さらに出しやすくする一言

  • どちら寄りでもOKです。理由は一言で大丈夫です
  • まず多数派を見たいので、手短にお願いします
  • AでもBでもないなら、C案として一言ください
注意点
  • 選択肢がズレていると逆に止まります。迷ったら最後に「ほか」を必ず付けます。
  • 難しい議題ほど、選択肢は2つまでに絞ると動きます。

型:ラウンドロビンで偏りをなくす(全員に順番)

発言が一部に偏る場では、自由発言より順番に一言のほうが安定します。
目的は盛り上げることではなく、情報を取り切ることです。

ラウンドロビンのやり方(最小設計)
  • ルール宣言:全員30秒以内で一言ずつお願いします。パスもOKです
  • 質問は固定:この案の不安点を1つ、または条件を1つ
  • 順番を決める:席順/画面順/名簿順(迷いを消す)
  • まとめる:出た論点を3カテゴリに分類して次の問いへ

圧を下げる回し方の例

  • まずは事実ベースでOKです。印象でも大丈夫です
  • 反対でなくても、気になる点があればで十分です
  • 一言でOKです。補足は後でこちらから聞きます
オンラインの小ワザ(沈黙が出にくい)
  • 先にチャットに各自1行で投稿→順番に拾う
  • 挙手機能で意思表示だけ先に取る(賛成寄り/懸念あり/判断保留)
  • ブレイクアウト前に問いを1つに固定してから分ける

この3つの振り方を持っておくと、沈黙の場でも進行が崩れません。
次は、さらに場が温まっていないときでも使える具体フレーズ集(立場別・場面別)に落とし込みます。


そのまま使える「発言を促すフレーズ」場面別まとめ

フレーズは「言葉の丁寧さ」より、相手が答えやすい問いになっているかで効きます。
ここでは、短文+使いどころ+注意点で、会議でそのまま使える形にまとめます。


意見を引き出す(穏やかに広げる)

狙い

正解を当てさせない。観点を出してもらう。

使える短文フレーズ

  • この点、どう見ていますか(観点があれば教えてください)
  • 懸念があれば先に出したいです
  • いまの案で、引っかかるところはありますか
  • 良い点と不安点、どちらでも大丈夫です
  • 反対意見というより、詰まりそうな点があれば
  • もし追加で考慮すべき条件があれば教えてください
  • まずは直感でOKです。理由は一言で大丈夫です
  • 別案があるなら、方向性だけでも聞きたいです
  • このまま進める前提で、落とし穴になりそうな点はありますか
  • 目的に照らすと、違和感があるところはありますか
使いどころ
  • まだ論点が散っていない序盤
  • 「賛成・反対」の空気が出て発言が止まりそうなとき
  • 議題の難易度が高く、正解探しに入りそうなとき
注意点(沈黙を作る言い方)
  • 「どう思う?」単体は広すぎて止まりやすい
    → 観点を添える(例:リスク/期限/コスト/顧客影響)
  • 「反対ある?」は対立の匂いが出やすい
    → 「懸念」「詰まりそうな点」に置き換える

沈黙が続くとき(圧を下げて一言を取りに行く)

狙い

発言のハードルを下げる。沈黙を「小さく割る」。

使える短文フレーズ

  • まずは一言ベースで大丈夫です
  • 仮でいいので、方向感だけください(A寄り/B寄り)
  • 30秒でOKです。思いつく範囲でお願いします
  • 分からなければパスで大丈夫です(後で拾います)
  • では選択式で。AとBならどちらが近いですか
  • いったんチャットに1行で出してください(あとで拾います)
  • 私の仮説を置きます。違うと思ったら突っ込んでください
  • いま決めなくていいので、不安点だけ先に出したいです
  • まずは「良い点」からでもOKです
  • 誰からでも。言いやすい人、お願いします
使いどころ
  • 発言がゼロの状態が続いているとき
  • 参加者が多く、最初の一人が出にくいとき
  • 反対・批判が怖くて止まっていそうなとき
注意点(逆に圧になる)
  • 「誰か意見ありますか」は沈黙を強化しがち
    → 指名するなら「観点+一言+パスOK」をセットに
  • 「早く決めたいので」は急かしに聞こえる
    → 「時間の都合で、まず方向性だけ」に言い換える

話が長い人がいるとき(角を立てずに他者へ振る)

狙い

遮らず、要点を尊重しつつ、発言の分布を戻す。

使える短文フレーズ

  • いったん要点を整理しますね(要点は○○で合っていますか)
  • ありがとうございます。いまの観点で、他の方の意見も聞きたいです
  • 今の話を踏まえて、別の観点(例:リスク)で見た意見はありますか
  • 一度ここで区切って、○○さんにも振ってみてもいいですか
  • ここまでを前提に、反対でなくても追加条件があれば
  • すみません、時間の関係で一言でまとめると何が一番重要ですか
  • 次の論点に進みます。その前に○○さん、同じ観点で一言ありますか
  • 今の内容を踏まえて、実務面(運用)で詰まりそうな点はありますか
使いどころ
  • 特定の人の独壇場になって、他が引いているとき
  • 議題が流れて論点がぼやけ始めたとき
  • 時間が押しているのに、話が収束しないとき
注意点(角が立つ言い方)
  • 「長いので」など人格評価に聞こえる表現は避ける
    → 主語を「時間」「論点」「次の人」に置く
  • 要点整理せずに遮ると反発が出やすい
    → 先に要約して承認してから振る(要約→承認→振り)

次は、これらのフレーズが効くようにするための「回し方」(順番・指名の設計・チャット併用・まとめ方)を、会議の種類別(定例/報告/意思決定)に落とし込みます。


目的別「沈黙を崩す振り方」早見表

結論:丁寧さより「発言しやすい行為設計」で選ぶ

沈黙を崩すコツは、言葉を丁寧にすることではなく、発言の負担を下げる“行為”に変えることです。

  • 観点を渡す(何を言えばいいかが分かる)
  • 選択式にする(答えの形を固定して出しやすく)
  • 順番制にする(偏りと遠慮を消す)
  • 書いてから話す(思考時間を与えて参加率を上げる)

早見表

目的おすすめの振り方使うフレーズ例向く場(対面/オンライン)添える一文(安心)NG例
沈黙を崩したい(最初の一言)選択式 → 1人指名 → 全体「A/Bどちら寄りですか?○○さんは?」両方「仮でOKです。方向感だけで」「誰か意見ある?」
発言を偏らせないラウンドロビン(順番に一言)「一人30秒で順番に一言お願いします」両方「短くてOK、パスもOKです」「話せる人だけ」
意見を深めたい(質を上げる)観点指定(論点を渡す)「リスク/コスト/手戻りの観点でどうですか」両方「思いつく範囲で大丈夫です」「どう思う?」
反対意見を引き出したい(対立回避)“懸念”に言い換え+事実主語「反対というより、詰まりそうな点ありますか」両方「出た懸念は“改善材料”として扱います」「反対ある?」
オンラインで発言が止まるチャット先出し → 拾って指名「まずチャットに1行で。あとで拾います」オンライン「音声は後でOK、まず文字で」「ミュート外して誰か」
迷って答えが出ない(思考停止)サイレント1分 → 共有「1分だけ書き出してから共有しましょう」両方「正解不要。メモのままでOK」「今すぐ答えて」
結論を早く寄せたい前提固定+判断軸提示+指名「目的は○○。判断軸は△△。○○さんどう見ます?」両方「まずは暫定で置きます」「結論だけ言って」
発言が怖い(否定されそう)先にルール宣言+小さく聞く「否定なしで。まず一言ベースで」両方「評価ではなく情報収集です」「率直に言って」
話が長い人がいる(場を戻す)要約→承認→他者へ振る「要点整理しますね。では別観点で○○さんは?」両方「一言でOKです」「ちょっと長いので」
決めた後の不安を潰したい“落とし穴”質問+全体「このまま進める前提で、落とし穴ありますか」両方「今出せる不安は今出しましょう」「異論ないですね?」

迷ったときの判断フロー(目的→観点→順番→次アクション)

  1. 目的を決める:沈黙を割る?偏りをなくす?深める?決める?
  2. 観点を渡す:リスク/コスト/手戻り/顧客影響/期限 など
  3. 順番を決める:選択式→指名/順番制/チャット先出し
  4. 次アクションを置く:「仮でOK」「30秒で」「後で拾う」「期限は○時」

この流れに戻すと、フレーズに悩む時間が一気に減ります。


参加者タイプ別:回し方のコツ(発言しない/強い/上司同席)

発言しない人:事前に“答えやすい問い”を渡す(当てる前に救う)

発言しない人は「意見がない」のではなく、出し方が分からない/失敗したくない/準備時間がないのどれかで止まりがちです。
当てて引き出す前に、答えやすい型を先に渡すと、沈黙の確率が大きく下がります。

  • 観点を配る(前日 or 冒頭30秒)
    • 例:「今日は リスク手戻り だけ見てください」
    • 例:「“困る点1つ+良い点1つ” でOKです」
  • 書いてから話す(サイレント→共有)
    • いきなり口頭は負担が高いので、1分メモを挟む
      →オンラインは特に効く(思考のラグを吸収できる)
  • 当て方を変える(質問の粒度を小さく)
    • NG:「どう思う?」
    • OK:「A案の懸念、1つだけあるとしたら?」
    • OK:「いま不安が0〜10なら何点?理由は一言で」

使える振り方(そのまま)

  • 「○○さん、結論じゃなくて大丈夫で、懸念が1つあれば教えてください」
  • 「一言でOKです。仮の印象だけでも助かります」
  • 「迷ったら“リスクだけ”でお願いします」

ポイントは、当てる前に“正解の形”を提示することです。形が見えると、発言コストが下がります。


強い人・否定が多い人:ルールと要約で“場の温度”を下げる

発言が強い人や否定が多い人がいると、場は一気に「評価モード」になり、沈黙が合理的になります。
対策は、人格に触れずに、場のルールと運用で温度を下げることです。

  • ルールを“行動”で定義する(抽象で終わらせない)
    「否定しない」だけだと曖昧
    • 例:「否定したくなったら、まず 懸念 として言う」
    • 例:「反対意見は 代案セット で」
  • 要約で“言葉の角”を削る(翻訳する)
    強い言い方をそのまま流さず、司会が一段柔らかく言い換える
    • 例:「つまり懸念は○○ですね。改善案は△△で合ってますか」
  • 発言形式を固定する(攻撃的になりにくい枠)
    • 「良い点→懸念→提案」順にさせる
    • 「事実→影響→提案(SBI寄り)」に寄せる

使える介入フレーズ(角を立てずに戻す)

  • 「いまの指摘は 懸念点 として整理すると○○ですね。改善案も一緒に出せそうですか」
  • 「一度ここまでを要約します。今の論点は○○で、選択肢は△△です」
  • 「否定ではなく“進めるための条件”として言い換えると何になりますか」

“否定の連鎖”は、司会が要約と枠を差し込むだけで止まりやすいです。
強い人を黙らせるのではなく、出し方を変えてもらうのが最短です。


上司同席:最初に“上司から話さない”合意を取る(可能なら)

上司が同席すると沈黙が増えるのは、個人の性格ではなく権威勾配(上がいると評価不安が上がる構造)の影響です。
ここはフレーズ勝負より、順番設計で緩和するのが確実です。

  • 最初に合意を取る(できれば会議冒頭で宣言)
    • 例:「最初は現場から一周して、最後に○○さんにまとめをお願いします」
      “上司を立てつつ、場を守る”言い方にする
  • 先に書かせる→拾う(上司の存在を薄める)
    • サイレント記入→共有→司会が集約→上司コメント
      →上司の一言が「結論」にならず、意見が出やすい
  • 上司の役割を“評価者”ではなく“意思決定者”に固定する
    • 例:「判断材料を集める回です。最後に意思決定だけお願いします」

使える進行テンプレ(そのまま)

  • 「最初に1分だけ書きます→順番に一言→私が整理→最後に○○さんが判断」
  • 「今日は“材料出し”が目的です。結論は最後に置きます」

上司同席回は、“最初に上司が話す”だけで沈黙が固定化しやすいので、最初の順番を変えるだけで体感が変わります。


FAQ:会議で発言を促すときのよくある疑問

Q1|指名するとパワハラっぽくなりませんか?

結論:やり方次第でパワハラにはなりません。
理由:圧になるのは「逃げ道なしの指名」と「評価前提の空気」です。

すぐ使える一言

「正解じゃなくて大丈夫です。仮で一言だけ、○○さんどう見えますか」


Q2|オンライン会議で沈黙が続くときはどうする?

結論:“書いてから話す”に切り替えるのが最短です。
理由:オンラインは間が読みづらく、発言の被りも怖くて黙りがちです。

すぐ使える一言

「30秒だけ各自メモしましょう。終わったらチャットに一言で投げてください」


Q3|発言が偏るのを直す一番簡単な方法は?

結論:ラウンドロビン(順番に一言)が一番早いです。
理由:“話せる人だけ”の構造を、運用で止められます。

すぐ使える一言

「一人30秒で順番にいきます。結論だけでOKです」


Q4|否定が多い人がいる会議はどう回す?

結論:ルール+要約で“否定を懸念に変換”します。
理由:否定が続くと評価モードになり、他の人が黙るからです。

すぐ使える一言

「いまの話は“懸念点”として整理すると○○ですね。代案があればセットでお願いします」


Q5|沈黙を怖がらず待つべき時間はどれくらい?

結論:まずは5〜7秒は待ってOKです。
理由:沈黙は“考えている時間”でもあり、早く埋めるほど発言の質が落ちます。

すぐ使える一言

「少し考える時間を取ります。10秒だけ待ってから順番にいきます」


まとめ|沈黙は「言い方」より“場の設計”で崩せる

今日から迷わない3つの基準(目的/観点/順番)

沈黙を崩すコツは、セリフを増やすことではありません。
まずは次の3点を先に決めるだけで、発言の出やすさが一気に上がります。

  • 目的:今日は「決める」のか「案を出す」のか
  • 観点:リスク/コスト/手戻りなど、答える切り口を渡す
  • 順番:誰がいつ話すか(書く→共有、順番に一言、など)を固定する

迷ったら「選択式→1人→全体」の型に戻す

沈黙したときに効くのは、問いを細くして“最初の一言”を取りにいくことです。

  • 選択式(A/B、優先はどっち)で答えやすくする
  • 1人に「仮でOK」を添えて振る
  • 全体に「他にもある?」で広げる

この型に戻すだけで、会議が「黙る場」から「出しやすい場」に戻ります。


早見表をブックマークして使い回す

沈黙対策は、その場のセンスより再現できる型が強いです。
目的別の「振り方早見表」は、会議のたびに見返せる“武器”になります。

  • 沈黙を崩したい:選択式→指名→全体
  • 偏りをなくしたい:順番に一言(短くOK)
  • 意見を深めたい:観点指定(リスク/手戻り/コスト)

ことのは先生よりひとこと

ことのは先生
ことのは先生

沈黙は失敗ではなく、場がまだ整っていない合図です。
言い方を工夫する前に、答えやすい問いと順番を用意するだけで、会議は驚くほど動きやすくなります。

タイトルとURLをコピーしました