褒められた時の返し方|謙遜しすぎない一言と敬語のコツ
褒められたとき、つい「いえいえ」「そんなことないです」と返してしまう。
悪気はなくても、相手の気持ちを打ち消したり、会話が止まったりして気まずくなることがあります。
大事なのは、謙遜するかどうかではなく、相手が褒めた事実をいったん受け取って、短く返すことです。
受け取り方に型があるだけで、図々しさも自慢っぽさも避けられます。
この記事では、褒め言葉を「好印象につなげる返し方」を、心理の仕組みとセットで整理します。
職場でもプライベートでも使えるよう、相手別・媒体別に分けて解説します。
この記事で分かること
- 謙遜しすぎが逆効果になる理由と、角が立つNG返しの共通点
- 迷わない基本形「ありがとう→具体→共有→次」の作り方
- 上司・同僚・取引先・友人で温度感を変えるコツと一言例
- LINE/チャット/メールで“長さ”を調整して自然に返す方法
- よくある悩み(まだまだですしか出ない/褒め返しは必要?)の安全な答え
褒め言葉は「受け取る」が礼。否定が気まずくなる理由
褒められた瞬間に否定から入ると、場が少し止まります。
それはあなたの謙虚さが悪いのではなく、相手の意図(好意・評価・感謝)を受け取れていない形になりやすいからです。
ここでの目標は「自慢しない」より先に、相手が褒めた事実をいったん受領すること。
受け取った上で一段だけ下げれば、図々しさも出ません。
相手は“良い点を見つけて伝えるコスト”を払っている
褒め言葉は、ただの情報ではありません。
相手は「良かった点」を探し、言葉を選び、あなたに伝えています。
つまり褒める側は、関係を良くするために一歩踏み込んでいる。
ここで「そんなことないです」と即否定すると、相手には「言わなきゃよかったかな」が残りやすいでしょう。
まずは短く受け取るのが礼儀として強いです。
たとえば ありがとうございます、嬉しいです、励みになります のように、受領のサインを出すだけで空気が整います。
謙遜しすぎは、相手の評価を否定してしまう
謙遜のつもりでも、否定が強いと「あなたの見立ては違う」と聞こえます。
相手の感想を訂正する形になりやすく、結果として気まずさが出ます。
ポイントは、自分の実感と相手の評価を戦わせないことです。
「自分ではまだ課題もある。でも、そう見てくれたことは受け取る」という姿勢にすると、自然に好印象が残ります。
注意したい言い方:「とんでもございません」「まだまだです」単体
どちらも“謙遜”としては定番ですが、単体で言い切ると失敗しやすい言葉です。
「とんでもございません」について
状況によっては強い否定に聞こえ、少し大げさ・硬い印象になることがあります。
「まだまだです」について
謙虚に見える一方で、状況によっては「嫌味」「わざとらしい」と受け取られることがあります。特に実績が見えている場面ほど起きがちです。
使うなら単体で終えず、受け取ってから一段下げるのが無難です。
基本の骨格:ありがとう→具体→共有→次(30秒で作れる)

褒められた時に困るのは、気の利いた言葉が出ないからではありません。
多くの場合、順番が決まっていないために、否定から入ってしまったり、言い訳っぽく長くなったりします。
ここでは「どんな褒めにも転用できる骨格」を一本にします。
答えはシンプルで、次の4点です。
この順番で返せば、謙遜しすぎず、かといって自慢にも見えません。
また、相手は「褒めてよかった」と感じやすく、会話も続けやすくなります。
ありがとう:まず受領の一言で空気を整える
褒め言葉の一番安全な返しは、最初に受け取ることです。
この一言があるだけで、相手の意図(評価・好意・感謝)が肯定され、場が整います。
ここでのポイントは、短く言い切ること。
「そんなことないです」を先に言うより、まず受領してから一段下げるほうが角が立ちにくいです。
具体:どこが嬉しいかを一語だけ足すと嘘っぽくならない
次に「どの点が嬉しかったか」を、短く足します。
褒め言葉に対して具体を返すと、社交辞令っぽさが減り、会話が自然に続きます。
コツは、一語だけで十分ということです。
長く説明すると、逆に作っている印象が出ることがあります。
「段取り」「説明」「気づき」「提案」「対応」など、仕事でも日常でも使える単語を一つ置くだけで成立します。
共有:チーム・相手のおかげを添えると自慢に見えにくい
ここが、謙遜しすぎずに“自慢にも見えない”ポイントです。
自分の成果を受け取ったあとに、功績の一部を相手や周囲に渡すと、温度感がちょうどよくなります。
重要なのは、過剰にへりくだらないことです。
「私なんて…」に落とすより、感謝として共有するほうが自然に見えます。
次:一言だけ前向きな宣言を置く(関係が伸びる)
最後に「次」を一言置くと、褒め言葉がその場で終わらず、関係が前に進みます。
ここでも長く語る必要はありません。
この「次」があると、相手は安心します。
受領だけで終えるよりも、あなたの姿勢が伝わり、好印象が残りやすいでしょう。
この骨格を頭に置いておくと、どんな褒め言葉でも30秒で返せます。
次は、特にやりがちなNG返し(全否定・自虐・褒め返しのやりすぎ)を、角を立てずに直す方法を整理します。
やりがちなNG返しと、角を立てずに直す言い換え
褒められたときに失敗しやすいのは、言葉選びそのものより「反射的な型」です。
とっさに出る言い方には癖があり、悪気がなくても相手の気持ちを置き去りにしやすいでしょう。
ここでは、よくあるNGを3パターンに分けて整理します。
それぞれ「なぜ気まずくなるか」と「どう直すと安全か」をセットでまとめます。
全否定タイプ(例:全然です/そんなことない)→受領+努力へ
なぜNGになりやすいか
全否定は、謙遜のつもりでも相手にはこう届きます。
特に職場では、褒め言葉が「感謝」や「安心」の意味を含むことも多いので、否定が強いほど温度差が出ます。
直し方の軸:まず受け取ってから、努力に落とす
否定ではなく、受領→姿勢の順にすると角が立ちにくいです。
ポイントは、謙遜をゼロにすることではなく、否定をやめて姿勢に置き換えることです。
自虐タイプ(例:運が良かっただけ)→感謝+次へ
なぜNGになりやすいか
自虐は場を和ませるつもりでも、相手に負担を渡すことがあります。
とくに目上や取引先相手だと、軽い自虐でも不安や違和感につながりやすいです。
直し方の軸:自分を下げずに、感謝と次で締める
自虐したくなったら、代わりに「嬉しい」「助かった」「次も頑張る」を置きます。
ここでも重要なのは、場のエネルギーを下げないことです。会話が前に進みます。
褒め返しのやりすぎ→一言だけ返すのが無難
なぜNGになりやすいか
褒め返し自体は悪くありません。
ただ、勢いで褒め返しを重ねると次の印象になりやすいです。
とくにビジネスでは、褒め返しが長いほど「その場を丸く収めるための言葉」に見えがちです。
直し方の軸:褒め返すなら一言だけ。主役は相手の言葉を受け取ること
褒め返しは、相手を持ち上げるよりも、事実として感謝を伝える方向が安全です。
それなら過剰になりにくく、関係も自然に良くなります。
この3つを押さえると、褒められた瞬間に迷いにくくなります。
次は、上司・同僚・部下・取引先・友人で温度感をどう変えるかを、具体的な場面で整理します。
相手別:上司・同僚・部下・取引先・友人で温度感を変える
同じ褒め言葉でも、相手が違うと「ちょうどいい距離感」が変わります。
ここを外すと、内容が正しくても「軽い」「馴れ馴れしい」「逆に堅すぎる」と感じられやすいでしょう。
基本は前に紹介した骨格(ありがとう→具体→共有→次)。
ただし、相手によって 敬語の強さ/共有(おかげ)の入れ方/次の置き方 を調整します。
上司・目上:敬語+共有(おかげ)+次で締める
上司に対しては、フランクさよりも「礼」と「再現性(次もやる)」が効きます。
褒め言葉は評価だけでなく、安心確認として使われることも多いので、受領→共有→次がきれいに収まります。
- 受け取りは丁寧に(ありがとうございます/恐れ入ります)
- 共有は「ご指導・確認のおかげ」に寄せる
- 次は短く(次回も同様に進めます)
一言例
- ありがとうございます。段取りを見ていただけて励みになります。ご指導のおかげです。次回も同じ品質で進めます。
- 恐れ入ります。分かりやすいと言っていただけて安心しました。確認いただけた点が大きいです。引き続き整えます。
「まだまだです」で締めるより、次に向けた姿勢を置くほうが評価が落ちにくいです。
同僚:軽さを残しつつ、受領と具体で返す
同僚は距離が近い分、堅すぎるとよそよそしくなりがちです。
一方で、砕けすぎると自慢っぽく見えるので、受領+具体を短く入れるのが安定します。
- 受領は短く(ありがとう/助かる)
- 具体は一語(段取り/説明/気づき)
- 共有は重くしすぎない(「助かった」程度で十分)
一言例
- ありがとう。段取り見てもらえて助かった。
- ありがとう。説明伝わってたなら安心した。
- 励みになる。気づいてくれて助かる。
同僚相手は「盛りすぎない」ほうが自然です。
部下:受領+評価の返し(見てくれて助かった)で育成にもなる
部下に褒められたときは、上司側が照れて否定しがちです。
ただ、ここで全否定すると「褒めたら迷惑だったのかな」と感じさせることがあります。
部下相手は、受け取ったうえで「見てくれて助かった」「成長につながる」と返すと、関係が前向きになります。
褒め言葉を“コミュニケーションの成功体験”に変えられます。
- 受領して安心させる
- 観察・報告の価値を肯定する(見てくれて助かる)
- 次を短く(これからも頼むね)
一言例
- ありがとう。そう言ってもらえると嬉しい。見てくれて助かったよ。
- ありがとう。励みになる。気づいたことがあったらまた教えて。
- ありがとう。次も分かりやすく共有するね。
部下に対しては、過度な謙遜よりも「受領+育つ返し」が効果的です。
取引先:感謝→励み→今後、の順が堅い
取引先は、距離感を間違えると信用に直結します。
基本は丁寧に、かつ長くしない。相手の褒め言葉を受け取ったら、感謝→励み→今後で締めるのが堅実です。
- 感謝で受領(ありがとうございます)
- 励み(光栄です/励みになります)
- 今後(引き続きよろしくお願いいたします)
一言例(対面・電話でも使える)
- お褒めいただきありがとうございます。励みになります。引き続き丁寧に進めてまいります。
- ありがとうございます。そのように言っていただけて光栄です。今後ともよろしくお願いいたします。
取引先相手では、褒め返しを盛りすぎないのが鉄則です。
言葉を重ねるほど“社交辞令感”が出るため、短く締めたほうが印象が良くなります。
このように相手別に温度感を合わせると、「内容は合っているのに気まずい」を避けられます。
次は、対面・電話・チャット・メールなど媒体別に“長さ”をどう変えるかを整理します。
媒体別:対面・電話・チャット・メールで「長さ」を変える

褒められたときの返し方は、内容だけでなく「長さ」で印象が変わります。
対面なら表情で補える一方、チャットやメールは文字しか残らないので、同じ一言でも重く見えたり、逆に冷たく見えたりします。
ここでは媒体ごとに、最適な長さと終わらせ方を揃えます。
基本の骨格(ありがとう→具体→共有→次)は同じで、出す量だけ調整します。
対面:表情・うなずきで“受領”を補強する
対面は、言葉より先に「受け取った合図」を出せます。
この合図があると、言葉が短くても失礼に見えません。
対面では、返しが長すぎると逆に“言い訳っぽさ”が出ることがあります。
まずは短く受け取って、必要なら一語だけ具体を足す程度がちょうど良いです。
対面の短い型
- ありがとうございます。嬉しいです。
- 励みになります。助かりました。
- ありがとうございます。説明が伝わっていたなら安心しました。
電話:一言で受けて要件に戻す(引き伸ばさない)
電話は、褒めに丁寧に返しすぎると通話が伸びます。
相手も「褒めたからには会話を続けないと」と感じてしまい、切り替えが難しくなりがちです。
電話では、受領→要件に戻すが最も安全です。
電話の型
- ありがとうございます。励みになります。では本件ですが、次に〜
- 恐れ入ります。引き続きよろしくお願いいたします。では確認なのですが〜
ポイントは、褒めを無視するのではなく、受け取った上で次の話題に橋をかけることです。
この一文があるだけで、失礼にならずに切り替えられます。
チャット/LINE:短文+次の一言で返信圧を残さない
チャットは、文章が短いほどそっけなく見えます。
一方で長文にすると、相手に返信義務を感じさせることがあります。
最適解は、短文で受け取り、次の一言で会話を閉じることです。
「これで終わりでもOK」という空気を作れます。
短文の例(返信圧を残しにくい)
- ありがとうございます。嬉しいです。
- 励みになります。助かりました。
- ありがとうございます。次も同じ形で進めます。
もう一言足すなら“次”だけ
- ありがとうございます。嬉しいです。次も丁寧に進めます。
- 励みになります。次回も分かりやすくまとめます。
注意したいのは、褒め返しを盛りすぎないことです。
チャットの過剰な褒め返しは、お世辞合戦に見えやすくなります。
メール:お礼が主語、事実は短く、次を置いて終える
メールは「残る」媒体なので、砕けた返しは場面によって軽く見えます。
逆に丁寧すぎると、本文が長くなり本題がぼやけます。
メールの基本は、お礼(主語)→励み(受領)→今後(次)です。
事実説明は最小限にして、要件があるならそちらを優先します。
褒めへのお礼だけを返す場合
- お褒めの言葉をいただき、ありがとうございます。励みになります。今後も丁寧に進めてまいります。
要件がある場合(自然に本題へ)
- お褒めいただきありがとうございます。励みになります。
それでは、次回の進め方について一点確認させてください。
ここでも「長さ」は正義です。
メールは丁寧さより、読みやすさと要点の明確さが印象を決めます。
媒体で長さを調整できると、同じ内容でも不思議なくらい自然に見えます。
次は、「相手×場面別」を早見表で整理します。
相手×場面別:好印象な返し方早見表

褒められた瞬間に迷うのは、頭が真っ白になるからではありません。
相手と場面が変わると、ちょうどいい温度感も変わるためです。
ここでは、その場で選べる早見表として整理します。
ブックマークしておくと、とっさの場面でも崩れにくいはずです。
早見表
| 相手/場面 | 推奨の骨格(ありがとう→具体→共有→次) | 一言例(短文) | 次に置く一文(関係を残す) | NG例(なぜNGか) | 補足(敬語/距離感) |
|---|---|---|---|---|---|
| 上司(対面) | 受領→具体→共有(ご指導)→次 | ありがとうございます。段取りを見ていただけて励みになります。 | 次回も同じ品質で進めます。 | 「全然です」(評価の否定で気まずい) | 砕けすぎ注意。共有は“おかげ”に寄せる |
| 上司(チャット) | 受領→具体→次(短く) | ありがとうございます。説明が伝わっていたなら安心しました。 | 次も分かりやすくまとめます。 | 「まだまだです」だけ(会話が止まる) | 1〜2文で切る。褒め返しは不要 |
| 同僚(対面) | 受領→具体(1語)→次 | ありがとう。段取り見てもらえて助かった。 | 次も同じ流れで進めるね。 | 「運が良かっただけ」(自虐で重くなる) | 軽さOK。ただし自慢に見える盛り方は避ける |
| 同僚(チャット) | 受領→具体(短) | ありがとう、助かった。 | また相談させて。 | 既読スルー(受領がなく冷たく見える) | 返すなら短く。絵文字なしでも十分成立 |
| 部下(対面) | 受領→具体→評価返し→次 | ありがとう。そう言ってもらえると嬉しい。 | 気づいたことがあったらまた教えて。 | 「いやいや、全然」(褒める行為を萎縮させる) | “見てくれて助かった”は育成にも効く |
| 部下(チャット) | 受領→評価返し(短) | ありがとう。見てくれて助かったよ。 | 次も分かりやすく共有するね。 | 「とんでもない」(硬く距離が出る) | 上から目線にしない。短く温度を残す |
| 取引先(メール) | 感謝→励み→今後 | お褒めいただきありがとうございます。励みになります。 | 今後ともよろしくお願いいたします。 | 「そんなことないです」(取引先には軽く見えやすい) | 敬語は丁寧に。本文は短く読みやすく |
| 取引先(電話) | 受領→励み→要件へ戻す | ありがとうございます。励みになります。では本件ですが、 | 続きはメールで共有いたします。 | 「じゃあ切ります」(唐突で失礼) | “要件へ戻す橋渡し”を必ず入れる |
| 友人(対面) | 受領→具体→軽い次 | ありがとう。そこ気づいてくれるの嬉しい。 | また今度ゆっくり話そう。 | 「そんなことないって」(否定で会話が止まる) | 照れはOK。全否定だけ避ける |
| 友人(LINE) | 受領→次(返信圧を残さない) | ありがとう、嬉しい。 | また落ち着いたら話そう。 | 長文の褒め返し(お世辞合戦化) | 1〜2行で十分。相手に返事を強要しない |
| オンライン会議(締め) | 受領→共有→次→終了 | ありがとうございます。皆さんのおかげです。 | 次回も同様に進めます。 | 「いや全然…」(場が締まらない) | 締めは短く。次アクションを一言置く |
| 初対面(雑談) | 受領→具体→次(軽) | ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。 | またお話できたら嬉しいです。 | 自虐(空気が重くなる) | 丁寧めが安全。距離を詰めすぎない |
“ちょうどいい謙遜”は「受け取ってから一段下げる」
謙遜が悪いのではなく、否定の順番が問題になりやすいです。
「そんなことない」を先に出すと、相手の評価が置き去りになります。
迷ったら、この順で整えると外しません。
これだけで、謙虚さと好印象が両立します。
言葉より先に、相手の“褒めてよかった”を守る
褒め言葉への返しは、会話のテクニックというより小さな配慮です。
相手が一歩踏み込んでくれた行為に対して、「受け取りました」と返すだけで十分価値があります。
気の利いた一言よりも、
相手の言葉を否定せず、短く受け取り、次につなげる。
この設計が、結局いちばん信頼を積み上げるでしょう。
次は、「褒め返しは必要?」「まだまだですしか出ない」「社外での正解は?」など、よくある疑問をFAQでまとめます。
褒められた時の返し方に関するよくある質問(FAQ)
褒め言葉への返しは、正解が一つではありません。
ただし、迷いやすいポイントには「外しにくい結論」があります。
ここでは、よくある疑問に対して、実務で困らない判断基準をまとめます。
Q1. 謙遜しないと図々しく見えませんか?
A. 謙遜はしてもいいですが、最初に否定しないのが安全です。
図々しく見えるのは、受け取ることではなく「自分語りが長い」「自慢が続く」時です。
褒められた瞬間は、まず受け取るほうが礼に近く、相手も安心します。
おすすめは、受領→一段下げるの形です。
- ありがとうございます。励みになります。まだ改善できる点もあるので、引き続き整えます。
この形なら、謙虚さは残りつつ、相手の評価も否定しません。
Q2. 「とんでもございません」は失礼?代わりは?
A. 失礼というより“不自然に堅く聞こえやすい”ため、日常業務では避けたほうが無難です。
「とんでもございません」は、丁寧にしたい意図は伝わります。
一方で、言葉として硬く、場面によっては距離が出たり、文章全体が古く見えたりします。
代わりは、受領の一言に置き換えるのが最も安全です。
置き換え例
- 恐れ入ります。
- ありがとうございます。
- お褒めいただき光栄です。
- そのように言っていただけて励みになります。
「否定を丁寧語にする」より、受け取る丁寧語に寄せると自然です。
Q3. 「まだまだです」しか出てこない時はどう直す?
A. 「まだまだです」を“次の一文”に回し、最初は受け取りに変えると直ります。
「まだまだです」単体だと、相手の評価を跳ね返した印象になりやすいです。
言いたくなる気持ちはそのままに、順番だけ変えるのが簡単です。
直し方(型)
- ありがとうございます。励みになります。まだ改善できるところもあるので、引き続き整えます。
また、「まだまだです」の代替として、より前向きに見える言い方もあります。
- 勉強になります。次も丁寧に進めます。
- 安心しました。次も分かりやすくまとめます。
ポイントは、謙遜ではなく姿勢(次)に置き換えることです。
Q4. 褒め返しはした方がいい?うざくならない?
A. 褒め返しは必須ではありません。するなら“一言だけ”が最適です。
褒め返しが「うざい」と感じられるのは、褒めが続いて“お世辞合戦”になる時です。
特に職場や取引先では、過剰な褒め返しは軽く見えることがあります。
安全なのは、次のどちらかです。
パターン1:褒め返さない(受領だけで十分)
- ありがとうございます。励みになります。
パターン2:一言だけ褒め返す(事実ベース)
- ありがとうございます。〇〇さんのフォローがあったから進みました。
- ありがとうございます。〇〇さんの視点はいつも勉強になります。
「相手を持ち上げる」より、感謝・事実として返すほうが過剰になりません。
Q5. メールやチャットで褒められた時、返信は必要?
A. 原則は返信したほうが良いです。短文で受け取るだけで十分です。
テキストは、受領がないと「見たのかな?」が残りやすい媒体です。
ただし長文にすると相手に返信圧が出るので、短く切るのが正解です。
チャットの最短(返信圧を残しにくい)
- ありがとうございます。嬉しいです。
- 励みになります。助かりました。
メール(丁寧・短め)
- お褒めいただきありがとうございます。励みになります。今後ともよろしくお願いいたします。
返信が難しい状況でも、スタンプやリアクションが使える場では、それだけでも「受領」になります。
ただしビジネス色が強い相手には、短文でも文字で返すほうが安全でしょう。
まとめ|褒め言葉は「受け取って、具体で返す」と関係が伸びる
褒められたときは、気の利いた言い回しよりも「相手の言葉をきちんと受け取る」ことが先です。
否定しないだけで、相手は安心し、会話の空気も整いやすくなります。
否定せず受け取るだけで、相手の満足度が上がる
褒め言葉は、相手があなたの良い点を見つけて言語化してくれた結果です。
そこを否定せず受け取るだけで、「伝えてよかった」という気持ちが残ります。
骨格(ありがとう→具体→共有→次)があれば迷わない
迷いが減るのは、センスが上がるからではなく順番が決まるからです。
ありがとう→具体→共有→次、の骨格を1回通すだけで、自然な返しになります。
相手別・媒体別に“長さ”を変えると自然
同じ内容でも、
- 上司・取引先は短く丁寧に
- 同僚・友人は軽さを残す
- チャットは短文+次の一言
- 電話は一言で受けて要件に戻す
この調整ができると、違和感が一気に減るでしょう。
ことのは先生よりひとこと

褒め言葉を受け取るのは、自慢ではなく礼儀です。
まずは「ありがとうございます」の一言だけで十分。そこから関係はきれいに伸びていきますよ。



使いやすい受領の一言