検討しますの丁寧な言い換え20選|脈なしに見せない返事の型
「検討します」は便利な返事ですが、相手から見ると温度が分かりにくい言葉です。
丁寧に言ったつもりでも、期限や次の動きが書かれていないと「脈なし」「断りの前ふり」と受け取られることがあります。
実は、印象を決めるのは敬語の強さではありません。
相手が安心できる情報を足せているかが重要です。
この記事では、検討しますを丁寧に言い換えるだけでなく、脈なしに見せない返事の組み立て方を整理します。
ビジネスメールとLINEの両方で使えるよう、意図別の言い換えと早見表も用意します。

検討しますの意味と もやっとしやすい理由
検討の意味を辞書レベルで短く確定する
検討は、よく調べて考えることです。
いろいろな面から調べ、良いか悪いかを考える、というニュアンスが土台にあります。
つまり検討しますは、本来は簡単な思いつきではなく、判断材料を集めて考える行為を指します。
ビジネスで重く使われやすいのは、この語の性質が理由です。
この意味を押さえると、検討させていただきますが「答えを出すための時間をもらう」趣旨になることも自然に理解できます。
検討しますが“脈なし”に見えるのは 言葉が弱いからではない
検討しますが曖昧に見える原因は、丁寧さの弱さではなく情報不足です。
相手が知りたいのは、主に次の3点です。
- いつまでに返事が来るのか
- 何を基準に判断するのか
- 次にどう動くのか(こちらは何を待てばいいのか)
この情報がない一言だけの検討しますは、受け手側が補完して読むしかありません。
その結果、断りの婉曲表現としても読めてしまいます。
実際、検討させていただきますは便利な反面、頻繁に使うと断るための口実のように受け取られる恐れもあります。
ここから逆算すると、検討しますも同じく「本気度が不明」「逃げに見える」という誤解が起きやすいと分かります。
まず押さえる結論:丁寧語を足す前に 返事の設計を足す
検討しますを印象よく見せる最短ルートは、丁寧語を盛ることではありません。
期限と次アクションを足すことです。
たとえば、同じ検討でも次の違いが出ます。
後者は丁寧語が増えていなくても、相手が安心して待てます。
実務でも、検討にかかる期間や次の対応を具体的に伝えるのがいいでしょう。
この土台ができてから、検討いたします/検討させていただきます/前向きに検討いたしますのように文書の格に合わせて整える。
この順番で組み立てると、脈なしに見えるリスクを大きく下げられます。
脈なしに見せない返事は 4要素で作れる

返事の型:受け止め→検討ポイント→期限→次アクション
「検討します」を“ちゃんと前に進む返事”に変える最短ルートは、丁寧語を増やすことではありません。
返事に入れる情報を、次の4要素にそろえることです。
- 受け止め(まず相手の行為を受領する)
提案や連絡を読んだことが伝わるだけで、相手の不安が下がります。
ここがないと、既読か未読かも分からず「放置された」と感じやすいです。 - 検討ポイント(何を見て判断するか)
「何を検討しているのか」が見えると、返事が“逃げ”に見えにくくなります。
例:社内の予算/日程/優先度/条件の確認、など。 - 期限(いつまでに返すか)
期限がある返事は、相手にとって待ち方が決まります。
この一点で信頼感が上がる場面は多いでしょう。 - 次アクション(次に何が起きるか)
こちらが何をするのか、相手に何をしてほしいのか。
次の一手が見えると「結局どうなるの?」が消えます。
この型は、相手の頭の中の未確定要素を減らすための設計です。
不安の正体は、丁寧さ不足ではなく「見通し不足」になりがちです。
期限の言い方で 誠意が伝わる(最短で印象が変わる)
期限は、長く説明しなくても効く要素です。
「いつまでに」の一言があるだけで、相手は待ちやすくなります。
期限の出し方は、次の3段階で十分です。
- 最強:具体的な日時
例:本日18時までに/明日午前中までに
相手が予定を組めるので、最も誠実に見えます。 - 次点:時間幅(いつ頃)
例:今週中に/来週前半には
ざっくりでも「放置ではない」が伝わります。 - 最低限:チェックポイントを置く
例:◯日までに一度状況だけご連絡します
結論が出ない可能性があるときに有効です。
期限がどうしても出せない場合は、逃げずにこう言います。
ここまで入ると、検討しますが“保留の常套句”に見えにくくなります。
次アクションは “質問1つ” でもいい
「検討します」で終えると、相手は次に何をすればいいか分かりません。
そこで効くのが、質問1つです。質問は「会話を前に進めるレール」になります。
使える質問は、この3系統に絞ると迷いません。
- 条件確認:前提がそろえば判断できる状態を作る
例:ご希望の納期はいつ頃でしょうか。 - 優先順位確認:相手の“決め手”を特定する
例:今回いちばん重視されたい点は費用とスピードのどちらでしょうか。 - 代替案提示:難しい場合でも着地点を作る
例:A案が難しければ、B案なら可能ですがいかがでしょうか。
営業では「検討します」をそのまま受け取って待つことが失注につながりやすい、という指摘もあり、だからこそ質問で次の一歩を作る価値があります。
出典:TORIX | 営業を科学する
また、「検討します」が断りかどうか分からず誤解を招く可能性もあるため、次アクションを置くほど誤読が減ります。
次の章では、この4要素を前提にして「丁寧な言い換え20選」を“意図別”に整理し、言葉選びで迷わない形に落とし込みます。
丁寧な言い換え20選は 意図別 に使い分ける
検討しますの言い換えは、言葉を変えるだけで印象が良くなるわけではありません。
意図に合う語を選び、期限と次アクションを添えることで、脈なしに見える誤解が減ります。
以下は、意図→適語→注意点の順で、実務と私用の両方で使える20選です。
本当に前向きに検討するとき(時間が必要)
- 検討いたします
注意点:いつまでに返すかを必ず添えると安心感が出ます。 - 社内で確認のうえ、検討いたします
注意点:検討ポイントが見えるので、放置に見えにくいです。 - 一度持ち帰り、検討いたします
注意点:相手が待つ前提になるので、期限か中間連絡をセットにします。 - 検討させていただきます
注意点:便利ですが多用すると保留癖に見えがちです。検討ポイントを一言足すと誤解が減ります。 - 前向きに検討いたします
注意点:前向きだけだと曖昧です。何をもって前向きか、期限と一緒に出すのが安全です。
条件しだいでOKのとき(確認が必要)
- 条件を確認し、改めてご連絡いたします
注意点:確認対象を一言で添えると信頼が上がります。 - 確認でき次第、判断いたします
注意点:判断の主体がこちらであることが明確になり、逃げに見えにくいです。 - 社内の承認可否を確認し、結論をご案内いたします
注意点:決裁待ちの文脈で有効。いつ確認できるかを添えると丁寧です。 - 可能な範囲を確認し、対応可否をご連絡いたします
注意点:できない可能性も含めた誠実な言い方です。代替案があるなら予告すると印象が良いです。 - まず◯◯を確認し、その結果を踏まえてご連絡いたします
注意点:次アクションが具体的で、相手が待ちやすくなります。
難しい可能性があるが 関係を保ちたいとき(断り寄り)
- 現状では難しい状況です
注意点:短く言い切るほうが誤解が減ります。理由は1行に留めると角が立ちにくいです。 - 現時点ではご要望に沿いかねます
注意点:社外向けに無難。代替案があるなら続けて出すと前向きさが残ります。 - 別案であれば対応可能です
注意点:断りで終わらず、次の一手が見える返事になります。 - 代替案をご提示いたします
注意点:提案型の返し。いつ提案するか(期限)を入れると信頼されます。 - 今回は見送らせていただきます
注意点:見送る理由は短く、最後にお礼か今後の余地を一言添えると関係が保てます。
誘い・プライベート寄りで角を立てない(距離が近い相手)
- 予定を確認して、今日中に返すね
注意点:期限があるだけで脈なしに見えにくくなります。 - ちょっと考えてから返していい?明日までに返すね
注意点:返事が遅れる理由があると、不安を減らせます。 - 行けそうか調整してみる。分かったら連絡するね
注意点:次アクションがあるので、放置に見えにくいです。 - 迷ってる。決めやすくしたいから、◯◯だけ教えて
注意点:質問1つで会話が前に進み、曖昧な保留に見えにくくなります。 - 今回は難しそう。代わりに◯◯ならどう?
注意点:断りでも代替を出すと、関係が冷えにくいです。
次の章では、この20選をそのまま使えるように、メール・LINEでの組み立て(短文)に落とし込みます。
シーン別:メール・LINEで使える短文の組み立て例
ここでは、短文でも誤解されにくい形に絞って示します。
言い回しの正解探しではなく、情報(期限・次アクション・検討ポイント)で誤読を減らすのが狙いです。
ビジネス:提案への返事(社外)
社外への返信で多い失敗は、検討いたしますだけで終わり、相手に「結局どうなるのか」を残すことです。
特に「前向きに検討します」は便利ですが、期限がないと曖昧な逃げにも見えます。
例1:検討ポイント+期限を入れる(基本形)
検討する基準が見え、いつ返事が来るかが明確です。相手が待ち方を決められます。
例2:前向きの温度を出すが 曖昧にしない
前向きという温度を示しつつ、質問で次のアクションが生まれます。保留に見えにくいです。
例3:結論が長引く可能性があるとき(中間連絡を宣言)
結論が出ない不安を先回りして消せます。「放置ではない」が伝わります。
社内:上司・同僚(距離が近い)
社内では、丁寧語を積み上げるほど自然さが落ちやすいです。
よそよそしく見せないコツは、言い回しを硬くするより、期限と次アクションで整えることです。
例1:上司へ(判断に必要な情報を先に聞く)
検討の中身が判断だと分かり、期限もあるので仕事が前に進みます。短くても誠実に見えます。
例2:同僚へ(作業量が小さい依頼)
温度が近く、スピード感も出ます。検討しますより具体的で、待たせない印象になります。
例3:社内調整が必要なとき(次にやることを明示)
誰に確認するのかが見えるため、検討が実作業だと伝わります。保留に見えにくいです。
私用:誘いへの返事(脈なしに見せない)
私用で脈なしに見える典型は、短く検討するねと言って返事が遅れるケースです。
ここでは、返事が遅れる理由+期限+前向き要素をセットにします。
例1:予定確認が必要(理由+期限)
返事が遅れる理由があり、期限もあるので相手が不安になりにくいです。
例2:迷っている(本音+期限)
曖昧な保留ではなく「迷っている」と状況が伝わります。期限があるので放置に見えません。
例3:難しい寄りだが関係を保つ(断り+代替)
断りで終わらず、代替があるので拒否に見えにくいです。次の動きも作れます。
次の章では、迷ったときに一発で言葉が選べるよう、目的別の早見表にまとめます。
検討しますの言い換え 早見表

「丁寧に言い換える」よりも先に、相手にしてほしい行為に合う言葉を選べるように早見表でまとめます。
結論:丁寧度より 行為の一致で選ぶ
検討しますの言い換えで迷う原因は、敬語のレベルではなく行為のズレです。
この行為が一致していないと、どれだけ丁寧でも「結局どうするの?」が残ります。
だからまず、検討ではなく確認・判断・調整など、実態に近い行為へ寄せるのが基本です。
目的×相手×期限で 最適表現が一発で決まる
| 意図(目的) | 推奨フレーズ(主文) | 向く相手(目安) | 添える一文(期限・次アクション例) | 注意点(曖昧・圧・距離感) |
|---|---|---|---|---|
| 前向き検討(時間が必要) | 社内で確認のうえ、検討いたします | 社外◎/上司○/同僚△/友人× | 明日午前中までに改めてご連絡いたします | 期限なしは保留に見える。検討ポイントを一言入れる |
| 条件確認(確認が必要) | 条件を確認し、改めてご連絡いたします | 社外◎/上司◎/同僚◎/友人△ | まず◯◯を確認し、本日18時までにご連絡します | 検討より確認が主行為。確認対象をぼかさない |
| 社内確認(決裁・関係者調整) | 関係部署に確認のうえ、可否をご案内いたします | 社外◎/上司○/同僚△/友人× | 決裁確認後、◯日までに一度進捗をご連絡します | 結論が遅れるほど不信感が増える。中間連絡が有効 |
| 保留(情報待ち・今は決められない) | 現時点では判断が難しいため、◯◯確認後にご連絡します | 社外○/上司○/同僚○/友人○ | ◯日までに確認し、状況だけ先に共有します | ただの保留は脈なしに見える。理由+次アクション必須 |
| 難しい(断り寄り) | 現状では難しい状況です | 社外○/上司○/同僚○/友人○ | 代替案があれば、◯日までにご提案します | 曖昧に濁すほど角が立つ。理由は1行、余白は代替で作る |
| 代替案提示(関係維持) | 別案であれば対応可能です | 社外◎/上司◎/同僚◎/友人◎ | Aが難しければB案で進められますが、いかがでしょうか | 提案の押し付けに見せない。選択肢+質問で柔らかくする |
検討という言葉を使うかどうかより、相手が次に動ける情報があるかです。
表の「添える一文」を付けるだけで、印象はかなり変わります。
迷ったときの判断フロー(距離→行為→期限)
迷ったら、次の順番で決めると崩れません。
- 相手との距離
社外ほど改まった形が必要。社内近距離ほど情報重視で短く。 - してほしい行為(返信・確認・判断)
実態が確認なら「確認」、判断なら「判断」。検討に無理に寄せない。 - 期限と次アクションを添える
時間が読めるなら期限。読めないなら中間連絡や質問を置く。
最短で整えるなら、この一文に戻すと安全です。
次の章では、この早見表を踏まえて「よくあるNG」を短く具体で直し、誤解を残さない返事に仕上げます。
よくあるNGと直し方:曖昧さが出る返事を直す
NG:前向きに検討します だけで終わる(曖昧で逃げに見える)
前向きという言葉は印象を柔らかくしますが、本文が一言だけだと温度が測れません。
受け手は期限も次の動きも分からず、結果として保留や断りの前ぶれに見えることがあります。
直し方はシンプルです。
前向きに検討しますに、期限か次アクションを足します。
NG→OK(2例)
検討ポイントと期限が見え、放置に見えません。
質問が次アクションになり、会話が止まりません。
NG:検討させていただきます の多用(万能に見えて実は雑)
検討させていただきます自体は正しい場面も多い表現です。
ただ、毎回これで締めると中身が見えず、保留癖がある人の文面に見えやすいでしょう。
直し方は、検討ポイントを一言だけセットにすることです。
何を検討するのかが見えると、同じ言葉でも誠実に読まれます。
NG→OK(2例)
検討の中身が具体で、期限もあります。
結論が出ない場合でも、中間連絡で不安を消せます。
NG:検討します(だけ)で放置(相手の不安が増える)
検討しますだけで止まると、相手は待ち方が分かりません。
返信が遅れた瞬間に、断りや脈なしと結びつきやすくなります。
直し方は、期限か次アクションを最低1つ入れることです。
どちらか一つでも入れば、印象は大きく改善します。
NG→OK(2例)
待つ時間が確定し、相手が不安になりにくいです。
何をしているかが見え、ただの放置に見えません。
次の章では、特に聞かれやすい疑問をFAQで短く整理し、どの場面でも迷いにくくします。
検討しますの丁寧な言い換えに関するよくある質問(FAQ)
Q1|検討させていただきますは二重敬語ですか?
二重敬語とまでは言い切れません。
謙譲の形として広く定着しており、実務でも使われる表現です。
よりすっきりさせるなら「社内で確認のうえ、検討いたします」
Q2|検討しますだけだと失礼に見えますか?
失礼というより、曖昧で不親切に見えやすいです。
期限も次の動きも読めないため、断りや保留に誤解されやすくなります。
「検討いたします。明日午前中までにご連絡します」
Q3|いつまでに返事をすると 脈なしに見えにくいですか?
時間の長短より、期限宣言と次アクションがあるかで決まります。
待ち方が分かる返事は、放置や拒否に見えにくいです。
「本日中に確認し、明日までに結論をお返しします」
Q4|断りたいときの 角が立たない言い方は?
事実を短く伝え、理由は1行に留め、代替案かお礼で着地させます。
曖昧に濁すほど誤解と不満が残りやすいです。
「現状では難しい状況です。別案なら可能ですのでご提案します」
Q5|口頭やLINEなら 何が自然ですか?
口頭やLINEは短く、期限だけでも入れると誤解が減ります。
丁寧語を盛るより、いつ返すかが伝わるほうが自然です。
「予定見て今日中に返すね」
まとめ|検討しますは 丁寧さより 相手が動ける情報 を足す
今日から迷わない3つの基準(距離/行為/期限)
検討しますをどう返すか迷ったら、基準は3つで十分です。
相手との距離、相手にしてほしい行為、そして期限です。
この3つがそろうと、言い換えの正解探しから抜け出せます。
迷ったら 検討+期限+次アクション に戻す
迷いが出たときは、型に戻すのが最短です。
検討しますの後ろに、期限か次アクションを必ず足します。
この一手で、脈なしに見える誤解はかなり減ります。
早見表をブックマークして使い回す
言い回しの迷いは、場面が変わるたびに何度も起きます。
そのたびに悩むより、早見表で意図に合う表現を選び、期限と次アクションを添える。
この流れを固定すると、返信の質もスピードも安定します。
ことのは先生よりひとこと

丁寧さは言葉を硬くすることではなく、相手が安心して待てる形に整えることです。
迷ったら、いつまでに返すかを先に置くと、伝わり方がぐっと良くなるでしょう。

