ご承知おきくださいは失礼?目上に使える条件と言い換え

ご承知おきくださいは失礼?目上に使える条件と言い換え 敬語・ビジネス言葉

ご承知おきくださいは失礼?目上に使える条件と言い換え

ビジネスメールや社内連絡で「ご承知おきください」を使うべきか迷ったことはないでしょうか。
丁寧な表現のつもりでも、相手によっては「命令っぽい」「上から目線に聞こえる」と受け取られることがあります。

特に目上や取引先には、言葉の強さがそのまま印象につながります。
一方で、事前に注意点を共有したい場面では、意味として便利な表現でもあります。

大切なのは、「失礼かどうか」を一言で決めることではありません。
相手との関係、伝えたい目的、文脈の不利益度によって、自然に聞こえるかが変わります。
この記事では、目上にも失礼になりにくい判断軸と言い換えを、場面別に整理して解説します。

この記事で分かること
  • ご承知おきくださいの意味と、失礼に聞こえやすい理由(命令感・受け取り差)
  • 目上・取引先で「使える条件」と「避けた方がいい場面」の見分け方
  • 強さを調整できる言い換え(お含みおきください/ご理解いただけますと幸いです等)の選び方
  • 目的別に選べる早見表で、今すぐ使える表現を迷わず決める方法
  • 返信が必要かどうか、返すなら何が無難かの答え(FAQで整理)

  1. 結論:ご承知おきくださいは丁寧語だが、目上には注意が必要
    1. 失礼と言われる理由は「命令っぽさ」と受け取り差
    2. 目上に避けるべき場面/使える場面の全体像
    3. 安全な言い換えと使い分け
  2. 意味とニュアンス:ご承知おきくださいは「前もって知っておいてほしい」
    1. 「承知」+「おく」で、事前周知・注意のニュアンスが強い
    2. 「ご承知ください」との違い(強さ・硬さ)
    3. 似た目的の表現との違い(ご了承ください/お含みおきください/ご理解…)
      1. ご了承ください
      2. お含みおきください
      3. ご理解いただけますと幸いです
  3. どれを使う?目上OK度と強さが分かる早見表
    1. まず決めるのは2点:目的(周知/依頼/同意)と強さ(弱/中/強)
    2. 迷ったら「お知らせいたします/ご理解いただけますと幸いです」に逃がす
    3. 典型シーンで当てはめ(仕様変更、受付終了、運用ルール、遅延など)
      1. 表現選び早見表(入れる場所:ここ)
  4. 目上・取引先に送るなら:角が立ちにくい「言い換えの型」
    1. 強さを下げる型:ご理解いただけますと幸いです/お手数ですが…
      1. 型の作り方(順番)
      2. 例(短い形)
    2. 注意が必要な周知の型:お含みおきいただけますと幸いです(依頼形にする)
      1. 型の作り方(順番)
      2. 例(短い形)
    3. 「ください」の命令感を薄める語尾:〜ますようお願い申し上げます/差し支えなければ
      1. 例(お願い方向)
      2. 例(選択肢方向)
  5. 使うならここ:ご承知おきくださいが自然な場面と例
    1. 社内向けの事前周知(運用変更・締切・手順変更)
    2. 相手に「注意しておいてほしい」前提が明確なとき(規約・条件・制限)
    3. 同じ内容を複数人へ一斉連絡するときの注意(硬さが出やすい)
  6. NGになりやすい例:失礼に見えるパターンと直し方
    1. 不利益を押し付ける文脈で単独使用(圧が強く見える)
      1. NGになりやすい例
      2. 直し方の型(配慮を入れて同意寄りにする)
    2. 謝罪・依頼と混ぜて命令文っぽくなる(クッション不足)
      1. NGになりやすい例
      2. 直し方の型(謝罪・依頼は「お願い」で閉じる)
    3. 連発して硬い文章になる(1通1回ルール+分割)
      1. NGになりやすい例
      2. 直し方の型(1通1回+分割)
  7. ご承知おきくださいに関するよくある質問(FAQ)
    1. Q1:ご承知おきくださいは結局、目上に失礼ですか?
    2. Q2:上司には「お含みおきください」の方が丁寧ですか?
    3. Q3:返信は必要?返すなら何が無難?
    4. Q4:「ご承知おきくださいますようお願い申し上げます」は丁寧?
    5. Q5:注意したいが角を立てたくない。最も無難な言い方は?
  8. まとめ|迷ったら「強さを下げる」方向へ。目的に合う言い方を選ぶ
    1. 結論3つ(強さ/目上OK度/迷ったら周知型へ)
    2. 目上には「命令形を避ける」だけで印象が変わる
    3. 今日からの実践:自分の定型文を1つだけ差し替える
    4. ことのは先生よりひとこと

結論:ご承知おきくださいは丁寧語だが、目上には注意が必要

「ご承知おきください」は、敬語として間違いではありません。
ただし、相手や文脈によっては「上から言われた」「命令っぽい」と受け取られやすく、目上や取引先には慎重に使うべき表現です。

この言葉は便利ですが、万能ではありません。
安全にいくなら、目上には「言い換え」を基本にして、使うとしても条件を絞るのが現実的でしょう。


失礼と言われる理由は「命令っぽさ」と受け取り差

「ご承知おきください」は、言い換えると「前もって知っておいてください」に近い意味になります。
この「〜しておいてください」が、状況次第で強く聞こえるのが問題です。

さらに、受け取り差が出やすい言葉でもあります。
同じ文でも、相手が「不利益の連絡」だと感じた瞬間に、圧が強く見えやすいでしょう。


目上に避けるべき場面/使える場面の全体像

目上相手で避けた方がよいのは、次のような場面です。

  • 相手に負担や不利益が出る連絡(変更、制限、終了など)を「一方的に」通す文脈
  • 謝罪やお願いと混ざって、最後だけ強く締める文脈
  • まだ関係が浅い相手に対して、強めの周知を入れる文脈

逆に、使っても大きな問題になりにくいのは、社内向けの周知など、上下関係や距離感が前提として共有されている場面です。
ただし、社外・目上に使うなら、文頭に「どうぞ」を付ける、文末を「お願い申し上げます」に寄せるなど、柔らかくする工夫が必要になります。


安全な言い換えと使い分け

この記事のゴールは、「ご承知おきください」を禁止することではありません。
目的(周知/注意/同意)と強さで言葉を選び、目上にも失礼になりにくい形に整えることです。

次の章では、意味とニュアンスをはっきりさせたうえで、目上に寄せるなら「お含みおきください」など、どの言い換えがどの場面に合うかを整理します。


意味とニュアンス:ご承知おきくださいは「前もって知っておいてほしい」

「失礼かどうか」を判断する前に、まずは言葉の機能をはっきりさせます。
ご承知おきくださいは、ただの丁寧な表現ではありません。文脈によっては「注意喚起」や「事前の釘刺し」に近い強さも出ます。

この章を押さえると、次の早見表で迷いが減ります。


「承知」+「おく」で、事前周知・注意のニュアンスが強い

「承知」は「事情を理解して受け入れる」「分かった状態にする」という意味を持つ語です。
そこに「おく(〜しておく)」が付くことで、

  • 今この場で完結させるのではなく
  • 事前に理解して、あとで困らないようにしてほしい

という方向に寄ります。

言い換えると、「前もって知っておいてください」に近い意味になります。
この先回りのニュアンスが、状況によっては強く聞こえる理由です。

例えば、相手に不利益が出る連絡(変更・制限・受付終了など)と一緒に出すと、
「こちらは決めたので、あなたは把握しておいてください」という圧に見えやすいでしょう。


「ご承知ください」との違い(強さ・硬さ)

「ご承知ください」は「理解しておいてください」という意味で、単体でも硬めです。
そこに「おき」が入ると、「事前に」「前提として」「念のため」が強くなります。

  • ご承知ください:理解してください(硬い)
  • ご承知おきください前もって理解しておいてください(さらに硬い・注意寄り)

ただ、実務では「ご承知ください」自体があまり柔らかい表現ではありません。
目上に使うなら、そもそも別の言い方へ置き換える方が安全な場面が多いでしょう。


似た目的の表現との違い(ご了承ください/お含みおきください/ご理解…)

ご承知おきくださいと近い目的の表現は多いですが、役割が少しずつ違います
ここを分けておくと、言い換えの精度が上がります。

ご了承ください

「事情があるので受け入れてください」という、相手への同意に寄る表現です。
不利益や変更がある連絡で使われがちですが、これも強く聞こえることがあります。
その場合は「ご理解いただけますと幸いです」などに弱めると印象が変わります。

お含みおきください

「細かく説明しないが、前提として入れておいてください」というニュアンスです。
ご承知おきくださいよりも説明を省く含みが強く、やや硬い一方で、
「お願い」形にすると角が立ちにくくなります(例:お含みおきいただけますと幸いです)。

ご理解いただけますと幸いです

相手の負担に配慮しつつ、受け入れをお願いする柔らかい言い方です。
目上や取引先には、まずこの型に逃がすと失敗しにくいでしょう。


ここまでの要点は、「ご承知おきください」は丁寧語でも、事前周知・注意の強さが出ということです。
次は、目的と強さで「どれを選ぶべきか」が一瞬で分かるように、早見表に落とします。


どれを使う?目上OK度と強さが分かる早見表

言い換えで迷う一番の理由は、「丁寧さ」ではなく目的が混ざるからです。
同じ連絡でも、目的は次の3つに分かれます。

  • 周知:知っておいてほしい(情報共有)
  • 依頼:やってほしい/気をつけてほしい(行動を促す)
  • 同意:受け入れてほしい(変更・不利益の了承)

さらに、同じ目的でも言葉の強さ(弱/中/強)が違います。
まずここを決めると、表現が選びやすくなります。


まず決めるのは2点:目的(周知/依頼/同意)と強さ(弱/中/強)

最初に自分に質問するのは2つだけです。

  1. 目的は何か
    「知ってほしい」だけなのか、「行動してほしい」のか、「受け入れてほしい」のか。
  2. 強さはどれくらい必要か
    強く言わないと伝わらないのか、目上なので弱めが安全なのか。

この2点が決まると、後は目上OK度で安全側を選べます。


迷ったら「お知らせいたします/ご理解いただけますと幸いです」に逃がす

目上や取引先に送るときは、強めの表現ほど受け取り差が出ます。
迷った時点で「強く言う必要が本当にあるか」が不明なので、弱めに寄せる方が失敗しにくいでしょう。

  • 周知なら:あらかじめお知らせいたします
  • 同意・配慮なら:ご理解いただけますと幸いです

この2つは、命令感が出にくく、文脈を選びにくい安全策です。


典型シーンで当てはめ(仕様変更、受付終了、運用ルール、遅延など)

この表は、次のような「事前に伝えておきたい」場面で特に効きます。

  • 仕様変更、運用ルールの変更、手順変更
  • 受付終了、締切、対応範囲の制限
  • 遅延、納期変更、提供条件の変更
  • 注意事項、例外条件、免責に近い案内

同じ内容でも、相手が目上かどうか、相手に不利益があるかどうかで、選ぶ表現は変わります。
そこで、目的・強さ・目上OK度を一度に見られるようにまとめます。


表現選び早見表(入れる場所:ここ)

目的(何をしてほしい)強さ目上OK度おすすめ表現短い例文向かない場面
周知(情報として知ってほしい)あらかじめお知らせいたします変更点をあらかじめお知らせいたします。注意・制限を強く印象づけたいとき
周知(前提として把握してほしい)ご確認ください/念のためお知らせします念のためお知らせします。不利益が大きく、同意が必要なとき
注意(条件・例外を理解してほしい)お含みおきいただけますと幸いです例外条件がございます。お含みおきいただけますと幸いです。社内向けの短文連絡(回りくどくなる)
注意(注意喚起を強めたい)低〜中ご承知おきください受付は本日までです。ご承知おきください。目上・取引先への不利益連絡、謝罪と同居する文脈
同意(変更・制限を受け入れてほしい)ご理解いただけますと幸いです仕様変更となります。ご理解いただけますと幸いです。相手に必須の行動を求めたいとき
同意(条件への了承が必要)ご了承いただけますと幸いです条件をご確認の上、ご了承いただけますと幸いです。すでに相手が同意済みのとき(重い)
依頼(行動してほしい)お手数ですが〜/お願いいたしますお手数ですが、期日までにご対応ください。事前周知だけで十分なとき
依頼(強めに守ってほしい)低〜中必ず〜ください/厳守ください(要注意)期日厳守でお願いいたします。目上・取引先(反発を招きやすい)
受付終了(不利益が出やすい)何卒ご理解ください/ご理解いただけますと幸いです受付は終了いたしました。ご理解いただけますと幸いです。社内の単純周知(回りくどい)
遅延(謝罪が絡む)お詫び申し上げます+ご理解いただけますと幸いです遅延しております。お詫び申し上げます。ご理解いただけますと幸いです。ここで「ご承知おきください」を単独で置く(冷たく見える)
読み方のコツ
  • 目上ほど「強」は避け、まず「弱〜中」に寄せる
  • 「ご承知おきください」は注意寄りで強めなので、社外・目上では基本は言い換えが安全
  • 「お含みおきください」も硬いので、目上には 「お含みおきいただけますと幸いです」 の形が無難

次は、目上・取引先向けに「角が立ちにくい言い換えの型」を、文章の作り方として整理します。


目上・取引先に送るなら:角が立ちにくい「言い換えの型」

目上や取引先に「ご承知おきください」を使うときに怖いのは、
内容よりも「言い方の強さ」が先に伝わってしまうことです。

ここでは、フレーズ集を増やすのではなく、文章を組み立てるための「型」を3つ紹介します。
この型を覚えると、状況が変わっても言い換えを選び直せます。


強さを下げる型:ご理解いただけますと幸いです/お手数ですが…

強さを下げたいときは、結論(変更・制限・お願い)を先に言い切って、最後を柔らかくするのが基本です。
「ご理解いただけますと幸いです」は、命令ではなく依頼に寄せられるので、目上にも使いやすい形です。

型の作り方(順番)

  1. 事実(何が起きるか)
  2. 理由(短く、言い訳しない)
  3. 依頼・配慮(幸いです/お手数ですが)

例(短い形)

  • 仕様を一部変更いたします。恐れ入りますが、ご理解いただけますと幸いです。
  • 受付は本日で終了いたします。お手数ですが、ご確認いただけますと幸いです。
  • 対応範囲を変更いたしました。何卒ご理解のほどお願い申し上げます。

「お手数ですが」は、相手に作業が発生する場面で効きます。
周知だけの内容に使うと重くなるので、「確認・対応」が必要なときだけに絞ると自然です。


注意が必要な周知の型:お含みおきいただけますと幸いです(依頼形にする)

「お含みおきください」「ご承知おきください」は、周知のつもりでも命令に聞こえやすい表現です。
目上に使うなら、くださいを外して依頼形にするのが安全です。

型の作り方(順番)

  1. 注意点(例外・条件・制限)
  2. 依頼形で受け止めてもらう(いただけますと幸いです)

例(短い形)

  • 受付は先着順となります。お含みおきいただけますと幸いです。
  • 混雑時は返信にお時間を頂戴する場合がございます。お含みおきいただけますと幸いです。
  • 一部の機能は環境により動作が異なる場合がございます。あらかじめお含みおきいただけますと幸いです。

この型の良い点は、同じ内容でも「お願い」に見えることです。
ただし「お含みおき」は硬いので、軽い連絡では「念のためお知らせいたします」に置き換えた方が読みやすいこともあります。


「ください」の命令感を薄める語尾:〜ますようお願い申し上げます/差し支えなければ

命令感を薄めたいときは、文末を次の2方向に寄せると安定します。

  • お願い方向:〜ますようお願い申し上げます
  • 選択肢方向:差し支えなければ/よろしければ

「ください」は短くて便利ですが、内容が不利益寄りだと圧に見えやすいです。
そういうときだけ文末を変えると、文章の印象がやわらぎます。
柔らかくする工夫として「どうぞ」「お願い申し上げます」などが紹介されています。

例(お願い方向)

  • ご確認のほど、お願い申し上げます。
  • お手数をおかけしますが、ご対応くださいますようお願い申し上げます。

例(選択肢方向)

  • 差し支えなければ、○日までにご返信いただけますと幸いです。
  • よろしければ、こちらの手順でお進めください。

ポイントは、全部の文を長くしないことです。
「強く聞こえやすい一文」だけ語尾を変えると、読みやすさと丁寧さを両立できます。


次は、「それでもご承知おきくださいを使うなら、どんな場面なら自然か」を整理し、社内外での使いどころを明確にします。


使うならここ:ご承知おきくださいが自然な場面と例

「ご承知おきください」は、目上に対しては注意が必要な一方で、使いどころを絞れば便利です。
ポイントは、相手にとっても「先に知っておいた方がいい」と納得できる文脈かどうか。
ここが合っていれば、命令感が立ちにくくなります。

この章では、否定ではなく「使える場面」を明確にします。


社内向けの事前周知(運用変更・締切・手順変更)

社内の連絡は、上下関係というより「業務運用の共有」が目的です。
特に、期日や手順のように、知っていないと困る情報では「ご承知おきください」が機能しやすいでしょう。

ただし、社内でも強い言い方に見えることはあります。
次の2点を意識すると、角が立ちにくくなります。

  • 事実→補足→一言の順で書く(いきなり締めない)
  • 「念のため」「恐れ入りますが」などのクッションを一つ挟む

例(社内)

  • 申請の締切は本日17時までです。念のため、ご承知おきください。
  • 手順が一部変更になりました。詳細は添付をご確認ください。ご承知おきください。
  • 来週はシステム停止があります。影響範囲をご確認のうえ、ご承知おきください。

社内の場合は、より柔らかくするなら「ご承知おきください」を外しても成立します。
(例:念のためお知らせします/ご確認ください)
必要な強さかどうかで使い分けるのが安全です。


相手に「注意しておいてほしい」前提が明確なとき(規約・条件・制限)

次に自然になりやすいのは、規約や条件、制限のように、
相手にとっても「先に知っておくべき前提」がはっきりしている場面です。

このタイプは、単なる周知ではなく「注意喚起」に近いので、
「ご承知おきください」の機能と噛み合いやすいでしょう。

例(条件・制限)

  • 混雑状況により、返信にお時間を頂戴する場合がございます。ご承知おきください。
  • 受付は先着順となります。ご承知おきください。
  • 当日のキャンセルは所定の手数料が発生します。ご承知おきください。

ただし、目上や取引先が相手で、不利益が絡む場合は強く聞こえやすいです。
その場合は「依頼形」に寄せるだけで印象が変わります。

  • 混雑状況により返信にお時間を頂戴する場合がございます。お含みおきいただけますと幸いです。
  • 受付は先着順となります。あらかじめお知らせいたします。

「自然に使える場面」と「安全に言い換える場面」を分けて考えるのがコツです。


同じ内容を複数人へ一斉連絡するときの注意(硬さが出やすい)

一斉連絡では、文章が通達っぽくなりやすいです。
ここで「ご承知おきください」を入れると、さらに硬く見えることがあります。

一斉連絡で硬さを出しすぎないためのコツは3つです。

  • 冒頭に目的を入れる(何のための連絡か)
  • 相手の行動が必要かどうかを明確にする(読むだけ/対応が必要)
  • 締めは「ご承知おきください」だけで終わらせない(ご確認ください等を添える)

例(一斉連絡)

  • 【お知らせ】手順が変更になりました。詳細は添付をご確認ください。念のためご承知おきください。
  • 【共有】締切は○日です。対応が必要な方は期日までにお願いします。ご承知おきください。
  • 【周知】システム停止のお知らせです。影響範囲をご確認のうえ、ご承知おきください。

一斉連絡ほど、文末の一言の印象が残ります。
「ご承知おきください」を使うなら、必ず前後に情報を置き、命令文のように見せない工夫を入れると安心です。


次は、失礼に見えやすいNGパターン(不利益連絡の締めに単独で置く、謝罪と混ぜる、連発するなど)と、直し方の型を具体的に整理します。


NGになりやすい例:失礼に見えるパターンと直し方

「ご承知おきください」は、言葉そのものが失礼というより、置く場所と文脈で失礼に見えます。
特に、相手に不利益が出る話や、謝罪・依頼が絡む場面では、最後の一言が強く残ります。

ここでは「よくある失敗の型」と「直し方の型」をセットで整理します。
修正の手順が分かると、迷いが減ります。


不利益を押し付ける文脈で単独使用(圧が強く見える)

相手に負担や不利益がある連絡(値上げ、終了、制限、変更など)で、
文末に「ご承知おきください」だけを置くと、決定事項を突きつけた印象になりやすいです。

NGになりやすい例

  • 来月より料金を改定いたします。ご承知おきください。
  • 本件は受付終了となります。ご承知おきください。
  • 対応範囲を変更いたしました。ご承知おきください。

内容が相手に不利益であるほど、「知っておけ」という強さが目立ちます。
特に目上・取引先には避けた方が無難でしょう。

直し方の型(配慮を入れて同意寄りにする)

  1. 事実を言う
  2. 理由は短く添える(言い訳しない)
  3. お詫び or 配慮を入れる
  4. 「ご理解」「ご了承」に寄せる(弱める)

言い換え例

  • 来月より料金を改定いたします。恐れ入りますが、ご理解いただけますと幸いです。
  • 本件は受付終了となります。何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
  • 対応範囲を変更いたしました。ご了承いただけますと幸いです。

「ご承知おきください」を消すだけでなく、相手の受け止めを前提にした語尾に変えるのがポイントです。


謝罪・依頼と混ぜて命令文っぽくなる(クッション不足)

謝罪や依頼が入ると、読み手はすでに「負担」を感じています。
そこに「ご承知おきください」を重ねると、命令文のように聞こえやすくなります。

NGになりやすい例

  • ご迷惑をおかけして申し訳ございません。ご承知おきください。
  • お手数ですが対応をお願いいたします。ご承知おきください。

この形は、謝っているのに最後で突き放す印象になりがちです。
依頼文のあとも、念押しの圧に見えやすいでしょう。

直し方の型(謝罪・依頼は「お願い」で閉じる)

  • 謝罪 → お詫び申し上げます+ご理解いただけますと幸いです
  • 依頼 → お手数ですが+お願いいたします(最後も依頼で統一)

言い換え例

  • ご迷惑をおかけして申し訳ございません。何卒ご理解いただけますと幸いです。
  • お手数ですが○日までにご対応をお願いいたします。差し支えなければご一報ください。

この型は、文末の印象が柔らかくなり、関係も崩れにくいです。


連発して硬い文章になる(1通1回ルール+分割)

一斉連絡や案内文では、同じ表現が続くと通達っぽさが出ます。
「ご承知おきください」を複数回入れると、硬さが一気に増します。

NGになりやすい例

  • 変更点をご承知おきください。注意点もご承知おきください。締切もご承知おきください。

読み手にとっては、内容より語尾が残り、圧が強く見えます。

直し方の型(1通1回+分割)

  1. ご承知おきくださいは1通に1回までを目安にする
  2. それ以外は「お知らせします」「ご確認ください」「念のため共有します」に分散
  3. 文を短く分けて、行動が必要な箇所だけ目立たせる

言い換え例

  • 変更点をお知らせします。詳細は添付をご確認ください。締切は○日です。念のためご承知おきください。

「一番伝えたい注意点」だけに絞ると、文章がすっきりします。
結果として、読み手にも丁寧に見えやすいでしょう。


ここまでの結論は、ご承知おきくださいは強い言葉として扱うことです。
次のFAQでは、目上に使うべきか、返信が必要か、もっと丁寧に言うならどうするかなど、よくある疑問をまとめて解消します。


ご承知おきくださいに関するよくある質問(FAQ)

Q1:ご承知おきくださいは結局、目上に失礼ですか?

失礼と断定はできませんが、目上には慎重にした方が安全です。
理由は、言葉の役割が「事前に理解しておいてほしい」という注意寄りで、文脈によって命令感が出やすいからです。

目上に送るなら、次の考え方で判断すると迷いません。

  • 不利益・制限・変更が絡む → まず言い換え(ご理解いただけますと幸いです/ご了承いただけますと幸いです)
  • 単なる周知で、相手にも必要性が明確 → 使う場合もクッションを入れる(念のため/恐れ入りますが)
  • 距離が近い取引先・社内上司で、運用連絡に慣れている → 使える場合はあるが、1通1回程度に絞る

迷ったら「お知らせいたします」系に逃がすのが一番安全です。


Q2:上司には「お含みおきください」の方が丁寧ですか?

「お含みおきください」も丁寧語ですが、より硬く、通達っぽく見えることもあります
丁寧=安全とは限らないのがポイントです。

上司に使うなら、次の形が無難です。

  • (硬さを下げる)お含みおきいただけますと幸いです
  • (周知に寄せる)念のためお知らせします
  • (受け入れ配慮)ご理解いただけますと幸いです

「お含みおきください」単体は、社内通達や規約の注意書きには合いますが、
上司への個別連絡では少し強く見えることがあります。


Q3:返信は必要?返すなら何が無難?

「ご承知おきください」が来たとき、基本は返信不要のことが多いです。
ただし、次の条件なら返した方が安全です。

  • 期限・手順など、こちらの対応が必要
  • 相手が「理解したか」を確認したい文脈
  • 認識違いが起きると困る内容(日時・仕様変更など)

返すなら、短くて十分です。文を長くすると重くなります。

無難な返信例(短文)

  • 承知いたしました。
  • かしこまりました。
  • 承知いたしました。念のため○○も確認いたします。
  • 承知いたしました。○日までに対応いたします。

「承知しました」でも社内なら問題ない場面が多いですが、社外なら「承知いたしました/かしこまりました」が無難でしょう。


Q4:「ご承知おきくださいますようお願い申し上げます」は丁寧?

丁寧ではありますが、文章が長く硬くなりやすい言い方です。
「ください」の命令感を和らげたい意図は分かる一方、読み手によっては回りくどい丁寧さに見えることがあります。

目上に丁寧にしたい場合は、目的に合わせて短くした方が伝わりやすいです。

  • 周知なら:あらかじめお知らせいたします
  • 配慮なら:ご理解いただけますと幸いです
  • 依頼なら:お手数ですが、〜お願いいたします

「丁寧さを上げたい=長くする」ではない、と考えると文章が整います。


Q5:注意したいが角を立てたくない。最も無難な言い方は?

最も無難なのは、周知と配慮を分けて書く形です。
つまり「事実を伝える」と「受け止めの依頼」を別にします。

おすすめはこの2パターンです。

パターンA(周知+配慮)

  • 念のためお知らせいたします。ご理解いただけますと幸いです。

パターンB(注意点+依頼形)

  • 〜の場合がございます。お含みおきいただけますと幸いです。

「ご承知おきください」を使わなくても、目的はほぼ達成できます。
角を立てたくないなら、まず弱めの型から選ぶのが安全です。


まとめ|迷ったら「強さを下げる」方向へ。目的に合う言い方を選ぶ

「ご承知おきください」は、事前周知や注意喚起に便利な一方で、相手や文脈によっては強く聞こえます。
特に目上・取引先では、内容より語尾の圧が印象に残りやすいでしょう。

迷ったときは、強く言うよりも、強さを下げて目的を達成する方が失敗しにくいです。


結論3つ(強さ/目上OK度/迷ったら周知型へ)

押さえるポイントは3つだけです。

  1. 強さは「弱・中・強」で考える
    周知なのか、依頼なのか、同意なのか。
    その目的に対して必要以上に強い語尾を選ばないことが大切です。
  2. 目上ほど安全側の言い方を選ぶ
    目上相手は受け取り差が出やすいので、
    「ご承知おきください」よりも「ご理解いただけますと幸いです」などに寄せる方が無難です。
  3. 迷ったら周知型へ逃がす
    「強く言う必要があるか分からない」時点で、強い言い方はリスクになります。
    まずは次の型に寄せると安定します。
    • あらかじめお知らせいたします
    • 念のためお知らせします
    • ご理解いただけますと幸いです

目上には「命令形を避ける」だけで印象が変わる

失礼に見える原因は、内容よりも「命令っぽさ」です。
そのため、目上に送る文は、次のどちらかに寄せるだけで印象が変わります。

  • 依頼形:〜いただけますと幸いです
  • お願い形:〜ますようお願い申し上げます

同じ注意点でも、「ください」を外して依頼形にするだけで、角が立ちにくくなるでしょう。


今日からの実践:自分の定型文を1つだけ差し替える

一度に全部直す必要はありません。
まずは、よく使う定型文を1つだけ差し替えるのが現実的です。

差し替え例(目上向けに安全側)

  • ご承知おきください → ご理解いただけますと幸いです
  • ご承知おきください → 念のためお知らせいたします
  • お含みおきください → お含みおきいただけますと幸いです

この1つが直せると、次から迷いが減ります。
文章も自然に整っていきます。


ことのは先生よりひとこと

ことのは先生
ことのは先生

丁寧に伝えたいと思うほど、言葉が強くなってしまうことがあります。
迷ったら一段弱い言い方にして、目的が伝わる形に整えれば十分です。
相手が読みやすい文章は、それだけで思いやりになります。

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