ご自愛くださいの意味と使い方|目上への結び・季節の挨拶例文・NG表現まで
「ご自愛ください」は、なんとなく便利に見える一方で「目上に失礼?」「季節の結びとして正しい?」「お体ご自愛くださいはNG?」など、細かい不安が出やすい表現です。
結びの一文で印象が決まるからこそ、意味と使いどころを一度整理しておくと、迷いが減って文章が整います。
この記事で分かること
- 「ご自愛ください」の正しい意味と、よくある誤解のほどき方
- 目上・取引先に失礼にならない言い方(丁寧形・命令感を薄めるコツ)
- 季節の挨拶・メールの結びでそのまま使える例文(シーン別)
- 「お体ご自愛ください」など、避けたいNG表現と自然な言い換え
- 相手から言われたときの返信例(短く感じよく返す型)
ご自愛くださいの意味・読み方(まずここだけ押さえる)
「ご自愛ください」は、相手の健康や体調を気づかう結びの言葉です。
ビジネスメールや手紙の終わりに添えて、相手の負担を増やさずに丁寧さと気づかいを伝えられる、定番の挨拶表現として使われます。
ポイントは、内容が「体調を気にして、無理しないでください」という気づかいであって、何かの依頼や指示ではないことです。
この意味さえ押さえれば、以降の使い分けや例文が一気に理解しやすくなります。
自愛の意味:自分の健康に気をつける
「自愛」は、もともと「自分を大切にすること」「自分の体に気をつけること」という意味を持つ言葉です。
現代では特に「御自愛」の形で、手紙やメールの末文(結び)として相手に向けて使われることが多いとされています。
ここでいう「自分を大切に」は、日常会話の「自分を甘やかす」や「自分優先で」という意味ではなく、あくまで健康・体調の維持に配慮するニュアンスです。
出典:JapanKnowledge
ご自愛ください=健康を気遣う結びの表現(手紙・メール向き)
「御自愛」は「自愛」の尊敬語(丁寧語)で、相手に向けた健康への気づかいを、改まった形で伝える言葉です。
そのため「ご自愛ください」は、メールや手紙など“文章の結び”で特に使いやすい表現です。
この位置と意図が合っていれば、過度にかしこまった文章でなくても自然に収まります。
忘れてくださいとの違い(放置・無関心ではなく気遣い)
「ご自愛ください」と「忘れてください」は、役割がまったく違います。
つまり、「ご自愛ください」は用件を消したいときの言葉ではありません。
誤送信・行き違い・ミスの後に“なかったことにしてほしい”意図を入れる場合は、別の表現(例:先ほどの件は破棄してください、など)を選ぶ必要があります。
ここを取り違えると、意図が伝わらず不自然になりやすいポイントです。

使ってよい場面・避けたい場面(失礼・違和感の分岐)
ご自愛くださいは、基本的に「結びの気遣い」として機能する言葉です。
どこに置くか、相手の状態がどうかで、自然さが大きく変わります。
使ってよい:メールの結び/しばらく会えない相手/季節の変わり目
使いやすいのは、本文の用件が終わったあとに添える結びの一文です。
季節や忙しさに触れてから置くと、唐突さがなくなります。
結びの例(そのまま使える)
- 寒暖差のある時期ですので、どうぞご自愛ください。
- ご多忙のことと存じますが、どうぞご自愛ください。
避けたい:用件のど真ん中/緊急・重大案件の収束に見せる文脈
避けたいのは、依頼や確認の直後など、用件の中心に突然置くパターンです。
相手によっては、話が終わったように見えたり、温度差が出たりします(特に緊急対応・クレーム・未解決の案件)。
違和感が出やすい例
この場合は、まず用件を明確に締めてから、最後に気遣いとして添えるのが安全です。
体調不良の相手には「お大事になさってください」等の方が自然なケース
ご自愛くださいは、基本的に健康状態が良い相手を想定した表現です。
病気・けが・療養中など、相手が体調不良だと分かっているときは、別表現に言い換える方が無難です。
言い換えの候補
目上・取引先に失礼にならない?(命令感を薄めるコツ)
命令っぽく見えるのは関係性と文脈次第(本文がぶっきらぼうだと締めだけ丁寧でも浮く)
ご自愛ください自体は、相手の健康を気づかう丁寧な結びの表現で、基本的に失礼な言葉ではありません。
自愛という語に、健康に気をつける、大切にするという意味があるためです。
一方で、メールや文書は文面が短いほど温度が伝わりにくく、最後のご自愛くださいだけが目立つと、指示のように見えることがあります。
特に次の条件が重なると、命令感が出やすくなります。
対策は簡単で、用件の締めを整えたうえで、結びとして自然に添えることです。結びの一文として使えば、気づかいの表現として受け取られやすくなります。
丁寧形の言い換え
目上・取引先には、直接のくださいを避けて、婉曲にすると安全です。
また、より一般的で読みやすい言い方に寄せるなら、次も定番です。
注意点として、よく見かけるお体ご自愛くださいは、自愛に健康への配慮が含まれるため重なった表現になりやすいとされています。
基本はご自愛くださいだけで十分です。
一文ルール:用件の締め(お礼・結論)→気遣い→ご自愛、の順にする
命令感を薄めたいときは、次の順番で組むと失敗しにくいです。
そのまま使える形にすると、例えば次のようになります。
季節の挨拶・結びで使える例文(コピペで困らない)

基本形テンプレ(オールシーズン)
まずは通年で使える型を用意しておくと、季節の言い回しに迷いません。相手との距離に合わせて選べるよう、硬さ違いで3つ置きます。
標準(社内外どちらでも使いやすい)
丁寧(上司・取引先向け)
やわらかめ(社内・関係が近い相手向け)
季節別(春/梅雨/猛暑/秋/寒暖差/年末年始)での前置き+ご自愛
季節の一文は、状況の共有に見えるため自然に入り、結びのご自愛くださいが浮きにくくなります。
春(3〜4月)
梅雨(6月前後)
猛暑(7〜8月)
秋(9〜10月)
寒暖差(季節の境目で万能)
年末年始(12月〜1月)
相手別(上司/取引先/社内/久しぶりの相手)での調整ポイント
結びは同じでも、直前の一文を少し変えるだけで印象が整います。
上司(丁寧だが、硬すぎない)
お礼か報告の締め→気遣い→ご自愛
例:ご確認ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。どうぞご自愛くださいませ。
取引先(最も無難さ重視)
お願い申し上げます系で命令感を薄める/季節の一文を添える
例:何卒よろしくお願い申し上げます。季節の変わり目ですので、くれぐれもご自愛のほどお願い申し上げます。
社内(短く、実務の流れを止めない)
長文化しない/状況への配慮を一言だけ
例:共有ありがとうございます。お忙しいと思いますので、どうぞご自愛ください。
久しぶりの相手(関係の温度を戻す)
ご無沙汰の一文→近況を軽く→ご自愛
例:ご無沙汰しております。お変わりありませんでしょうか。季節の変わり目ですので、どうぞご自愛ください。
※相手が明確に体調不良のときは、ご自愛くださいよりも、お大事になさってくださいの方が自然です(見舞いの結びとして使いやすい)。
目的別「結びの言い換え」早見表
使い分けの軸:丁寧度/相手(社外・目上)/状況(季節・体調・繁忙)
結びの気遣い表現は、主に次の3点で選ぶと外しにくいです。
早見表
| 目的 | 推奨表現 | 丁寧度 | 向く相手 | 例文(1行) | 注意点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 健康を気遣う(定番) | どうぞご自愛ください | 標準 | 社内/社外/同僚 | 季節の変わり目ですので、どうぞご自愛ください。 | 体調不良が明確な相手にはやや弱いことがある |
| 健康を気遣う(より丁寧) | ご自愛のほどお願い申し上げます | 丁寧 | 社外/目上(上司・取引先) | 寒暖差の大きい時期ですので、ご自愛のほどお願い申し上げます。 | 硬め。社内の近い相手だと距離が出る |
| 健康を気遣う(丁寧+やわらかさ) | くれぐれもご自愛くださいませ | 丁寧 | 社外/目上 | お忙しい折とは存じますが、くれぐれもご自愛くださいませ。 | 「ませ」が過剰に丁寧に感じる相手もいる |
| 繁忙を労う+無理をさせない | どうぞご無理なさらないでください | やわらかめ | 同僚/社内/親しい取引先 | お忙しいと思いますので、どうぞご無理なさらないでください。 | 目上に使うと指図に見える場合がある |
| 繁忙を労う+健康も添える | お忙しいことと存じますが、どうぞご自愛ください | 標準 | 社外/社内 | ご多忙の折とは存じますが、どうぞご自愛ください。 | 体調不良が確定の相手には「お大事に」の方が自然 |
| 体調不良を気遣う(定番) | お大事になさってください | 標準 | 社外/社内/目上 | どうぞお大事になさってください。 | 病状が不明な相手に決めつけると重いことがある |
| 体調不良を気遣う(丁寧) | 一日も早いご快復をお祈り申し上げます | 丁寧 | 社外/目上 | 一日も早いご快復をお祈り申し上げます。 | 軽い体調不良だと大げさに聞こえる |
| 体調不良を気遣う(やわらかい) | お身体を大切になさってください | やわらかめ | 同僚/友人/親しい相手 | お身体を大切になさってください。 | 目上には「ください」が命令っぽく見えることがある |
| 季節の結びを整える(万能) | 季節の変わり目ですので、ご自愛ください | 標準 | 社外/社内 | 季節の変わり目ですので、どうぞご自愛ください。 | 季節要素が薄い時期は「寒暖差」等に置換 |
| 年末年始の結び(ビジネス) | 何卒よろしくお願い申し上げます。どうぞよいお年をお迎えください | 丁寧 | 社外/目上 | 本年もお世話になりました。どうぞよいお年をお迎えください。 | 送る時期がずれると違和感が出る(特に年明け後) |
| 送信側の気遣いを控えめにする | お気遣いなくお過ごしください(※用途限定) | 丁寧 | 社外/目上 | どうぞお気遣いなくお過ごしください。 | 「辞退」文脈向き。健康気遣いの結びには不向き |
表の使い方:迷ったら「相手との距離」×「体調に触れる必要があるか」で選ぶ
NG表現と言い換え(間違い・違和感を避ける)

NGになりやすい:お体ご自愛ください(意味の重複になりやすい)
ご自愛くださいの「自愛」は、辞書でも「自分の健康状態に気をつけること」という意味で説明されています。
つまり、健康を気遣う内容がすでに含まれています。
出典:コトバンク
そのため お体ご自愛ください は、同じ意味を重ねた形になりやすく、ビジネスメールでは「少し不自然」と見られることがあります。
言い換え:ご自愛ください/どうぞご自愛くださいませ/お身体を大切になさってください
状況別に、言い換えを置いておくと迷いません。
- 一番無難(基本形)
- どうぞご自愛ください。
- くれぐれもご自愛ください。
- 目上・取引先に丁寧(結び向き)
- どうぞご自愛くださいませ。
- ご自愛のほどお願い申し上げます。
- 体調に触れるほうが自然なとき(不調・療養中など)
- お身体を大切になさってください。
- どうぞお大事になさってください。
使い分けの目安はシンプルです。
元気な相手への結び=ご自愛、体調不良が明確=お大事に が基本です。
気にしないで系に寄せたい時は別表現に分ける(ご放念ください/お気になさらないでください など)
ご自愛くださいは「健康への気遣い」です。
「ミスや行き違いを気にしないでほしい」という意味で使うと、文脈がずれて違和感が出ます。
その場合は、目的を分けて言い切るのが安全です。
- 相手の心配を止めたい
- どうぞお気になさらないでください。
- ご心配には及びません。
- 誤送信・差し替えなどを無効にしたい
- 先ほどのメールはご放念ください。
- 先ほどお送りした内容は破棄いただけますと幸いです。
最後に1つだけチェックを置くと事故が減ります。
- いま言いたいのは「健康の気遣い」か
- それとも「心配しないで(忘れて)」か
ここが違うなら、表現も分けるのが正解です。
「ご自愛ください」と言われたときの返信(短く・感じよく)
「ご自愛ください」への返信は、基本的に ①お礼(お気遣いへの受け止め)→②用件の締め(必要なら) の順で十分です。
長くすると、かえって重く見えることがあります。
基本:お気遣いありがとうございます。◯◯様もどうぞご自愛ください。
同僚・取引先・やり取りが柔らかい相手なら、同じ気遣いを返して問題ありません。
そのまま使える短文(定番)
メールの結びとして自然な形(用件+気遣い)
目上へ:恐れ入ります。引き続きよろしくお願いいたします。
目上(上司・役職者)には、まず 恐れ入ります/ありがとうございます で受け止め、結びは 今後ともよろしくお願いいたします に寄せると無難です。
※相手に気遣いを返す場合は「〜くださいませ」など丁寧形にすると角が立ちにくいです。
無難に短く(気遣いを返さない型)
気遣いを返すなら(丁寧形)
体調に触れる場合:温かいお言葉ありがとうございます。回復に努めます。
相手が「体調を気遣って」ご自愛くださいと言っている文脈なら、現状を言いすぎず、短く受け止めるのが安全です。
軽く体調に触れる(最小限)
療養・回復の文脈(やや丁寧)
書かない方がよい例(重くなりやすい)
よくある質問(FAQ)
Q1 目上に「ご自愛ください」は失礼?最も無難な丁寧形は?
失礼ではありません。
ただし「ください」は状況によって命令っぽく見えることがあるため、社外・目上には丁寧形が無難です。
最も無難(硬すぎず丁寧)
より改まった文(かたいが安全)
使い方のコツ(失礼に見えにくい順番)
用件の締め(お礼・結論)→ 今後のお願い → ご自愛、の順にすると自然です。
Q2 「ご自愛くださいませ」「ご自愛のほど」の違いは?
違いは主に丁寧度と文の硬さです。
迷ったら、社外の目上には「ご自愛くださいませ」、より改まった文面(役員宛、謝意が強い文など)なら「ご自愛のほど」を選ぶと外しにくいです。
Q3 体調不良の相手には「ご自愛」より「お大事に」がよい?
はい、基本は「お大事になさってください」の方が自然です。
「ご自愛ください」は「健康に気をつけて」という結びの挨拶として広く使えますが、相手がすでに体調不良の場合は「お大事に」の方が意図が明確です。
使い分けの目安
- 相手が元気/季節の変わり目/繁忙:どうぞご自愛ください
- 相手が体調不良・療養中:お大事になさってください(目上向け)/お大事に(近い相手)
Q4 メールの結びに毎回入れるとくどい?頻度の目安は?
毎回でもマナー違反ではありませんが、やり取りが短い間隔で続く場合は、くどく感じることがあります。
頻度の目安(実務で無理が出ない)
- 毎日・短文の往復:毎回は不要(必要なときだけ)
- 週1程度の連絡:入れても自然
- 久しぶりの連絡/季節の変わり目/繁忙期:入れると好印象
くどくしないコツ
- 「どうぞご自愛ください」だけを毎回固定にしない
例:- 引き続きよろしくお願いいたします。
- お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。
など、締めを分散する。
Q5 「お体ご自愛ください」は本当に避けた方がいい?代替は?
避けた方が無難です。
理由は、「自愛」自体に“健康に気をつける”意味が含まれるため、「お体」と重なって二重表現に見えやすいからです。
代替(自然で安全)
まとめ
「ご自愛ください」は“結びの気遣い”として使うのが基本
「ご自愛ください」は、相手の健康を気遣うメール・手紙の結びで使う表現です。
用件の途中に単独で置くよりも、用件の締め(お礼・結論)のあとに添えると自然になります。
目上・社外は丁寧形にして、命令感を薄める
「ください」が強く見えそうな相手には、丁寧形を選ぶと安心です。
迷ったら、社外・目上は「どうぞご自愛くださいませ」、より改まった文面なら「ご自愛のほどお願い申し上げます」が無難です。
NGを避けて“状況に合う言い換え”に切り替えると失敗しない
「お体ご自愛ください」は二重表現に見えやすいため、基本は避けるのが安全です。
体調不良の相手には「お大事になさってください」など、状況に合う言い換えを選ぶと、気遣いがより正確に伝わります。
ことのは先生よりひとこと

気遣いの言葉は、丁寧さよりも「今の状況に合っているか」がいちばん大切です。
迷ったときは短く整えて、相手が受け取りやすい一文にしてみてください。


