「了解しました」は失礼?正しい敬語とビジネスでの使い分け方を徹底解説

『了解しました』は失礼?正しい敬語と使い方の違いを解説 敬語・ビジネス言葉

「了解しました」は失礼?正しい敬語とビジネスでの使い分け方を徹底解説

ビジネスメールやチャットでつい使ってしまう「了解しました」。
一見、丁寧に聞こえますが、目上の相手に使うと“失礼”とされる場合があるのをご存じでしょうか。

「承知しました」との違いが分からず、
「どっちを使えばいいの?」「メールで間違えたかも…」と不安になる人は多いものです。

本記事では、「了解しました」と「承知しました」「かしこまりました」の正しい使い分け方を、
わかりやすい例文つきで解説します。
敬語に自信がない方でも、この記事を読めば
今日から安心して使える“感じの良い返答”ができるようになります。


  1. なぜ「了解しました」は失礼だと言われるのか?
    1. 「了解」は目上から目下への言葉として使われてきた歴史的背景
    2. ビジネスシーンでは“敬意が足りない”と誤解されやすい
    3. 正しい敬語に言い換えるだけで印象が良くなる
  2. 「了解しました」と「承知しました」の正しい使い分け方
    1. 「了解しました」=同等・目下への返答
    2. 「承知しました」=目上・フォーマルな返答
    3. どちらを使うかは“相手との関係性”で決まる
  3. 【例文付き】使う相手別の正しい言い方一覧
    1. 💡使い分けのコツ
    2. 使用シーン別 例文まとめ
  4. 「承知しました」と「かしこまりました」の違い
    1. 「承知しました」は社内外問わず使える万能表現
    2. 「かしこまりました」は接客・サービス業などで最上級の敬語
    3. 過剰な敬語にならないバランス感覚が大切
  5. 感じの良い返事に変わる便利な言い換えフレーズ
    1. 「承知いたしました」「確認いたしました」「拝見いたしました」など用途別例
    2. 「いつもありがとうございます」など感謝を添えるだけで印象アップ
    3. クッション言葉を加えるとより自然に
  6. まとめ|敬語は“正しさ”より“思いやり”で印象が決まる
    1. 相手を立てる意識が正しい言葉遣いを導く
    2. 「了解しました」も場面によってはOK
    3. 「伝え方Lab」では言葉遣いのマナーと印象改善術を発信中
    4. 最後に:ことのは先生よりひとこと

なぜ「了解しました」は失礼だと言われるのか?

「了解」は目上から目下への言葉として使われてきた歴史的背景

「了解」という言葉はもともと、軍隊や官公庁などの上下関係が明確な場で使われてきた言葉です。
命令や指示に対して「了解!」と返す文化があったため、目上から目下に向けての言葉として定着しました。

その名残から、ビジネスシーンでは「了解しました」と言うと、
「上司の立場で返している」「目上の相手に対して偉そうに聞こえる」と感じる人が今でも多いのです。
つまり、「了解しました」は敬意を欠いた表現ではなくても、上下関係の印象が残っているため、
相手によっては「失礼」と受け取られるリスクがあるというわけです。


ビジネスシーンでは“敬意が足りない”と誤解されやすい

現代のビジネスでは、メールやチャットなど、文字だけのやり取りが中心です。
そのため、声のトーンや表情が伝わらず、言葉の印象だけで“冷たい”“軽い”と判断されてしまうことがあります。

たとえば、

「了解しました」

という一文だけ送ると、相手によっては「上から」「ぶっきらぼう」と感じることも。
実際、ビジネスマナーの講師や採用担当者の間でも、
「上司や取引先には『承知しました』のほうが丁寧」と教えられるケースが一般的です。

つまり、「了解しました」は決して間違いではないものの、
“敬意を伝える”という点でやや弱い表現といえるのです。


正しい敬語に言い換えるだけで印象が良くなる

「了解しました」は便利で使いやすい言葉ですが、
相手や場面に合わせて言い換えるだけで、メールの印象は大きく変わります。

たとえば、

  • 上司や取引先 → 「承知しました」「承知いたしました」
  • サービス業・お客様対応 → 「かしこまりました」
  • 同僚・部下・社内チャット → 「了解です」「わかりました!」

このように使い分けることで、“正しい敬語”を使う人=信頼できる人という印象を与えられます。
言葉は小さな違いでも、相手への配慮が伝わる大切な要素です。


「了解しました」と「承知しました」の正しい使い分け方

「了解しました」と「承知しました」は、どちらも「内容を理解した」という意味で使われます。
しかし、敬語としての“使える場面”や“相手との関係性”によって、正しい使い方が異なります。
間違えると、意図せず「失礼」と思われてしまうこともあるため、しっかりと区別して覚えておきましょう。


「了解しました」=同等・目下への返答

「了解しました」は、基本的に同等または目下の立場の人に対して使う表現です。
語源的に「了解」は“理解して受け入れる”という意味を持ち、
上司や取引先などの目上に使うと、「上から指示を受けたような印象」を与えることがあります。

そのため、ビジネスシーンでは以下のような使い方が自然です。

✅ 使用例

  • 同僚への返信:「了解しました!明日の会議で共有しますね。」
  • 部下への返答:「資料の件、了解しました。進めてください。」
  • 社内チャットなどで軽く確認する際:「了解です!」

⚠️ 注意点
外部の人(取引先や上司)に使うと、「軽い印象」や「無礼」と受け取られることがあるため、避けるのが無難です。


「承知しました」=目上・フォーマルな返答

「承知しました」は、敬語の中でもフォーマルで丁寧な表現です。
相手の指示・依頼・要望などを「確かに受け取りました」という意味で伝えるときに使います。

「了解しました」と同じ“理解・了承”のニュアンスを持ちますが、
より敬意と丁寧さを感じさせるため、上司やクライアントへの返答には最適です。

✅ 使用例

  • 上司への報告:「承知しました。明日までに資料をまとめます。」
  • 取引先へのメール:「ご依頼の件、承知いたしました。」
  • クライアント対応:「日程の変更、承知いたしました。」

💡 補足
「承知いたしました」は「承知しました」よりも一段丁寧な謙譲表現です。
書面や社外メールでは「承知いたしました」を使うのがより好印象です。


どちらを使うかは“相手との関係性”で決まる

最も大切なのは、「どちらが正しいか」ではなく、相手に対してどう使い分けるかという視点です。
状況別に見ると、次のように整理できます。

相手・場面適切な言い方備考
上司・取引先承知しました/承知いたしましたフォーマル・敬意を示す場合
同僚・チーム内了解しました/了解ですカジュアルで自然な印象
部下・後輩了解しました指示・承認を伝える際に適切
お客様対応(接客)かしこまりました最上級の敬語表現

このように、相手の立場や関係性によって言葉を切り替えることが、
ビジネス敬語をスマートに使いこなすポイントです。


【例文付き】使う相手別の正しい言い方一覧

「了解しました」と「承知しました」は、どちらも間違いではありません。
ただし、相手やシーンに合わせて使い分けることで、ビジネスの印象は大きく変わります。

ここでは、「上司」「同僚」「クライアント」「社内チャット」など、
よくある場面ごとの 正しい言い方例とNG例 を紹介します。


シーンNG例OK例解説
上司への返答了解しました承知しました/かしこまりました「了解しました」はフラットな印象で、目上には不向き。上司や取引先などには「承知しました」や、より丁寧な「かしこまりました」を使うと好印象です。
同僚・部下への返答承知しました了解しました(または了解です)同僚・部下には「了解しました」や「了解です」で十分。堅すぎず、柔らかく自然なやり取りができます。
クライアント宛メール了解しました承知いたしました/かしこまりました社外メールでは、「承知いたしました」や「かしこまりました」が最も無難。敬意と誠実さが伝わる表現です。
カジュアルな社内チャット承知しました了解です/わかりました!チャットツールなどの軽いやり取りでは、「了解です」「わかりました!」が自然。親しみやすくテンポの良い印象を与えます。

💡使い分けのコツ

  1. 目上には「承知しました」、社外なら「承知いたしました」
  2. 同僚・部下には「了解しました」で十分
  3. チャットではやわらかく「了解です」や「わかりました!」

シーン別に使い分けるだけで、
「この人、言葉づかいがきちんとしてる」と信頼感を持たれるようになります。


使用シーン別 例文まとめ

上司宛(メール)

ご指示の件、承知しました。本日中に対応いたします。

クライアント宛(メール)

ご依頼内容、承知いたしました。詳細は改めてご連絡いたします。

同僚宛(チャット)

了解しました! データ更新後に共有しますね。

部下宛(口頭)

了解です。 そのまま進めてください。

このように、相手や媒体によって使い分けることで、
自然で丁寧な印象を与えることができます。


「承知しました」と「かしこまりました」の違い

「承知しました」と「かしこまりました」は、どちらも“理解・了承”を意味する丁寧な敬語表現です。
ただし、使う相手・場面・業種によって印象や適切さが変わります。
どちらも「正しい」言葉ですが、TPOを意識して使い分けることが、ビジネスメールや会話での信頼感につながります。


「承知しました」は社内外問わず使える万能表現

「承知しました」は、ビジネス敬語の中でも最も汎用性の高い表現です。
上司・取引先・お客様など、どんな相手にも失礼なく使える“万能フレーズ”として定着しています。

意味としては「理解しました」「把握しました」とほぼ同じですが、
より丁寧で柔らかい印象を与えるのが特徴です。

✅ 使用例

  • 「ご依頼の件、承知しました。本日中に対応いたします。」
  • 「資料の修正版、承知しました。確認次第ご連絡いたします。」

「承知しました」はフォーマルながらも、過度な堅苦しさがないため、
メール・会話・報告・謝罪などあらゆるビジネスシーンで使いやすい敬語です。


「かしこまりました」は接客・サービス業などで最上級の敬語

「かしこまりました」は、「承知しました」よりもさらに丁寧で、最上級の敬語表現にあたります。
主に、ホテル・販売・コールセンターなどの接客業で使われる言葉で、
お客様に対して“深い敬意”を示す際に使われます。

✅ 使用例

  • 「ご注文の件、かしこまりました。すぐに手配いたします。」
  • 「少々お待ちくださいませ、かしこまりました。」

ただし、社内メールや日常のビジネス会話で多用すると、やや大げさ・形式的に感じられることもあります。
上司や取引先に使う場合も問題はありませんが、
「承知しました」よりも“距離感がある”印象になる点に注意が必要です。


過剰な敬語にならないバランス感覚が大切

ビジネスの場では、「丁寧=正解」ではありません。
大切なのは、相手との関係性や状況に合った“自然な丁寧さ”を選ぶことです。

たとえば、

  • 社内連絡で「かしこまりました」は堅すぎる
  • 接客や初対面で「了解しました」は軽すぎる

というように、同じ「了承」の表現でも、相手によって最適な言葉は変わります。

💡敬語マナーの基本

状況おすすめ表現備考
上司・取引先への返信承知しました無難でビジネス標準
お客様対応・接客かしこまりました最上級の丁寧さを表す
社内でのやり取り了解しましたフラットで自然
フォーマルな書面承知いたしました敬語+謙譲語の組み合わせで最も丁寧

言葉づかいは“丁寧さ”より“適切さ”が信頼を生む──
このバランス感覚こそが、社会人としての品の良さをつくります。


感じの良い返事に変わる便利な言い換えフレーズ

「了解しました」や「承知しました」だけでは、無機質な印象になりがちです。
少し表現を変えたり、ひとこと添えたりするだけで、相手に「感じが良い人だな」と思われる返事になります。
ここでは、ビジネスメールや会話で使える便利な言い換えフレーズを紹介します。


「承知いたしました」「確認いたしました」「拝見いたしました」など用途別例

ビジネスでは、シーンに合わせた丁寧な言い方を選ぶことが重要です。
以下のように、目的ごとに適切な言い換えを使い分けると、自然で上品な印象を与えられます。

用途基本表現言い換えフレーズ補足・使い方例
指示・依頼を受けたとき承知しました承知いたしましたより丁寧。社外メールや上司宛に最適。
内容を確認したとき確認しました確認いたしました書類・資料チェック後の返信に使える。
書類・資料を読んだとき見ました拝見いたしました目上への「見ました」は避け、「拝見〜」で丁寧に。
依頼を引き受けるときわかりました承りましたフォーマルな返信・接客メールでよく使う。
日程や提案を受けたとき了解しました検討いたします確認いたしますすぐ返事できないときの柔らかい言い換え。

このように、同じ「了承・確認」でも、シーンに応じた敬語の選択が信頼につながります。


「いつもありがとうございます」など感謝を添えるだけで印象アップ

どんなに正しい敬語でも、「冷たい」「事務的」と感じられることがあります。
そんなときは、感謝のひとことを添えるだけで印象が一気に変わります。

✅ 使える感謝フレーズ例

  • 「いつもご丁寧にありがとうございます。」
  • 「ご連絡いただき、誠にありがとうございます。」
  • 「迅速なご対応、感謝申し上げます。」
  • 「ご確認くださり、ありがとうございます。」

これらを文末に加えるだけで、メール全体が柔らかくなり、誠実で温かい印象を与えられます。

💡たとえば

ご連絡の件、承知いたしました。いつもありがとうございます。

このような一文を添えるだけで、「機械的な返事」から「心のこもった返答」に変わります。


クッション言葉を加えるとより自然に

直接的な依頼や指示の前後に“クッション言葉”を入れると、よりやわらかく伝わります。
これは、ビジネスメールの印象を良くする言葉づかいの基本です。

✅ よく使われるクッション言葉

用途フレーズ例使用シーン
依頼の前恐れ入りますが/お手数ですが「恐れ入りますが、こちらのご確認をお願いいたします。」
注意・お願い失礼ですが/恐縮ですが「恐縮ですが、再度ご確認いただけますと幸いです。」
返信・対応時ご対応ありがとうございます/ご連絡感謝いたします相手の手間に対して感謝を伝える
柔らかいお願い差し支えなければ/可能であれば「可能であれば、明日までにご返信ください。」

クッション言葉を意識的に使うことで、相手に圧を与えず、誠実さを伝えることができます。
単なるマナーではなく、円滑なコミュニケーションを築くための“思いやりの言葉”です。


まとめ|敬語は“正しさ”より“思いやり”で印象が決まる

ビジネスにおける言葉づかいは、単なるルールや形式ではありません。
大切なのは、相手を思いやる気持ちをどう表現するかという姿勢です。
「敬語を完璧に使える人」よりも、「感じの良い話し方ができる人」が最終的に信頼を得ます。


相手を立てる意識が正しい言葉遣いを導く

敬語を使う目的は、「自分をへりくだること」ではなく、相手を立てることにあります。
たとえば、「承知しました」「かしこまりました」なども、
相手への敬意を込めるための“表現の道具”です。

言葉を丁寧に選ぶ姿勢は、それだけで「この人は信頼できる」と感じてもらえる要素になります。
つまり、敬語のコツは文法ではなく、相手への敬意を意識することなのです。


「了解しました」も場面によってはOK

「了解しました」は一概に“失礼”ではありません。
ビジネスメールの世界では、「相手との関係性」「やり取りの距離感」によって使い分ける柔軟さが大切です。

  • 上司や取引先 → 「承知しました」「かしこまりました」
  • 同僚や社内連絡 → 「了解しました」「了解です」

このように使い分けることで、堅苦しくなりすぎず、自然で気持ちの良いやり取りができます。
「言葉の正しさ」よりも、「相手がどう感じるか」を意識することが印象を左右します。


「伝え方Lab」では言葉遣いのマナーと印象改善術を発信中

本記事のように、「伝え方Lab」ではビジネス・日常会話・メールなど、
あらゆるシーンで役立つ丁寧な話し方や言葉遣いの改善術を紹介しています。

「間違っていないけれど、ちょっと堅い」
「正しいけれど、冷たく感じる」

そんな“言葉の温度差”を埋めるヒントを、今後も発信していきます。


最後に:ことのは先生よりひとこと

ことのは先生
ことのは先生

言葉は“心のかたち”です。
「正しい敬語を使わなきゃ」と身構えるよりも、
「相手に気持ちよく受け取ってもらうには?」と考えることが、丁寧な話し方の第一歩。

言葉ひとつで、信頼も印象も変えられます。
あなたの「伝え方」が、今日から少しやさしく、あたたかいものになりますように。

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